告知の時
5月25日
Canon社長が記者会見で新規のフィルムカメラ生産について「難しい」とコメントする形で事実上の開発打ち切り宣言を行った。以前予想した通りの結果になった。
フィルムカメラがもはや特定のマニア層に少数しか売れていないため、新規開発を行っても採算がとれる見込みがない事も併せて発言。
Nikonのデジタルカメラ傾注宣言に次いで、Canonもフィルカメラの新規開発を行わないことがこれでほぼ確定した。生産に関しては「ニーズがある限りは行う」としているが、これは逆に「魅力的な新機種の投入は何ら行わないまま放置した上で、様子を見ながら順次生産を打ち切ってゆく」事を意味するので、このキヤノン社長の奥歯に物の挟まったような発言の実質的中身は「このままフェードアウトさせることを正式決定しました」となる。
Canonは世界のフィルムカメラシェアの実に4分の1を占める最大手である上、何を隠そうシェアトップ5社のうちCanonを除く全てがここ1、2年で次々と撤退もしくは事実上の撤退宣言を既に行っていた。これで大衆向けフィルムカメラの歴史は事実上終わると思う。ごくごく限られた層向けの少量生産品しか残ってゆかないだろう。人間にすれば
「医師として率直に申し上げます。あなたは癌です。残りの人生をどう過ごすか考えるべき場面に直面していると考えて下さい」
のような話だ。
こんな文語的な告知をするDr.はいないだろうけど。
100年以上に渡って歴史的瞬間やどうでもいい瞬間や素晴らしい笑顔やふくれっ面や誕生や死を記録し続けてきたフィルムカメラの皆さん、ご苦労様でした。
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