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2006年9月18日 (月)

クランク長の謎(1)

およそ自転車のセッティングにおいてクランク長の設定ほど難しいものはないと思う。

世間には「身長の10分の1がセオリー」理論が広く垂れ流されている気がするが、なぜ10分の1なのかの根拠を聞いたことがない。この謎経験則に則ると私の適正クランク長は177.5mmになる。

ところが現実に路上を走っているロードバイクの80%どころか90%以上?はクランク170mmで、かなり大きいサイズで172.5mmが装着されている程度だ。身長は高くても177.5mmや180mmのクランクを使う人や、身長が低くても165mm未満のクランクを使っている人はまずいない。ようはかなりテキトーに選び、そんなもんだ式で使っている。最低身長175cmと豪快なサイズで作られ、しかもワンサイズしか作られなかったらしいV2 BOOMERANGだが、私の手元に来た当初は170mmのクランクが装着されていた。当初のサドルの高さやステム長、エクステンションの長さ等から見ても私と同じか少し上回るくらいの人物が乗っていたのは間違いないので、10分の1法則に則るならかなり短いものが装着されていた事になる。

身長比で見てみると、世の自転車の多くはとんでもない数字になっていることがすぐ分かる。

Photo

185cmの人間にとって170mmは私にとっての165mm
170cmの人間にとって170mmは私にとっての177.5mm
160cmの人間にとって170mmは私にとっての190mm

185cmの身長で180mmのクランクと聞くとなかなか凄そうな気がするが、170cmの人間が165mmのクランクを使っているのとほぼ同じなのだ。177.5mmのクランクを使う大型スプリンターのトム・ボーネンは、身長192cmもある。一見長いクランクを使っているように思えるボーネンだが実は短いクランクを使っている事が分かる。これは身長178cmの私が165mm、身長170cmなら157mm、身長165cmなら152.5mmのクランクを使っているのに相当するからだ。しかも、直立している写真を見れば分かるがボーネンは決して短足ではないどころかむしろ「脚が長くて背が高い」タイプである。長いクランクを使っていた事で知られるランス・アームストロングも、多少変更はあったが最終的に177.5mmで、偶然にもトム・ボーネンと同じ長さに落ち着いた。ランスの身長は177cmなのでこちらはほぼ身長10分の1則である。逆に170cm未満のトップレーサーも時々存在するが、こちらは170mm以下のクランクを使っている例がほとんどない。

身長の10分の1が正しいとするなら、適合していない人が物凄く多くないか?

この話題はまだまだ続く。

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コメント

とても興味深い内容です。
私の子供のころ(30年程前)のメーカー車は165mmのクランクが殆どでした。
これはランドナー・スポルティーフ・ロード・ミニベロの車種やロードマンからグランヴェロまで価格帯を問わずでした。
今では170mmのクランクをメインで使っていますが167.5・165のバイクにもそれぞ違和感無く乗れてしまいます。
私の感覚では余程注意深く意識しないとクランクの長さの差は感じません。(かなり鈍い!!)
出力の差は計測器が無いので不明ですが・・・。
続きを楽しみにしています。

投稿: bigdog | 2006年9月18日 (月) 01:21

 毎度です。
 クランク長に関しては、様々なウワサがありますね。高回転ペダリングならば短め、高トルクペダリングなら長めとか、足の長さを基に決めるとか、長いよりは短めの方が良いなどの説があります。しかし、ランスとウルリッヒが同じ177.5mmを使っていることからすると、身長、足の長さ、ペダリングスタイルを基にするという説は全て覆ってしまいます。ウワサは所詮ウワサということでしょうか。プロの彼らは、出力を計測した上で機材を選んでいるのでしょうから、クランク長/身長には関係なくベストなセッティングになっていると思われます。そのことからすると、万人に当てはまる計算式など存在しないのだと思います。
 体の各部の長さを基にパーツサイズを計算するサイトもありますが、私の場合、その通りのサイズを購入してエライ目にあった経験があるので、今では全て現物合わせです。
 計算では、私に最適なのがフレーム560mm、ハンドル幅(c-c)400mm、ステム100-100mm、クランク170mmとなったのですが、この通りのサイズのパーツを組んだら、フレーム以外全て買い換えるハメになりました。本当のところはフレームでさえも580mmの方が良かったのですが、そんな財力はありませんので、何とかコラムスペーサーとサドルポジションで合わせました。結局ハンドル420mm、ステム120mm、クランク175mmに落ち着きました。また、サドル高も出てくるのですが、この通りの高さにすると(170mmクランク時代)、足が窮屈なポジションになってしまいました。あまりの現状との違いに、測り方が悪かったのかと思いましたが、何度測っても誤差程度しか違いません。
 もう二度と計算式は使いません。というより、使いたくありません。あまりにも現実とかけ離れた数字が出てきますので。

投稿: Carbon_Cloth | 2006年9月18日 (月) 12:44

いつも楽しく拝見させて戴いております。
身長が173cmですが、クランクは172.5cmを使っております。

20年前に購入したロード(550サイズ)には170mmのクランクが付属でした。
最近購入した某アメリカ製の車体は540サイズですが172.5mmが付属でした。
ネンの為同じクランクで170mmも同時購入しました。

170mmのクランクを使っていた時に、172.5mmを試して登りが凄く楽だったので、それ以来172.5mmを使っていましたが、当時は、42×21がローだったので重いギアゴリゴリという時代でした。

今はケイデンスで走るのが流行りっぽいですが、登りでタイムを比べてみると長いクランクのほうが如実にタイムは出ます。

アームストロングはハイケイデンスと言われていますが、実はハイトルクをハイケイデンスで回していたんじゃないかと思うのは私だけでしょうか?(笑)

投稿: TTS | 2006年9月18日 (月) 20:24

お気付きのこととは思いますが、身長の10分の1というのははあくまで便宜上であり、
問題にすべきは足を含めた脚の稼働部の長さだと思われます。
アバウトですが、脚の稼働部の長さを腰骨から地面までの長さ+かかとの中心から拇指丘までの長さとします。
自分の場合、この長さは115cmで身長は174cm、使用クランク長は170㎜です。
自分と同じ比率で自分より10cm高い人と10cm低い人のクランク長は以下のようになります。
・身長184cm/脚稼働部121.4cm/クランク179.7mm
・身長164cm/脚稼働部108.2cm/クランク160.2mm
これだと184cmの人のクランクは身長の10分の1よりは無理はないような気がしますが、164cmの人のクランクはちょっと短いかな?
もう少し調整が必要なようですね。
(2)に期待します。

投稿: CR1 | 2006年9月19日 (火) 19:13

 いつも楽しく拝見させてもらってます。
 クランク長、どれがベストかは使ってみないと判りませんよね。私もかれこれ25年近く170mmでした。体のサイズは177cm。体重は65kgから80kgまで変化しつづけてます(爆)。フレームサイズは520~540が適正で、シートピラーをちょっとでも出したいと重い、昔は小さめをセレクトしてましたが、今は530です。ケイデンス自体は150以上回せてますが、上り坂では回せず踏み込めず、苦手意識を克服できずにいました(インナーは38まで使ってみましたがそれでも駄目)。

 たまたま、アトリ○ ドゥ △ャファのMLで、大腿骨とクランク長の関連性についての提案を知り、検討していたのですが、その内容でいくと、私の大腿骨長(約45cm)だと175mmでも問題がないとの事。また、7年前にショップにお任せで組んだMTBのクランクがたまたま175mmだったのですが、170mmと違和感無く回せていた事もあり、ロードも175mmに変更してみました。
 サドルのセッティングを見直して、昨年から本格的に乗ってますが、回す事に関しては違和感ありませんし、上りでも踏み込むことができるようになり、個人的にはこれがベストかな?と思ってます。今は、より上りでのパフォーマンスアップを狙い、コンパクトクランクを使ってインナー36で回して踏めるよう精進している最中です。
 親しくしてもらっている実業団選手にも可否を尋ねてみましたが、足の稼動域が増えるので、肉体的な疲労度合いは増えるかもしれないが、関節等に違和感ないのであれば、問題ないだろうとの事でした。
 今はMLの内容が別のPCにあるため、詳細をアップできませんが、大腿骨からクランク長を割り出すという考え方(万人向きかは疑問ですが)もあると言うご紹介でした。

>TTSさん
 ランスのハイケイデンス&ハイトルクはそのとおりだと思いますし、元プロの市川氏もTVの解説で、ランスに限定せず、プロ選手の条件としてあげていたと思います(^^)。たしか、「回せてなんぼ。アマとプロの差は回す際のギヤが違う。速くなりたければ、一定ギヤで回す事を覚えて、それができたら一段重くしたギヤで回してスキルアップするべし」とね。

投稿: コロッケうどん | 2006年9月20日 (水) 10:12

みなさんこんばんは。
クランクの話は盛り上がりますね〜。

続きも考えておりますし、お返事もちゃんと書きたいと思います。

Sigmarionが死んでしまってから書くペースがどうしても落ちてしまうのが辛いところです。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年9月20日 (水) 21:37

 はじめまして、いつも興味深く拝見しております。
 私の場合、身長161cm、股下73cmですが170mmのクランクを100~110回転/分で使っております。
 ○ャファの某氏の理論だと最適クランクは155mmとなりますが、ギアを落として120~130回転させるか、筋力を10~15%アップしないと今のスピードは維持できないわけで、その方が私にとっては不自然と言えます。
 前号のファンライドで、背の低い人が関節角度などで、いかにペダリング面で不利になっているかが載っていましたが、実走行では各関節は固定されているわけではなく、背骨や骨盤を動かし入力ポイントを調節しながら走っているわけで、ペダリングスキルなどでもその人に合ったクランク長は変わってくるのではないでしょうか。
 

投稿: HS | 2006年9月22日 (金) 00:45

いつもこのサイトは勉強になります。
私もcarbon_clothさんと同じく、計算値はあまり信用していません。私のフレームサイズも580mmが計算値なのですが、実際はこれだとピラーが出すぎて600mmの方がしっくりきます。よくフレームは小さめが良いという人がいますが、あれは530mm前後の人の話だと思います。高身長には、逆に大きめが良いのではないかとさえ思っています。
さてクランク長ですが、私は170mmと175mmと両方使っています。170mmでも不満はなかったのですが、平均速度を上げたかったのとやはり身長の1/10を試してみたくなった次第です。一気に180mmでも良かったのですが、膝を痛めるという声も聞くので175mmで様子を見ています。どちらが良いかはまだ分かりません。元々大した脚力じゃないのでタイム的にも大差ないです。今日は170mmを使って片道35kmの通勤を平均32km/hrでした。175mmでも同じようなタイムなので残念ながら平均速度アップにはつながっていません。
クランク長に関する話題は以下のサイトにもあります。こちらも興味深いことが書いてあります。
http://www.h2.dion.ne.jp/%7Eyamauch/TrainingEssey.files/TrainingEssey2.html#117

投稿: ランス | 2006年9月22日 (金) 01:55

うーん,皆さんクランク長に関しては本当にアツいですね...私は一度172.5mmを試してみたくらいで後はずっと170mm...なので何も口出しできないのですが,このプレゼンテーションの内容は一つの参考程度になるでしょうか?

http://www.endurancesportscience.com/files06/files/07-Jim%20Martin.pdf

投稿: tarmac | 2006年9月22日 (金) 23:32

>HS様
 はじめまして。キ○ファの理論に当てはまらないとの事、非常に参考になりました。やはり、骨格からの割り出しだけではなく、各人の筋肉の使い方や走り方なども関係してくるのではと考えさせられました。
 私の場合は、もともと520のフレームと170mmのクランクでは、サドルを極端に後ろに引かないとポジションが出せない(セルコフのバイポジションピラーを使って目いっぱい後ろに下げてました)というセッティングでした。
 ですので、某理論を採用することでクランクが長くなる分、サドルの中心位置がシートチューブの延長線上に近づいてくれるとともに、貧弱なトルクを有効利用できる形となり、上りの苦手意識の克服に一役かってくれて、某理論に肯定的な立場を取るようになった次第です。
 某理論はショートクランク+高ケイデンスによる効率の良いペダリングを提唱していたと思いますので、トライアスリートやブルペ愛好者等には適用しやすいかもしれませんが、より一般的なサイズ割り出しにはまだまだ考察すべき点が多いんでしょうね。

投稿: コロッケうどん | 2006年9月25日 (月) 09:28

皆さん今晩は。
参考になるお話が次々と出てきて、クランクについては色々考えている方が多いんだなと実感します。

コメントも(2)も現在書いているところですが、持病の貧血が悪化してきて最近体調がすぐれず遅々として進んでおりません。お待ちの方はもう暫くご猶予下さい。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2006年9月25日 (月) 22:44

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