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2006年7月29日 (土)

色目を使う美人=興醒め

私がamadanaの製品の中でデザインがかなり気に入ったのに買わなかったものが一つある。

コーヒーメーカーだ。

このコーヒーメーカー、デザインはかなり気に入っている。
上から見て正方形に近い造形は美しい。欲しくなる外観だ。ちょっと大きいが。実はこの「ちょっと大きい」が後々問題となる。

ステンレスポット採用なのもよい。日常的にコーヒーメーカーを見る人の多くが、ガラスポットをお手玉して割ってしまうシーンを見たことがあるか自分で割ったことがある筈だ。初めから金属製コーヒーフィルター採用なのも良い。またそれにさりげなくamadanaロゴが入っていたりするのもイケてる。

しかしこのコーヒーメーカーはダメである。

なにがいけないのか。

  1. 10杯分入れられるのはいいとして、最低が3杯分からになっている
  2. 純正フィルターの「目」が、明らかに粗い

コーヒーが好きでないなら、インスタントでもいいわけ。
レギュラーコーヒーを飲むんだから、ある程度はコーヒーが好きなのだ。
ましてやamadanaのコーヒーメーカーは高い。コーヒーメーカーなど、ホームセンターに2000円札(懐かしいな)握っていってお釣りが来るものなのだ。
なのにコーヒーを分かっていない。そこがダメだ。

コーヒーで一番良くないのは沢山淹れて作り置きしてしまうやり方だ。放っておくとどんどん不味くなる。最悪のパターンが電熱ヒーター入りコーヒーメーカーで煮詰まるまで放っておくパターンで、コレがもう問題外に不味い。amadanaのコーヒーメーカーでもそれを防ぐため魔法瓶型ステンレスポットを採用し、ポットを下から電熱で炙る愚を犯していない。

なら何故最低3杯なのだろうか。一気に全部飲めと?

売り文句を読む限りオフィスユースを意識した10杯キャパのようなのだが、こんなこじゃれた無駄に高いコーヒーメーカーなんぞ買う企業は少ない。どう見てもデザイン家電好きの個人の方が買う。個人が買うとなると、10杯は意味がない。逆に1杯や2杯分を何回も繰り返し淹れる方がよほど美味しいものが飲めるからだ。何回でも繰り返すための金属フィルターではないのか。

そしてこの金属フィルターの目がやたら粗い。それこそエルフォのとは同じ目的と思えないほど粗い。

中挽き以上の粉で淹れると確実に粉っぽいコーヒーが出来上がるだろう。粗挽き以外禁忌だ。

何をやって居るんだ、と思う。
これはハズしてるだろ!

コンセプトの意図が不統一で、何を作りたかったのかが分からない。コーヒーなんかどうでもいい人向けに作ったのか、コーヒー好き向けに作ったのかすら分からない。どちら側から見ても不都合な部分が残っているからだ。どうでもいい人向けなら金属フィルター採用はよくない。捨てるのが面倒臭いからだ。ペーパーフィルターのようにポイ捨てとは行かない。毎回洗う必要がある。これはコーヒーなんぞ黒くて苦い汁だと思っている人には面倒臭いだけだ。コーヒー好き向けなら目が粗いフィルターがダメだし、最低が3杯なのが決定的にハズしている。コーヒー好きはガブ飲みしない。

amadanaブランドは基本的にデザイン重視で機能を切って捨てたものが多い。それが主張でもある。機能主義へのアンチテーゼと、買っていただくことを拒否した姿勢。それはいい。だからこそこの商品は逆に妙な色気(会社に買って欲しい)を出したのが思いっきり見えて興醒めする。この手の「買って欲しい色気が出てしまっている身も蓋もない商品」など、道を歩けば蹴躓くくらい売っているだろうが。これはamadanaの理念に反している。極端な話「武士は喰わねど高楊枝」くらいの気概があったからこそamadanaを始めたはずだ。媚びるから、コンセプトに不統一感が生まれ意図の分からぬ製品が出る。

REALFREETも自分で気付いたらしい。

今年立ち上げる新ブランドbaroucheでは、明らかにコンセプトを修正したコーヒーメーカーをラインナップに加えてきた。

baroucheにはけっこう期待している。

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コメント

うちのコーヒーメーカーはステンレス製で、ずっと保温されるというタイプではなく、魔法瓶の保熱効果で温度が保たれるタイプの物です。
そう、「ガラスポットでお手玉」と「下から加熱して不味くする」と「美味しくコーヒーを飲むなら入れたてを」をモットーに考えられているタイガー製品を使っています。
フォルムも縦長で場所を取らないので、まあまあいいですよ。

投稿: 風吹 | 2006年7月29日 (土) 04:37

風吹さん、まいどです。

このコーヒーメーカー、たぶん最初に目指した路線はお使いのタイガー製と同じだったと思うのです。

それを、他と差別化しようと考えたときに、自分たちが一番自信を持っているはずのデザインではなく「10杯まで入れられますからオフィスにも最適」なる大変つまらないポイントに行ってしまったところに度し難い誤謬があります。

デザイン家電なのに数字の売り文句で勝負とは何を腑抜けたんでしょうね。戦う前に初めから負け確定です。

極端な話、amadana本来のコンセプトに従うなら、1杯分しか淹れられないむちゃくちゃなコーヒーメーカー作ったって良かったんです。「1杯分づつ、最高に美味しいのを飲んでください」と断言してしまうんです。同時に2杯淹れたい方は2台お買い上げ下されば問題解決と、極めてバカバカシー解決肢まで提示する。その言葉が口先だけでないことを見せるため、何らかの形式でスタッキングできるように設計する。本気で2台、3台買わす気だこいつら。と笑わせるわけですよ。そこに「参った、一本取られた」が生まれるわけです。たぶん「スタッキングできるコーヒーメーカー」は存在しないと思うので、世界初もゲットです。色は揃えて下さってもマーブル模様にしてみて下さってもどちらでもお好みで。と畳み掛けます。

これがデザイン家電でしょ。

「お客様にお使いいただく」のではなく「我々があなたの生活を変えて見せます」の姿勢。これは「白モノ家電メーカー」には許されないわけで、amadanaはそれが出来る立場にありながら何故決断できなかったのか、残念でなりません。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年7月29日 (土) 11:35

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