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2006年7月22日 (土)

Floyd is back!

ツールを観戦していた人の99%がもうダメだろうと思ったに違いないフロイド・ランディスが、たった1日にして優勝戦線に復帰する奇跡を成し遂げて見せた。

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これはまさに言葉通りの意味で「驚いた」人がほとんどだと思う。

不思議と、ツール・ド・フランスは大事件が起きた年に名勝負が繰り広げられる。

かのフェスティナ事件の時もそうで、マルコ・パンターニが雨の中ブッチギリ大逃げをカマして一気にヤン・ウルリッヒを逆転。そのリードを守りきって優勝した。今年のツール・ド・フランスも、前日に公となったドーピング疑惑スキャンダルが原因で、優勝候補とされていた選手が片っ端から出走していない。それはスタート前日に書いた通りだ。

しかしどうして、勝負としてはそれこそ去年よりずっと面白い。圧倒的に強いランスがレースを支配し、他の選手はランスがいつスキを見せるかだけを伺うような展開が続いてきたここ数年。そうでなくても絶対の優勝候補がいなかったものが完全に予想の付かない状態でスタート。その通りに大混戦の様相である。多くの選手達が「オレにだってチャンスがある」と思って走るから、これほど勝負として面白い展開はない。去年までなら「あのアメリカから来たサイボーグが居座り続ける限り無理」の雰囲気が漂っていた。

ステージ15くらいまでの時点で「そろそろ優勝候補は絞られた」と思われていた。その3人くらいの中に入っていたのがフォナックの“怪人”フロイド・ランディスで、その3人のうちでは個人タイムトライアルに一番強いこともあって最有力と目されていた。ところがこのランディスが、奇しくもマイヨ・ジョーヌを着て挑んだステージ16で何と信じられないほど遅れ、総合では一気に8分以上も遅れをとる決定的なビハインドを作ってしまう。「ランディス崩壊」などとこぞって書き立てられ、「失意のランディス」の写真が掲載された。

その実に翌日、この怪人は奇跡を見せた。

スタートから先頭に立ってぐいぐい引っ張り、途中からは完全に単独逃げ状態。なんとそのまま誰の追走も許さず、2位に5分以上の大差を付ける圧勝でステージ優勝してしまった。前日で8分以上あった総合トップとの差は何と一気に30秒にまで縮めて3位。しかもこのトップ3で個人タイムトライアル最強はランディスなのである。

もしランディスが優勝したら、ステージ16の歴史的敗北とステージ17の歴史的勝利は後々までの語りぐさとなりそうだ。

レースはいつもドラマに満ちている。

なおランディスが何故“怪人”か、だが

  1. カフェでカプチーノを36杯飲んだ。
  2. 飛行機内で28袋のピーナッツを食べた。
  3. 靴を拾うためゴミ収拾コンテナにダイブした。
  4. 前輪を外した自転車でウイリーしたまま走り続けた。
  5. 住んでいるアパートは信じられないくらい汚い。
  6. 「120%」のようなフレーズが嫌い。「そんなものは200%だろうと1000%だろと同じだろうが。無意味だ」と怒り出す。

などなど。フランク・ザッパはスキだがディスコは嫌いだそうだ。

怪人語録

「頭が取れて転がり落ちたのが原因で負けても負けは負け」

「一番トレーニングしたヤツが勝つ」

「トレーニング中に死にそうだと思っても、本当に死ぬことなんかない」

「オーバートレーニングとは、それまでのトレーニングが不足していただけだ」

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コメント

黒田硫黄氏のまんが「茄子」にロードレーサーを主人公にした短編があるのですが、
「プロってのは 仕事以上のことをやっちまう奴だって」
という台詞があります。

氏はタイムマシーンでこのランディスの勝利を目にしたのかと思うほどによく似合う言葉です。即座に思い出してしまいました。

投稿: SORA | 2006年7月22日 (土) 17:56

SORAさん、まいどです。
期待された仕事以上の偉業をやってのけましたね、ランディス。感動しました。
ランディスのあのスーパーランが今年のツール・ド・フランスを救ったと思います。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年7月23日 (日) 10:08

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