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2006年4月22日 (土)

何はなくともM・Frame

最初に書いたOAKLEYネタはzeroについてだったのだが、私がOAKLEYについて語るならやはりM・Frameを外すわけにはいかない。
私にとってOAKLEYとはほとんどM・Frameと同義だからだ。

Armstrongm

写真はランス・アームストロングがツール・ド・フランスを2連覇した時に記念で限定発売されたLance Armstrong Signature Pro M・Frameだ。

OAKLEYはこの手のSignatureモノをちょくちょく出す。かのイチローが愛用しているJulietのイチローSignatureモデルも売り出された事があって、今でもプレミア価格で取引されている。通算では数十モデルあると思う。ランスモデルなどはこの2連覇時のLance Armstrong Signature Pro M・Frameだけでなく、6連覇した時に再度Lance Armstrong Signature M・Frameが販売されたくらいだ。つまりランスモデルだけでも2つある。OAKLEYのイコンがLoneStar柄になっているのはランスのお約束である。時々これを「星条旗柄」であると解説している事があるが、テキサス州旗の間違いだ。このArmstrong Pro Mは、以前傷入りの中古を安く手に入れた。どうせ使えば傷は付くので気にしていない。こんな風に私は実用品に関しては傷入り中古を狙い撃ちするような買い方をすることが多い。何しろこんなに持っているのに、写っている中に新品で買ったものがたった一つもないのは自分でも変な意味で感心してしまう。レンズもG26を除き全部中古だ。OAKLEYは怒るぞ、きっと。

OAKLEYに詳しい人なら、この写真のランスモデルが元のレンズではない事に気付くかも知れない。Signatureの名前の通りランスのサインが入った元のレンズはIce Iridium、通称「Ice」である。青いレンズだ。Iceは透過率が10%と全OAKLEYレンズ中でも最も透過率が低い部類の、簡単に書けばカンカン照り用のレンズだ。ここまで透過率が低いと汎用性も当然下がる。急に暗くなると前がよく見えないなど、場面によっては危険ですらある。よって折角ランスのサイン入りではあるがお蔵入りになっている。ランス自身もIceを使っているところは見た覚えがない。たぶん、どうせ記念限定モデルだからとイヤーソックの青に合わせてファッション的な意味合いでIceが適当に選ばれたのだと思う。

写真のレンズはG30のVented Hybrid Smallだ。形がHybrid Smallで、熱気抜きの穴が空いているVentedとなる。このレンズ実はランスもかなり好んで使った種類で、ほとんどLance Armstrong Signature M・Frameでは全く同じG30 Vented Hybrid Smallが採用された。ある意味2つのランスモデルを混ぜたような組み合わせになっている。

G30は元来ゴルフ用に作られたレンズカラーだ。正式にはG30 Iridiumとなる。透過率は名前の通り30%で、屋外用のアンバー系コントラストレンズ。グリーンを落とすことで視界をくっきりさせている。かなりオールマイティな色で使いやすく、私も半分くらいはこいつを装着している。

レンズの種類が多いのもM・Frameの特徴である。このため多種多様な用途に対応できる。既に絶版のものや特注に対応したものまで含めると100種類を超えるほどM・Frame用のレンズは数が多い。

ちなみに何故「M」なのかだが、これは形がアルファベットのMに似ているからとかそんなものは全然関係なくて、M・Frameになる前「Mambo」だったからだ。その頃は今で呼ぶところの「Heater」レンズしかなかった。現行のM・Frameは3代目である。3代目で折り畳み機構を廃したPro M・Frameが加わった。ツルを折りたためないので嵩張るし収納しにくいが、ホールドは最高で激しい運動にもズレない。その高いホールド力を見込んでメガネフレームとして使っている運動選手もおり、OAKLEY自身、純正の度入りレンズ「RX」レンズを幾つかのレンズカラーで販売している。細かいことを書くと、このサングラス、お店などではM-Frameと表記している事が圧倒的に多いが、MFrameが正しい。

私も持っているのはほとんどがPro M・Frameだ。

乗り物に乗るとき、特に開放型の乗り物に乗るときは、いつ死んでも後悔しない奴以外は格好付けとか別にして素面で乗るのは避けた方がいい。私なんぞは小学生の時に自転車で走っていて目の中に虫が入った経験があるので身に染みている。このとき周りに何も障害物がなく車も走っていなかったのはただの幸運である。経験がない人は甘く考えている(でなければあれほど大量に素面の原チャリが走っていない)が、人間は目に強い刺激を受けると簡単に前後不覚になる。目は脳味噌に直結した器官だからだ。いや正確には脳味噌が一部外に出ているのが目である。このため目に強い刺激を受けると人間は脳味噌がショートしてまさに真っ白になるのだ。物理的でなくても、目の前でフラッシュを焚かれるだけでアウトだ。格闘においても目は最も有効な急所攻撃の一つとされているのにも如実に顕れている。シークレットサービスと呼ばれる連中がやたらサングラスをかけているのはマトリックスの真似ではない。いかなる練達の格闘プロであっても不意のフラッシュ一発で2秒ほど行動不能になることを知っているからだ。2秒の隙など、生きるか死ぬかの場面においては紛れもなく「死」を意味する。
一般人の場合、よほどセクシーな美女でもなければ路上で敵が目潰しして襲ってきたりはしないだろうが、美女かブサイクかイケ面かダサ男かに関わらず、あっと思ったその瞬間が走行中で前に障害物でもあれば、次の日の新聞三面にハンドル操作を誤ったものとみて調べています。」の毎度おなじみ記事が載ることになる。全く話が逸れてしまうが何故つまらない記事を「三面記事」と呼ぶかついでに解説しておくと、昔の新聞は一枚の紙の二つ折りで、どうでもいい記事は一番最後に読まれる第三面に載せていたことに由来する。(今日のトリビア)

私は早朝や夕方でも何らかのEyewearを装着して走っている。早朝の場合は透過率50%と透過率が高めのコントラストレンズVR50か、同じく61%でOAKLEY史上に残る傑作レンズカラーPersimmon。更に暗ければH.I.Yellowを使用する。H.I.Yellowは面白いレンズで、かけている時の方が何もかけていないより視界が明るく見える。逆に明るい場面では裸眼よりも眩しくて使えない。局地戦用ザクのようなもので、特定の目的向けに作られているほどその目的以外には向かないのだ。そこでいろんな種類を使い分ける事になり、泥沼が待っている。

小田島隆氏はかつて「マニアは興味対象に対しての知識が深まれば深まるほど興味対象への冷静さを失ってゆく」と書いたが、これは名言だと思う。

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