シグルイ
異能の漫画家、山口貴由「シグルイ」最新刊、7巻発売。
「覚悟のススメ」「蛮勇引力」などで“山口節”とも称されるシュールな言葉遣いを連発しカルトなファンを獲得している山口貴由。もともと「葉隠」に心酔しているような人物なので、江戸時代モノはある意味「何故もっと早くやらなかったのか」とさえ思えるほどハマっている。タイトルの「シグルイ」も、葉隠の記述にある「武士道とは死狂ひなり」から来ている。
なお「武士道とは死ぬことと見つけたり」の一節であまりにも有名な「葉隠」だが、稀代の暗君とまで呼ばれた君主の圧政を何ら諫めることが出来なかった無能家老が、自分の無能な人生を無理矢理に美化・正当化すべく延々と書き綴った一大デンパ本である事はあまり知られていない。その無茶苦茶な屁理屈が封建社会の体制維持にとってとても都合良かったため「これこそ武士道」として美化されまくっただけなのである。
とまれ、このことと山口作品の面白さとは別問題。山口は読者なら知っての通り腸フェチ(苦笑)なので明らかに読者を選ぶが、現代の鬼才漫画家の一人であると思う。
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