« 50000 | トップページ | 制動の守護天使 »

2006年6月 8日 (木)

He is not-guilty. But they are guilty.

2005年8月にフランスのスポーツ新聞「レキップ」がスクープした、「ランス・アームストロングが1999年のツール初優勝の際にドーピングしていた」とする報道が、オランダの独立調査機関によって正式否定されたそうだ。

それどころか、151ページに渡るリポートでは、1999年採取の尿サンプルを、その後の保存歴が明らかでないのに2004年になって再検査するなど本来規則で禁じられている行為の違法性を逆に問い、きまりを守らせるための機関であるはずのWADA(世界アンチドーピング機構)が自ら規則違反の検査を行ったことに対して制裁と改善が必要であると報告しているなど、この記事をすっぱ抜いたレキップや、鬼の首でも獲ったかのようにその尻馬に乗ったASO(ツール・ド・フランスの主催機関)に対して大変厳しい指弾を行う結果となった。

ランスは現役時代「世界で1年間で最も多数回のドーピング検査を受けるアスリート」なる変な世界一にもなったことがあるくらいしつこくドーピング検査され続けたアスリートで、そんなものがバレるならとっくにバレている筈なのだ。

だいたいEPO(エリスロポエイチン。造血促進作用があり、使うと赤血球が一時的に増加して当然ながら有酸素運動能力も上がる。もともとは医療薬品)成分がさっさと壊れてしまうことで有名なくらいで、使用して2週間も経つと世界最高レベルの調査器を使っても検出は厳しい代わり実質的な効果も一週間程度。長くて10日くらいしか持続しない本当に一発もんのドーピングだ。それゆえバレにくいドーピングとしてはびこるのに、1999年のサンプルを、当時検出できなかったのに、5年も6年も後になってどこにどう保存されていたか謎の「サンプル」がいきなり再登場してクロ、などあまりに捏造くさすぎて笑っちゃうよなと私はこの「スクープ」当初から思っていた。ランスへの単なる嫌がらせ丸出しなのである。

フランスはこの手の駆け引きも勝負のうちだと考えるので盤外戦はフランス人の十八番だが、今回は完全にスベった。いくらなんでも捏造のドーピング検査結果を発表したらアカンやろ。社会的影響も大きいし、ウソとしてたちが悪すぎる。ランスが現役の頃だったらレキップとASOに対しての巨額訴訟は間違いなかった筈で、その意味でもこの「スクープ」の発表がランスの引退直後だったのは「なるほどな」と思わざるを得ない。連中は発表する前にもう分かっていたのだろう。ソースがいい加減で信用できない事を。

|

« 50000 | トップページ | 制動の守護天使 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: He is not-guilty. But they are guilty.:

« 50000 | トップページ | 制動の守護天使 »