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2006年6月23日 (金)

ergomo ISIS and New SRM

遅れに遅れていたergomoのISIS版とOctalink版の出荷が正式にアナウンスされた。

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写真はISIS版BBユニット

パワー計測精度は先日向上したままの±0.5%を標榜し続けている。

対してSRMもちょっと動きがあった。

Comda

パッと見は分かりにくいのだが、このSRMはインナー側がPCD110mmになっている。アウターがPCD130、インナーがPCD110の“Hybrid”なのだ。これはFSAスルーアクスルバージョンのSRMから始まったものだが、78DURA-ACEスルーアクスルバージョンでも同仕様のものを一部店舗で注文を受け付け始めたようだ。値段は今までの78DURA-ACEバージョンより1割ほど高い。

この「アウター130インナー110」は、2種類のPCDのチェーンリングを用意しなければいけない点以外はとても合理的だと思う。確かにロードバイクのアウター用としてPCD110は無駄に小さいし、逆にインナーはPCD110でもメーカー製で42Tくらいまで売っているので大きくしたければ大きくでき、小さくしたければ普通には34Tまで小さくできる「柔軟な選択肢」が大きな長所だ。確か33Tを作っている工房も見た覚えがある。

コンパクトドライブが脚力のない人間用だったのは過去の話で、先日終了した2006年のジロ・デ・イタリアでトップ選手が軒並みコンパクトドライブを使用したその使用率の高さは驚くほどだった。総合優勝したイヴァン・バッソなどは前からコンパクトを使うことで知られていたが、平地ステージ以外ではコンパクトでないトップ選手の方が少ないほど軒並みコンパクト。それを使って坂でも100rpmくらい回す。この走法は心肺機能に凄く負担が来るのだが、逆になかなか脚に来ないのでとことん心肺機能を鍛えた人間がやるとずっと高速を維持できる。脚で重いギアをワッシワッシと回すやりかただと脚の筋肉に乳酸が溜まっていくので、最後には脚が“あがって”しまい高速を長時間維持することはできないのだ。それはあのL'Alpe d'Huezの恐ろしい急坂だろうと110rpmくらいでクランクをブンブン回し続けて登るランス・アームストロングがツール・ド・フランスを7連覇することで証明しまくったわけだが、現実に真似した選手は速くなっている。今年バッソは遂にグランツールの一角であるジロ・デ・イタリアを初制覇したが、チームによると彼の平均ケイデンスは年々増える一方だそうで、ケイデンスが増えるのに比例して強くなっている。

昔はインナー42Tとか45Tが当たり前だったわけで、数々のレーサー達が45T×23Tとか46T×24Tのような考えられないムチャクチャなギアでアルプスでも登ったのである。そりゃ、膝とか故障しまくるハズだわ。少し前までインナー42Tは別に平地タイムトライアル用ではなかった。普通の人間が普通にロードバイクのチェーンリングとして42Tを使っていたのである。現在封印中の、私がかつて組み上げたクロモリロードレーサーもインナー42Tだ。コンパクトドライブ不要論とか唱える人間が39T「ごとき」で俺様って脚力のある人間だとでも思っているのならお笑いぐさで、PCD130の39T自体が坂用の小径ギアとして産みだされた、それこそコンパクトドライブと呼んでもいいチェーンリングであること自体を知らないのではないか。コンパクトを嘲笑する人間が40T未満のチェーンリングを使うなど、自分は「村」に住んでいるクセして他人を田舎者と笑うに等しい恐ろしくシュールな状態だ。これほど「目くそ鼻くそを笑う」にピッタリ来る話はない。

まあ、そんなことはどうでもいいや。39Tが格好いいと思う人は39Tで頑張ったらいい。私には止める道理も理由もないし、正直コンパクトの是非論など明日の天気よりもどうでもよくて、ただただに速くなるならなんでも使う派だからだ。だいたい横を走っている人間のギア比なんて見てもいない。格好付けで速くなるもんならエステサロンだって行くぜ。速くなること以外にこだわって速くなった話は聞かないので行かないけど。

で、こいつら新製品。

お前ら進化が中途半端なんだよ。どっちか早く決定打出せよ!

それとSRM。既に十分高いのに更に値上げすんなコラ。

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