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2006年9月 2日 (土)

FINISHLINE KryTech

FINISHLINEのワックス系潤滑剤

Krytech

ワックス系潤滑剤は独特の商品である。

  1. 大抵、汚れにくいのが売り
  2. 「セルフクリーニング」機能を標榜しているものが多い
  3. 主成分が、よく分からない謎物質である事がよくある
  4. 潤滑油と違って、ようはロウを塗れば滑るような方法で潤滑している

リキッドX、ホワイトライニングなど類似品が他社から幾つか出ている。なお、自称ではホワイトライニングはアメリカで最も売れている潤滑剤だそうだ。

このKryTechはデュポン社謹製の謎な化合物「クライトックス」を配合しているらしい。なんでもテフロンより粒状性が細かいので付着しやすくとれにくいのだそうだ。本当かどうかは、知らん。

何だか緑色のでろーんとしたツブっぽいものが混じった中途半端な粘性の液体。Omega909よりはまだ粘性が低い感じだ。チェーンに塗って乾かしたらおしまい。物凄く手抜きが出来るグッズである。それこそ一定期間毎にチェーンを外してディグリーザーで洗浄し水洗し乾燥させて潤滑油を塗っているような人間(私もよくやるのだが)からしたら驚愕の手抜きグッズである。

肝心の潤滑性能だが、その怪しげ(?)な宣伝文句よりもずっと効果があると感じた。変速もスムースだし、かなり効いてる。触った感じ「ロウ」っぽくて油とは明らかに違う、しかしいかにも摩擦係数の少なそうな感じだ。

セルフクリーニング効果は宣伝の行き過ぎだと思う。チェーンはこれ使ったってキッチリ黒くなる。ただしKryTechのチェーン汚れは手についても簡単に取れる。分かりやすい例として、普通のウエット系チェーンオイルのネトネトしたあの黒い汚れは手についてもティッシュでこすったくらいでは取れないが、KryTechの汚れは手についてもこすればすぐ取れる。汚れるのは違いないのだが、汚れの質が違う。これはけっこう有り難い。あのチェーンオイルの汚れ、普通はどうってことないんだけど、出先でチェーンが外れたりした時はホント「何とかならんのか!」と思うことがあるからだ。残念?な事にKryTechを使い始めてから一度もチェーンが外れたことはないのだが。

欠点。

防錆能力は気持ちいいくらいゼロに近い。

雨に降られるとする。
その後5〜6時間放置せざるを得ないとすると、チェーンはもう見事に赤錆が浮きまくりの凄い状態になる。初めて見たときは驚くくらい見事に錆び錆び。つまり防錆能力は完全に油ぎれの状態とほとんど一緒。これほど短時間で錆びる現象はウェット系では例えミシン油であろうとまずあり得ないし、Omega 909などは雨の中を4時間走りきった翌日でも一切サビが出ず潤滑性能も普通に生きていたくらい物凄くしつこかったが、そんな芸当は間違いなく望めない。所詮油ではなくてワックスなのでこのへんはもう如何ともしがたいのだと思う。結論として、防錆能力はミシン油にも劣る。

耐久性も低め。

塗った当初の潤滑性能は100kmもたんね、どう見ても。
ただしメンテナンス自体は大変簡単でどんどん上から塗ってしまえばいいし乾く前に走り出すような間抜けなことをしない限り飛び散りもしないから、走る距離や頻度にもよるが「距離はもたないけど、手抜き向き」だとは思う。10kmの道を週に通勤・通学で5往復する人間が毎週末にただ上から塗ってしまう使い方で、ずっと良好な性能が得られると思われる。

使い方のTIPS

KryTechのもとの容器は口がやや大きすぎ、直接注そうとするとこぼれて無駄に垂れている分の方が多いことになる。これは何の益もない。

そこで

Krytech2

ホームセンターで100円かそこらで買ってきた容器に小分けして

Krytech3

こんな風に1コマに1滴づつ注してやると、無駄垂れしないし全コマきっちり潤滑出来るし、無駄垂れした分を拭かなくてよいので作業は意外と速く、やってみる前に想像するほどの手間仕事でもない。ようは道具。工具コーナーに置いてあるのでお勧め。値段も缶コーヒー1本分くらいだし。

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