Point of No-Return!
検討を始めてから4ヶ月強。
最後までSRMと迷ったergomo PROを今日発注してきた。
納期は「1ヶ月はかからない」そうだ。
現在ドイツからこちらへ向かっている便の中に、私が欲しい種類のergomo BBユニットも含まれているらしい。
シルベストサイクル梅田店で6月24日にergomoを注文したのは私ですハイ。
「結局コレを付けても速くはならないんですけどね。あくまで測定できるってだけのもんなんで」と語る店員さんに
「速くなるかって聞かれたらビタイチ速くなんないでしょうね。厳密には重くなる分だけ遅くなるでしょ」と即答したのも私ですハイ。同じ額の金を掛けてホイールを軽くしたりした方が間違いなく単純な「速さ」には貢献する。
全てはパワートレーニングとパワーペーシングのため。
所詮どこまでいっても計測器。付けただけで速くなるなどあり得ない。速くなるかどうかは使い手の使い方次第だ。
結局こうなった理由は
- SRMを使うならスルーアクスル型を使いたい。
- そうすると値段的にergomoの2倍になる。
- 「私にとってどのクランク長が一番パワーが出るのか」を調べたいのもパワーメーター導入目的のうち3分の1くらいを占めるのだが、スルーアクスル型SRMはクランク長の変更が利かない。
- 非スルーアクスル型SRMの場合マルチレングスクランクを使えば任意のクランク長を試せるが、この長さ変更可能クランク自体がビックリ価格である上にOctalink方式BB専用。そしてどうせBBを別に用意する形式ならergomoの方が合理的に感じる。
- サイクルコンピューター部の表示情報量はergomoの方が多い。後発の有利を活かしていると思う。バックライトまで付いている。
- やっぱり高度計が好き。
- 前にも書いたがergomoの「1秒間隔記録で8時間記録」は凄いと思う。よほどの長距離走行でない限り1秒間隔の超細密な記録で全ログを取ってしまえるほどのメモリが載っている。これも後発の強みだろうね。卑近な例で申し訳ないが、POLAR Power Output Sensorの場合、5秒間隔で琵琶湖一週をフルに記録するのは北湖一周でないと難しく、一周を記録しきるにはかなりレベルの高い人間で揃えた列車を組んでハイペースで走り切ってしまわないと途中でメモリが一杯になってしまう。対してergomoなら1秒間隔単独走行でも余裕だ。
さあて、それなりに手間も掛けてスルーアクスル型BBに変更したV2 BOOMERANGだが、ergomoの導入によってISIS BBに“逆戻り”となるのが決定した。正直スルーアクスル方式の合理性と剛性の高さは私にとってとても気持ちの良いものだったので残念ではある。
でも、全ては速くなるため。
何をしても速い人間なら、こんなものは無用の玩具だと“吹いて”も許されると思う。私はその発言を否定しない。
もしロナウジーニョが
「サッカーがうまくなるために必要なのはボールだけさ」
と語ったら、それは全面的に許される。
本当にボール一つから上手くなった、神に愛された真の天才の発言だからだ。
もっとも自転車のトップ選手ではランス・アームストロングやイヴァン・バッソ、ヤン・ウルリッヒ、ダミアーノ・クネゴ、アレキサンドル・ヴィノクロフなど皆パワーメーターのユーザーであって、取り入れてない選手の方がもう珍しいが。
そして私なんぞは何をしても速いどころか最善を尽くしても速くないし、回り道してでも速くなれるほど膨大な試行錯誤を行うには残された時間があまりに短く、またその中から正しい選択肢を掴み取る可能性もかなり低い。
今日速く走れたのはたまたまなのかそれが正しかったからなのか、私は体感で全て賄えるような天才ではない。そしてSRMしかなかったところにPowerTapが現れergomoが現れたように、待てば待つほどよりよいものが出てくることも分かっている。それは歴史的にも間違いない。この半年ほどの間に限ってSRMだけ取り上げても確実に進化した。だが、私に本当にいいものが出てくるのを待っている時間はない。
私は今日を走らねばならない。
いずれ世に出あるであろう「これが欲しかったんだよ」を待ち続ける余裕はないのだ。
…Welcome!
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コメント
ついに決められたのですね。
別のブログでERGOMOは校正が無いのが
問題である旨の話題になっていました。
私も導入に興味があり、気になるところです。
LIVESTRONG様の意見をお聞かせ願いたいのですが。
投稿: SORA | 2006年7月 1日 (土) 23:53
物凄く単純な話です。
ergomoがイカレるまで私の「現役」期間の方がもたないです。
その事に気付いたんです。
投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年7月 2日 (日) 12:22
返答ありがとうございます。
現在はトレーニング記録すらとっていない状態。
このブログを読ませていただき、なんと無駄の多かったことか、と知らされました。
それで、私も本日、発注しました。
気付かせて頂きありがとうございました。
これからのトレーニングが楽しみです。
投稿: SORA | 2006年7月 4日 (火) 22:13
私が20代も半ばなら、SRM買えるまで地道に貯金の道を選んだと思います。
しかし今や「そうこうしている間にも着実に年を取る今日この頃」なわけでして。
このへんは全く個々人それぞれのトレーニングに対するスタンスの問題だと思います。青筋立てて暑苦しく速さを追うのは、現実には自転車の楽しさのほんの一部分に過ぎないのですから。
私の場合、速くなるってもあくまで当社比の話であって絶対値としては別に大した領域の話じゃないし、速くなってだからどうしたと聞かれたら返す言葉もないし、なんでそんな頑張るのかって、いよいよ気でも狂ったと定義するのが真相として一番当たってるような気がするくらいです。
投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年7月 5日 (水) 23:54
影響されまくりで、私も買って取り付けました。ショップまかせですが。
かなりてこずったようです。当初、三千円の工賃が五千円に上がってましたから。
スタッフが「これをシルベスト梅田店で買った人は通販?だったらしい、いったいどうやって付けてはるんだろう」と首をひねってました。
「締め付けmaxトルクはあくまでもmaxであって、規定値ではない」と言われて妙に納得した次第です。
体力と解析能力に程度の差はあったとしても、自分の現在の身体能力を数値化して管理できることで、楽しみが増えるのは確かですね。
ただ、付属のソフトをパソコンにインストールできるのが1回限りというのは、何とかならないものでしょうか。(メーカーに言えっちゅう話ですね)
投稿: ロードマン | 2006年8月18日 (金) 11:26
ロードマンさん、まいどです。
ergomoの取り付けについてはそのうち書く予定ですが、確かに面倒臭いですね。
私も自分の自転車じゃなかったらやりません。
HOLLOWTECH II形式のクランクを外してergomoを取り付けてISISのクランクを取り付けて走れるようになるまで軽く4時間は掛かりました。
解析ソフトの件は自社製じゃなくて他社製の単体商品をOEM供給してもらっている関係だと思います。逆にそのせいで良くできています。
投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年8月19日 (土) 10:28
取付の詳細とデータ解析記事、楽しみにしてます。
投稿: ロードマン | 2006年8月19日 (土) 19:39
ロードマンさん、まいどです。
取り付けについては書いているところですが、データの解析は一つ致命的な問題があって、現在私はこの解析ソフトを使えるPCを持っていません。それを早急に何とかしないといけないところです。ergomoで資金が尽きて現在後回しになってます。
ただ、5年前ならいざ知らず昨今PCは内容さえ問わなければ5万で手に入るので適当に間に合わせて良かろうとは思っていますが。
投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年8月21日 (月) 18:55