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2006年6月25日 (日)

特許は申請してません(しても取れない)

見ただけでは何をするもんだかよくわからない。

Pipe1

だが、私の数少ない発明のなかで現在最高のものに違いないのがこれだ。

モノとしては、銅パイプの90度継ぎ手である。エルボーね。
それを“あるもの”の形にハンマーで叩き出した。

使い方はこう。

Pipe2_1

なんのことはない。ようはリムセメントの除去用具である。大したことねーな。

だが、この銅製エルボーを叩き出しただけの道具、なかなかバカに出来ないのである。

固まってしまった古いリムセメントの除去が大変鬱陶しいのは、除去作業をやったことがある誰もが知っている。この貼ったり剥がしたりの面倒臭さはロードバイクに於いてチューブラータイヤがあっという間にシェアを奪われた大きな理由だと思う。

固まってしまったリムセメントはリムセメントクリーナーを付けても全然溶けず、下手すると1日潰れても取りきれずリムセメントクリーナーは一缶無くなってしまったりする。

そこでメンテナンス本

の類ではドライバーで取れと書いてあることが何故か多い。

…はぁ?

お客さん、寝言は寝てからにして下さいよぅ

リムをドライバーでガリガリやったらどうなるか。

もちろんだが傷だらけになる。ドライバーの先など、よほどの安物でなければ焼きが入れてあるで作ってあるわけで、私が愛用しているWERAのドライバーなどカジリ防止に工業用ダイヤモンドの粉末まで付けてある。そんな硬いモノに比べたらアルミだろうとカーボンだろうと、リムの素材なんて問題外に柔らかい。硬いモノと柔らかいモノとがこすれ合ったらどっちが削れてしまうか、分からない人は適当な素材で実際に試してみればいい。柔らかい方がどんどん削れてゆくから。

タイヤ貼ったら見えないところだからいいじゃん、なのか?

アルミも表面処理が剥げたらそこから錆びるし、カーボンは傷いくとそこからバリッと積層が剥がれたりするぞ。

ぶっちゃけ

などは私も整備で参考に見ることが多くて有り難い本(本気でそう思っている。なんせ何回も見直したのでかなりボロボロだ)なのだが、リムセメントの扱いについては全然大したことを書いていない。

もういいや。

書いてないだけでドライバーを使いこなす秘密の凄いワザがあるのかも知れん。惜しいことに私はおっちゃんがかつてどうやってリムセメを取っていたか覚えていないし、フライパンとペティナイフだけで凄い数の料理を作る人もいるんだからドライバーの魔術師が居ても不思議はない。

で、秘密のワザなんて知らん(もしくはコッテリ忘れた)私にはコイツの登場。

素材がであるところに凄いミソがある。
つまり、リムがアルミだろうとカーボンだろうと、銅製のコイツはリムより柔らかいわけ。だからリムと擦り合わせた時、コイツだとリムが勝ってコイツが削れるのだ。

=かなりガシガシと擦っても全然リムを痛めない。

Bravo!!!(発音イタリア風)

しかも予めリムのカーブに沿うように叩いておくことでただ押しつけるだけでリムのどの場所にも作用するため、妙なヘラであるとか前述のドライバーであるとかでしこしこやるのと違って物凄いスピードで固着したリムセメントを削ってゆくことができる。力がグッと入るので“刃先”が滑る事もない。元がエルボーなのは、その方がしっかり握って力を入れることができるからだ。
とにかく、使うと他の方法でやってる人は損をしていると思うくらい物凄いスピードで仕事が終わる。更に速くするために

Pipe3

こんなふうに物品を配置して

Pipe4

こんな感じで作業する。ホイールが固定してあるのはミノウラの振れ取り台だが、ウチではこの手の汚れ仕事を黙々とこなしてくれている。振れ取り台としては使って貰ったことがない可哀想なヤツだ。

床に轢いてあるのはペット用のディスポシーツ。安くて吸水性・防水性を兼ね備えホームセンターに行けば100枚入りとかで売っている。

リムセメントを除去するにはリムセメントクリーナーでないといけないと思いこんでいる人は多いが、シンナーを使って全然問題ない。値段も桁違いに安い。この3.2リットル入りシンナーは、実に100g入りのリムセメントクリーナー1缶よりも安かった。なんじゃこりゃと思うほどの価格差だ。自転車業界に数あるボッタクリの中でもリムセメントクリーナーはトップ3を争えるボッタクリ価格だと思う。

シンナーが入れてある細長いプラスチック容器はもともと魚の冷凍・解凍容器である。そのため底には解凍時のドロップ(が食品業界用語らしい)を切るための「すのこ」様パーツが入っているのだが、これがまた地味にいい仕事をする。中途半端に取れかけたリムセメントの塊がシンナーに溶けて取れると、この「すのこ」の下に貯まってホイールに再付着しないのだ。この効能のため、ただ細長い容器を用意するだけよりもぐっと手間が少ない。この効能はこの容器のすのこ部を見た瞬間に気が付いて「うおお、これしかねえ!」と思って買って帰った。そして細長い容器にシンナーを入れて僅かシンナーに浸かった状態のホイールをグルグル回す事で、いちいちシンナー(リムセメントクリーナー)をホイールに塗る手間は存在しない。することは、ただホイールを回しながら削るだけ。作業を開始した後は中断したり何かを持ち替えたりすることなく削る作業だけを続けられるのでますます効率が上がる。この容器の使用に行き着いたのも、案外リムセメ除去具開発に匹敵するくらいの発見かも知れない。エルボーを叩いた銅製リムセメ除去具そのものはわりとすぐ思いついた上に一発でモノになったが、この容器にたどり着くまでには数個の容器が屍となった。「幅が狭くて、うんと長くて、底が浅くて、無駄にしてもいいくらいの安い価格の」容器は意外と少ない。幅が広いとシンナーが無駄に浪費されるし臭いし脳味噌が溶ける。長くないとホイールがほとんど容器に入らず、底が浅くないとホイールが容器の底に着かない。容器中央の底にホイールが着かないままでホイールを回すと何が起きるか?容器がひっくり返るのである。ご推察の通り、この容器に至る前に一回ひっくり返している。これでもまだ高さがありすぎるので、よーく見ると分かるがホイールに当たる部分を切ってある。

完成形を写真入りで説明されたら「へー」の0.3秒で終わる人が多いだろうが、実際にゼロから作り出すのは簡単じゃない。

こうしてホイールをグルグル回しながらただ擦るだけであーら不思議。見事にリムセメントのカケラも残りませんことよ。

扇風機は必ず用意して欲しい。シンナーで脳味噌溶けるから。

細かいノウハウ?を挙げると

  • エルボーの両端で少しだけ曲率を変えておくと色んなホイールに対応できる。
  • 作業するとすぐ角が丸くなってしまう(それが良さ)ので、2、3回ホイールを掃除したらヤスリを掛けて“目立て”をすると効率的に削れる。銅なので簡単に削れるからすぐ目立てできる。
  • 一回に思いっきり削ろうとせず何回でもグルグル回す気の方が結果的に速い。
  • 最後はブレーキ面を綺麗にすることを忘れずに。
  • シンナーは入れすぎても除去になんら貢献しない。せいぜいリムが1mmか2mm浸かれば充分で、それ以上入れても後で処理に困るだけ。

これでリムセメント除去作業が抜群に効率的に!

…なんだか通販専門TVをダサくしたような内容だなあ。


 


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コメント

こりゃすごい。
競技用自転車に乗らない私にも、そのアイディアの凄さは分かります。

投稿: 風吹 | 2006年6月25日 (日) 05:36

シンナー私も愛用しています。
リムーバーは高いうえに落ちません
こそぎ落すにはナイロンたわしを使っていましたが、なるほど銅ならアルミリムを傷めませんね。

もっとも現在は宮田のTTPに変更を検討していますが。

投稿: 大豆 | 2006年6月25日 (日) 06:53

みなさんどうも。
風吹さんならご存じの通り私は昔から色々工夫しないと気が済まない人間ですが、このシステムは自分でも凄いヒット作だと思ってます。

「固着したリムセメントより硬く、リムより柔らかい」素材の使用が最大のポイントです。これはもういかなる屁理屈をこねようとも覆すことはできません。銅はリムセメントより硬いのでリムセメントを次々と削ってしまうことができ、しかしリムよりは柔らかいのでリムだけを擦ると銅側が負けて削れてしまいリムを痛めません。

大豆さん、ミヤタのTTP-1は抜群にいいですよ。私は愛用者であり、当Blogでも取り上げる予定のグッズの一つです。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年6月25日 (日) 12:37

リムテープはお使いになられないのですか?あれはペリペリと簡単にはがれたと記憶していますが・・・
何か理由があれば教えていただけますでしょうか。

あと、このブログ内の検索窓をよかったらサイドバーあたりにつけていただけませんでしょうか

投稿: nagaoka | 2008年5月11日 (日) 15:04

他の記事をご覧頂ければ一目瞭然ですが、リムテープはめちゃめちゃ愛用しております。

Blog内の検索窓ですが、どうやったら付けられるのかがサッパリ分かりません。
よければ教えて下さい。
表示項目の選択肢に、私は当然検索があって然るべきだと思っているのですが、ありません!この謎は今日に始まった話ではなくて、昔から何故無いのか不思議でなりません。今頃何なんですが、ココログって金取るクセしてむちゃくちゃ使いにくい気がしてます。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2008年5月12日 (月) 20:12

ココログについては詳しくないのですが、Googleが提供しているblogspotなどのほうがサービスはいいかもしれませんね。

投稿: nagaoka | 2008年5月12日 (月) 23:15

私も「失敗したな」と思ったことは1度や2度じゃありません(苦笑)

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2008年5月12日 (月) 23:24

2009年10月に書いていますが、つまり本物は風化することがない!ということでしょう。CupperのPipeを買い求め、即やりました。効きました。(◎´∀`)ノ。これでチューブラにいけますlovely。万力でPipeを変形させました。(・∀・)イイ!

投稿: kubo | 2009年10月 4日 (日) 08:56

初心者です。シンナーは有機溶剤なので、カーボンをくっつけている樹脂?は溶かさないのでしょうか?
 

投稿: 初心者 | 2010年3月22日 (月) 19:32

初心者さんはじめまして
これからもよろしくお願いします。

溶かすのかどうか、専門家ではないので全く分かりません。
ワタシが教えて欲しいです。

同じコトを幾つものホイールに何回もやってますが、溶けた様子はありません。が、溶けたことを分かっていないだけかも知れません。真似をして溶けたとしても当方ナンの責任も取りませんし何らの真似を推奨する記事でもありませんので、溶けると思う方は違う溶剤なり違う方法なりを選んでください。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2010年3月23日 (火) 18:25

よろしくおねがいします。
お返事ありがとうございます。

自己責任で、一度試してみることにします
(◎´∀`)ノ

投稿: 初心者 | 2010年3月23日 (火) 19:35

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