Good-bye, m2 Racer.
私が確認した限りでは日本時間7月2日時点でHPに例の文章が掲載され、直売オンラインショップも停止して商品詳細ページに行けなくなった。
日本時間7月1日夜時点までは一切の動きが無かったので「あれ?6月30日で終わりでは?」と思っていたのだが、現地時間6月30日の営業終了ぎりぎりまで平気な顔して営業した上でスパンと終えるつもりだったのだろう。スッパリと業務終了。やはり誤情報ではなかった。
みんなちゃっかりしたもの?で、ax lightnessよりも軽いことで鳴らしたシートポストはかなり早い時点で全サイズ見事に売り切れ。チタンスキューワ売り切れ。余り売れそうに思えないOrb2でさえ安い方のステンレスモデル売り切れになっていた。43gサドルはさすがに?最期まで売れ残っていたが、Selle Italia SLR C64を買うくらいならこいつの方がよほど徹底していていいんじゃないかと思う。逆に見ると、世間ではとてつもなくとんがっている事になっているあのSLR C64が中途半端に見えてしまうくらいm2 Racerの製品はとんがっていた。
濃い世界ではいずれ「伝説のm2 Racer製品」としてプレミアム化してゆくのだろうか。それは悲しいことだ。
他のモノは代替できないこともないけど、Orb2に関しては先代Orbの問題点を解消しようとする改良への意思をはっきり感じられた商品だし、軽いこともともかく、あの裏も表もない「軸とクリートでペダル」のステップインシステムはどうして他が思いつかなかったのだろうと不思議なくらい合理的で、いわゆる「踏み面」で考えると優秀なペダルではないのだが、カーボンソールで軽くても鉄板のようなソール剛性を持つシューズが珍しくなくなった昨今では、あえて底がしなるシューズにこだわる人間(これ自体はこだわりとして意味があると思う)以外は踏み面もクソもないわけで、このシステムは時代の申し子だったと思うのだが。
Orb/Orb2以上にソリッドな考え方のペダルが出てくると思えなくて、消えてしまうのは余りに惜しい。しかしOrbは商業的にあまりうまく行かなかった(大量に売れてないにも関わらずリコールも行ったため)と思われるので、追従するメーカーは少なかろう。Orb2になってからのm2 Racerの“余命”が短かく、先代Orbが「面白いペダルだけど2穴クリートのシューズでしか使えない」「リコールになった」「ペダリング中にクリートがペダルから外れる事がある」などマイナス面がクローズアップされがちなまま来ていただけに、人ごとながら悔しい。他にもパワーモジュールなど凄くアイデアマンで、私があまり使わない商品までm2 Racerのものを買ったのも、非常にしょぼい規模だが“メセナ”的意味合いがあっての事だった。もっと長く商売を続けさせてあげたかったメーカーだ。もしm2 Racerがずっと続いていたら、きっとまだまだ面白いものを作り出してくれただろうから。
Good-bye, m2 Racer.
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