« EPISODE 1 | トップページ | 半年ぶり »

2006年7月28日 (金)

メンテナンス本、もう一つの役割

今日本屋でざっと読んでみたのだが、悪くないなと思った。

いや、「これはいいと思った」の方が的確だ。

特にホイールのメンテナンスでMAVICのファクトリーコンプリートについてのページが割いてあるのは意外とポイント高いのではないか。

ホイールのメンテナンス。

従前のメンテ本だとまあ99%くらいの確率でSHIMANOとCampagnoloしかやらない。必ず。

それもいわゆる「デュラハブ」と「レコードハブ」だけ取り上げる。そりゃMAVICあたりはベアリングそのものはメンテらしいメンテなんかできないように作ってあるし、そもファクトリーコンプリートは素人がメンテすることを推奨しないだろう。けど、フリーハブの交換方法とか、知ってればなんてことはないんだけど、知らん人は知らん。どうやってやるものなのか、やったことがない人間には意外とちんぷんかんぷんなものなのだ。そんな程度のことも分からんヤツが弄るんじゃねえとする声もあるだろうけど、初心者をやたら攻撃する事とは自分も最初は初心者だった事をすっかり忘れているわけで、認知症の発症を疑った方がいい。若しくは生まれたときから暗殺者で2000年一子相伝の拳法を受け継ぐ某世紀末救世主殺人鬼並の、PB Baumanの6角レンチセットを握って出てきたような「生まれたときからメカニック」なのか。お母さんのお腹はさぞかし痛かった事だろう。話が逸れたけど、現実にそこそこの値段のロード完成車を買ったら、MAVICのアクシウムだとかが付いてくることがよくあるし、SHIMANOにしてもWH-600などを取り上げた方がよほど現実的だ。単体ハブに手組よりもそっちの方が売れてんだから。それこそBontragerやFulcrumも取り上げて然るべきだと思う。いまどき素のDURA-ACEハブとか買う、つまり手組でホイールを使おうってヤツをしてメンテ本なんか見ると考える方がむしろ無理があるのではないか。これだけコンプリートホイール全盛の昨今に素のハブを買う時点でもう素人じゃないだろソレ。マーケッティングミスではないのか。

メンテ本には少し違う「役割」がある。

私がこの耳で聞いた実話で、けっこう有名で色んなロードを扱っていて相当お高いカーボンリムのホイールが幾つも店内につるしてあるような店で、カンパのRECORDハブでUDフリーボディからHGフリーボディに交換するのにベアリングまでバラさらないと交換できないから大変ですよと宣言してのけた店主が実在する。

伝聞ではない。私に対してそう答えたんだから。

交換した事がある人なら知っているように、RECORDハブでフリーボディの交換はベアリング部までバラす必要などない。あえて弁護するならば、フリーボディの交換をする時に同時にベアリングもバラしてついでにフルOHした方がいいよと喋っていたと仮定すると、それは分かる。しかし「ベアリングまでバラさないと交換できない」は現実にウソだ。17mmのメガネと5mmの6角レンチさえあれば3分すら要さずポン付け交換できるものにすぎない。本気で間違っていたのかも知れないが、店内にカンパのコンポがかなりどっさり積まれていてパーツ売りもされている店なのにか?それこそRECORDハブも。私は呆気にとられた。店主は案外カンパハブでフリーボディの交換程度の簡単な作業すらやったことがないのかなと思ってしまう。品数は豊富だけども、パーツのポン付けとツルシを売ることに専念しているのか。もしくは、あまり考えたくない想像だが適当なウソで追い返してしまえと思った可能性も否定はできない。しかしこの程度のウソがバレないと思ったのならお粗末過ぎる。なんせカンパのフリーハブは明らかに「交換しやすいように作ってある部類」だからだ。

こんな店が実在する以上、ある程度ユーザーも「自衛」しないと、信用して全部任せていい店なのか、こんな店でメンテとか任せてしまったらヤバいのかがまず分からない。ユーザーが本格的に無知だと、気分とか見た目、雰囲気で任せてしまう事になる。

半端な知識を振り回す生兵法ユーザーがプロにとって迷惑なのはもっともな話だしそのような目的でメンテ本を使うのは間違っていると思う。だから私もその場でそれはウソでしょうとか違うでしょうとか抜かさなかった。彼らにもプライドがあるだろうし、それらを傷つける事は私の目的でも何でもない。そんなことをしても何も産み出さない。が、少なくとも私は上記の“ベアリングまで店”を信用してメンテ完全任せとか、まっぴら御免だ。Tuneのハブについて訊ねてるんじゃないよ?TREKしか扱ってない店でカンパについて聞いたわけでもない。こんな店で「オーバーホールして下さい」とか頼めるヤツはチャレンジャーだよマッタク。私レベルでもすぐ分かるようなウソを平気で喋れる店に任せるなど、何されるかわかったんもんじゃない。それこそカーボンのシートポスト挿すときに平気な顔してグリス塗りそうだ。

下手すると工賃で工具が買えてしまうスプロケット交換あたりまでお店に頼むのはどうかと思うが、高い専用工具を必要とする高度な作業までエンドユーザーで出来るようになる必要は全くないと思う。例えばヘッドパーツの交換が外すのも圧入するのも全部自分で出来るとして、工具代を考えたらどう考えても経済的に損だ。

だから、そこに書いてあることが自分じゃできなくってもいいのだ。

「へえー、こんな風にやるのか」

でいい。

そうすると、そのお店がたどたどしかったり怪しかったりしたら分かるから。この「自分で出来る」には見事にフリーハブの交換方法が写真入りで載っているので、ベアリングまでばらさないとダメ話はおかしいと、自分でやったことが無くても分かるようになる。知らないと分からない。怪しいなと思ってもやっぱり任せるとか、店を変えるとか、そのへんはもちろん自由に判断したらいいこと。

私自身はお店のメンテナンスにケチを付けたことは一度もないし、先のようにあからさまにおかしな事を喋られても「そうですか」としか答えていない。昔から「お客様風」を吹かせるのが嫌いだからで、特に他意はない。自分で「イヤなら自分でやればいいことだ」と思うし、客には一応店を選ぶ自由があるのだからイヤなら他の店に行けばいい筈なのだ。ただ、地方だと「他の店」が家から100kmあったりしてシャレにならん事もあるだろうけど。

私も高いフレ取り台をリサイクルショップで見つけてきて中古で手に入れたファクトリーコンプリートホイールをチマチマ直してフレ取りやったりしてるけど、本当は例えばホイールのメンテを頼んだら

「フレ、縦も横も0.1mm以下にバッチリ抑えといたし。ハブもウソみたいに回るようになってるからまあ見て頂戴」

と楽しそうに見せてくれるようなお店を見つけたいと思っているし、そんなお店になら気分良くお金を払いたい。私がいくらメンテナンス好きでも所詮は素人。きっと、感動するような、これなら全然惜しくないよなと思って工賃を払えるお店はあるはずなのだ。私の見聞が足りてないだけで。おっちゃんがもういないのも痛い限りだが。

いい仕事をしてくれるお店の価値が分かる点でも、メンテナンスに知識があるのはいいことだと思う。本格的なド素人だと、お店が折角一流の仕事をしても価値が分からないからだ。お店としても、いい仕事をしたらそのいい仕事の何たるかを分かって喜んでくれる客の方が嬉しいのではないだろうか。何を食べさせても「美味しい」だけの人相手だと案外料理する張り合いが無くなくなってくるのと似たようなものだ。

|

« EPISODE 1 | トップページ | 半年ぶり »

コメント

どうも。この本、メンテの手順を豊富な写真付でやたらと詳しく書いてあるので、パラパラとめくって即買いしました。ロードバイクの機能美に魅せられた人はもちろんのこと、チェーンが泥だらけの人も必携の一冊だと思います。売れ筋のサイクルコンピューターやリアトランクの取り付け例など、タイムリーヒット連発!といった印象でした。

投稿: noriyuri2006 | 2006年7月28日 (金) 21:57

noriyuri2006 さん、まいどです。

この本、いいですよね。
コアな人には食い足りないところもあるだろうけど、久々にメンテナンス本で良作が出たと思ってます。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年7月29日 (土) 11:26

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/170044/11112745

この記事へのトラックバック一覧です: メンテナンス本、もう一つの役割 :

« EPISODE 1 | トップページ | 半年ぶり »