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2006年5月22日 (月)

アストロツインズ

偶然同じ日に生まれた、血縁としては関係ないがそっくりさんな二人の事を「アストロツインズ」と呼ぶらしい。
海外の話だが、かつて全く違う場所で同じ日に生まれたアストロツインズの女性が、二人とも夫として同じ年齢の人間を選んで1日違い(微妙に惜しい)で結婚し、何故か同じ日に双方とも双子を出産した大変摩訶不思議な例があるそうだ。出産したのが同じ病院だった事から、この二人の不思議な一致が分かったらしい。マンガでもここまでわざとらしくやらないだろう。

さて、本題はアストロツインズそのものについての話ではない。
V2 BOOMERANGのアストロツインズ、ZIPP3001についてだ。

Zippp3001

暫く前にeBay GBに出品されていたZIPP3001
日本円換算55万円ほどで落札されていた。

私の愛車V2 BOOMERANGと同じV字フレームだ。鋭角的なデザインである事を加味すると最もV2 BOOMERANGと似たデザインのフレームだと思う。V字型フレームの基本的な考え方としては、シートポスト及びシートステーを廃する事で空気抵抗を減らそうとするもので、1990年代前半頃にTT用として多用された形式だ。

似たようなフレームとして現在も生産が続いているのが、Softrideの自転車である。正確には「似たような」ならぬこちらが本家だ。
V2 BOOMERANGにまつわる伝説として残っているのだが、大元のデザインを描いたGreg LeMond自身、Softrideからビームサスペンション機構を抜いたようなフレームが欲しいとレストランで紙ナプキンにスケッチを描いたのがV2 BOOMERANGの企画の始まりなのだそうだ。残念な事にV2 BOOMERANG自身は世に出た頃にはUCIの規定が変わってしまってビッグレースに出場することはなかったのだが、独自のレギュレーションで動いているトライアスロンの世界では今でも異形フレームが製造され続けている。超高性能ホイールLightweightの親会社として知られるCarbonSportsも、V2 BOOMERANGに似たフレームTOTAL ECLIPSEを製造販売している。こっちはV2 BOOMERANGをグニャグニャさせた感じのそっくりさんだ。

話をZIPP3001に戻すと、このフレームはその前に販売されていたZIPP2001の最終特別バージョンとして限定販売されたものだ。ZIPPはこの3001を最後にフレーム販売から手を引いている。V2 BOOMERANGと同じく、一昔前のフレームである。

もともとZIPPの3001自体が相当に珍品なのでオリジナルの姿に精通している人はあまり居ないと思うが、出品されていたこのZIPP3001、詳細に見れば見るほど呆れるくらい手が入っている。それゆえ取り上げてみたくなった。

変更点を見てみると、こフロントフォークはロード用として大変珍しい片持ちの「MONOBLADE」だ。Graeme Obreeがオブリーポジションでアワーレコードに挑んだときの自転車に使われた片持ちフォークとほぼ同じ形態を取っていて、フロントフォークのブレードが右側しかない。そしてこれまた珍しい650cのMAVIC iO(650cのiOは現在絶版)を、モノブレードで使えるように改造してある。

D8_3

インテグレーテッドエアロバーもオリジナル。見にくいが、ウイング部分が物凄い扁平のペッタンコだ。LOOKのErgostem HSCを使って最大限まで落差を作り出している。ブルホーン先端の一見ブレーキレバーに見えないブレーキレバーは、プロファイルデザインが少し前まで販売していた「エアロブレーキ」これも現在は絶版である。私も面白そうだったので偶然にも買って持っているが、正直危険なくらい使いにくくて、絶版になったのもそりゃそうだと納得が行くアイデア倒れのブレーキレバーだ。アイデア倒れ繋がりでは、変速系に無線式の電動変速機MAVIC MEKTRONICを使用している。MEKTRONICはアイデアこそ面白かったものの突然変速しなくなったり勝手に変速したりと動作が不安定で怒号の中消えていったトホホコンポだ。このオーナー、妙なモノがかなり好きらしい。長さ調節が可能な見慣れないカーボンクランクは何と南アフリカ製!で、これもたまげる。もともと長さ調節可能なクランク自体が手で数えられるほどしか販売されていないが、カーボン製で市販品はこれだけではないだろうか。最後にリアのディスクホイールだけZIPPのシールこそ貼ってあるがZIPP製ではないし、フルカーボンでもない。力尽きた?のだろうか。他の凝りようが尋常でないだけに一点だけ不思議なところだ。

フロントの変速系を廃してあるなど全てが平地をただひたすら速く走るために徹底したかなり極端な仕上がり。特にエアロフロントフォークのためにホイールまで改造してしまったフロント回りの物凄いこだわりの作りには舌を巻くほかない。

世界は広い。

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コメント

I built this bike for Ironman races! 9hr 42 is it's PB. Is it still racing?

投稿: Dale Anderton | 2009年8月24日 (月) 03:14

Zipp3001、ぐるっと回って日本にやってきました。

http://mybike.jp/bike/1368

投稿: Voldemort | 2011年6月 3日 (金) 07:46

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