少年たちは花火を横から見たかった
主人公の山崎裕太が別人になってしまっている。奥菜恵の経年劣化が激しい。
そのような事はこの際置いて、あの舞台を、出演者たちが再び訪れる趣向のドキュメント物だ。
いきなり、あの、あれほど情緒に満ちていて舞台装置として極めて重大な役割を果たした駅舎が、ただの今風の小綺麗でつまらない駅舎に全面改築されている姿が映り、見ている人を仰天させる。
時間は流れているのだ。
懐かしい釣具店も出てくる。
今でもあの作品の舞台を訪ねてやってくる人がおり、そのために舞台となった2階の部屋はまだそのままに残してあると語る主人の話が印象深い。そしてあの物語の舞台装置で元のまま生き残っているのはこの釣具店くらいだ。
駅舎
校舎
灯台
全部、ない。
山崎にも奥菜にも、あの物語が不思議なお話としか理解されていない事も分かる。
まあ、そんなこたーどうでもいい。
彼らに必要なのは役者としていいか悪いかで、それ以上でもそれ以下でもないのだ。
関係者の口から語られる撮影の裏舞台、また意外(?)な事に最初のシナリオは出来上がったものと異なっていた事が具体的に明かされるなど、見逃せない映像が多い。
あの物語に何かを感じた人間は必見だ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント