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2006年7月27日 (木)

EPISODE 1

ランス・アームストロングに関する小ネタあれこれ。

  • 元トライアスロン選手。実は自転車ではなく水泳で特に才能を見せ、ジュニアの頃1500mで水泳のアメリカナショナルチームに入るか入らないかのところまで行った。
  • 元がトライアスロン選手なので、ランニングさせても結構速い。なおフルマラソン出走予定。
  • トライアスロン出身のためか、実はロードレースにはあまり詳しくなかった。特に有名なのは、輪聖エディ・メルクスが自らの名前を冠して世に出している「Merckx」ブランドの自転車を見て「メルクスって誰?」とチームメートに訊ねた(しかもメルクスの発音が間違っていた)のが有名になった。これはプロ野球選手が「オウ サダハルって誰?」とチームメイトに聞くような話。
  • 177cmで、さほど長身ではない。また体重は微妙に上下しているがだいたい75kgほどもあり、Le Tour de Franceの総合優勝者としては身長比で見て異例の重さ。実はこれでも絞った方で、癌になる前は上半身まで物凄い筋肉が付いたパッツンパッツンの筋肉マンだった。
  • 決して体重が軽くないのに坂を登るのが存外速く、2004年に行われたL'Alpe d'Huezの個人タイムトライアルでは前の出走者(個人タイムトライアルは1分おきにスタート)イヴァン・バッソを途中で抜き去るほどのブッチギリで勝利。もう少しでマルコ・パンターニが作った最短登坂タイムを抜くところだった。2006年現在L'Alpe d'Huezの登坂記録は1位パンターニ2位アームストロング3位パンターニである。
  • 常識破りなくらいクランクを速く回す走法がいつも話題になった。特に異彩を放ったのが坂の登りで、100〜110rpmでブンブン回しながら坂を登ってゆく姿は動画で見ると明らかに他の選手とレベルが違うものすごい回しっぷり。当初はアメ公のトンデモ走法のような目で見られたが、それで勝ちまくったので最終的にプロツアー選手のほとんどが真似をするようになった。アームストロング以前は重いギアを踏みしめて登るのがプロだと思われていた。理論的な事を述べると、この走法は負担をなるべく心肺機能に負わせて足の筋肉に乳酸を溜めないためのもの。徹底的に心肺機能を鍛えた上で行うと連続しての高速走行を可能にする。
  • 1年をLe Tour de Franceの勝利のためだけに過ごし他のレースは無視(出走してもあくまで調整のため)する極端な調整法は最後まで賛否両論あった。
  • 機材に関しては保守的かつウルサイ。サドルは現役を通じてサンマルコのコンコールライトしか使わなかったし、ペダルはPD-7401をとっくに廃盤になったあともしつこく使い続けてメカニックが予備のペダル探しに苦労した。ランスに使って貰うためだけに開発された事で有名になったシマノSPD-SLペダルPD-7750、コードネーム「PDランス」が完成するまでPD-7401を使い続けた。ペダルのフロートが嫌いで最後まで固定クリートしか使わなかった。このためPD-7750のクリート生産工場は、スケジュールぎりぎりで完成したPD-7750をランスに使って貰うため、フロート用クリートの金型を壊して作り直し固定用クリートを打ったエピソードがある(固定クリートの金型を一から作っていたらスケジュールに間に合わなかったため)。タイヤもフランスHUTCHINSON社の、既に廃盤になっているOROしか最後まで使わなかった。この拘りを支えるべくメカニックが地下室に大量のOROを在庫していたエピソードが有名になった。タイヤの使い方は凄くて、保存に最適な場所で5年寝かせたタイヤだけを使う尋常ならざる拘りぶりが有名になった。これはランス本人のみならずメカニックの拘り(ランスが所属したUSポスタル/DiscoveryChannelにはタイヤこだわり親父として有名なメカニックがいる)も多分に入っているが。
  • けっこう武闘派で、まだ有名ではなかった当時、レース前に自分の名前を間違えられたのに激高して「この野郎、オレの名前はランス・アームストロングだ。今日のレースが終わる頃にはオレの名前を間違えた事を後悔させてやるから覚えておけ」と吠えたエピソードが知られる。Le Tour de Franceで優勝するようになってからは大分「大人」になったが、それでも元チームメイトがランス他の悪口を書いた本を出したのに怒り、この選手がLe Tour de Franceでステージ優勝のためにアタックしたのを自ら動いて潰したのは遺恨試合として話題になった。
  • 「死の山」などと呼ばれる難所Mont Ventouxで最強クライマーであるMarco Pantaniと一騎打ちを演じた末に破れた2000年の12ステージは歴史に残る名勝負として知られるが、この時「あれは勝ちを譲った」と後で発言した事からPantaniと完全に決裂し、その後パンターニは35歳で死ぬまで二度とランスと口をきかなかった。
  • Pantaniとのエピソードがあって以降、勝てるときは徹底して勝つスタイルに変身。2004年のツールで強引に差して勝ったあと記者会見で「今日は無理矢理勝たず譲っても良かったのでは?」と聞かれた時に「No gifts, no gifts this year.」つまり「(勝利を)譲るなどあり得ない」と答えたのは話題になり「No gifts」とプリントされたTシャツまで出た。もちろん「this year」な理由は、前段のように「譲った」事もあるからだ。
  • 引退後ボストンマラソンに出場し、初マラソンで3時間を切った。
  • その後更にタイムを縮め、2時間30分くらいで走っている。

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コメント

毎度です。
ランスの筋肉量はオールラウンダーとしてはかなり多いと思います。
体重/身長で考えると、パワーが売りのウルリッヒよりも、ランスの方が筋肉割合は多いはずです。スプリンターのボーネンが192cm-80kgなことを考えると、
多い筋肉量+最強の心肺機能+精神力=ランス
といったところでしょうか。
あの筋力で山岳も速ければ、そりゃ強いですね。

投稿: Carbon_Cloth | 2006年7月27日 (木) 13:35

Carbon_Clothさん毎度です。

「あの筋力で山岳も速ければ、そりゃ強い」

これに尽きるでしょうね。
それに鋼の精神力と。
「元チームメイト談」のようなものでは、彼らが感服しているのは案外Armstrongの肉体ではなくてメンタル面です。目的を定めそれに向かって全てを徹底し妥協を許さないメンタル的な強さがとにかく凄かったらしい。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年7月28日 (金) 06:50

毎度です。

「マイヨ・ジョーヌ」写真集で、ランスのSPD-SLクリートが移っている一枚がありますが、本来赤である固定クリートの一部分が黄色です。ランス専用にマイヨ・ジョーヌとかけて黄色の原料で固定クリートを打ったのでしょうか?

ランスの身長については、不思議なくらいいろんな数字があります。
172cm説、175cm説、177cm説の3種類があります。
しかし、シャンゼリゼでの表彰で180cmのバッソと一緒に写っているところから見ると、172cmということは無いと思います。

投稿: Carbon_Cloth | 2007年1月23日 (火) 09:44

Carbon_Clothさんまいどです。
ランスの身長は、他と比べると177cm以外ないと思います。
クリートに関してはSPD-SL以降ランスは特製の高下駄クリートを使っています。時々で材料が変わったりしているようで、2005年では青いクリート使ってました。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2007年1月25日 (木) 15:33

毎度です。

本当は177cmですか。
なんでこんなにいろんな身長が出てくるのか、全くもって謎ですね。

「青いクリート」
ぬぬ、欲しいですね、そのカラークリート。

投稿: Carbon_Cloth | 2007年1月25日 (木) 21:47

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