活動限界まであと5分!(断線しなくても)
年末らしく、掃除ネタ。
さて、私は暫く前からdyson待望のコードレス掃除機たるdc16を使っている。
この掃除機、
フイイイイイイン!!
と物凄い音を出すのが伊達ではない。普通の掃除機と互角の勝負が出来るくらい凄い吸引力がある。dysonからライセンスを受けた「コードレスサイクロン」がいくつもあるなか、本家たるdysonがなかなかコードレスを出せなかったのは「本当のサイクロンをコードレス化すること」にこだわったせいだと思われる。使ったことがある人なら知っての通り、コードレスサイクロンと呼ばれている類の掃除機はほとんどがサイクロンとは名ばかりのヘナチョコ充電式掃除機に過ぎない。サイクロンはその名の通り高速の空気の渦を起こして空気の流れでゴミを遠心分離させるような仕組みなのだからして、物凄い勢いで渦を発生させないと無意味にゴミが回っているだけの全くどうしようもない掃除機に堕落してしまう。dc16の電源は21.6Vのリチウムイオンだ。これほどの電圧でコードレス駆動するものは少数派で、Sharp製によく吸うことで定評のあるコードレスサイクロン掃除機があるが、これもやはり19.2Vのバッテリを使用しており、現在の技術では20v前後の電源がないとサイクロン掃除機としてまともに稼働するモノを作るのは不可能なのだと思われる。前に東芝がElectroluxにデザインして貰って出した「エスカルゴ」なるデザイン家電掃除機があった。これは見た目こそなかなかシャレた“コードレスサイクロン”だったが、全然吸わなかった。私も買ったのだが後悔した。価格.comなどの口コミでもボコボコだったが、掃除機としてダメなんだから当然の評価だろう。ちなみにウチには前述のSHARP製コードレスサイクロンもあるのだが、コードレスとしての使用だけでなくちゃんとコンセントに繋いでAC100Vで使うことも出来たり、さらにAC給電されている時は選べる吸引方法が増えたりと大変工夫して作られており、ダストカップの容量が小さいクセしてその脱着がやけにやりにくいこと以外はとても良くできている。
さて、話を元に戻すと、1.5kgほどしかない軽いボディから想像される能力を遙か上回る物凄い吸引力がこのdc16にはある。とにかく、コードレスであることを忘れてしまうくらい物凄く吸う。さすが20Vを超えるバッテリーで駆動するだけのことはある。しかし凄いウイークポイントがある。仰天の駆動時間。
5分くらいしか動かない。
真面目にびっくりである。つまり、この怪物コードレス掃除機は21.6V 1080mAhものバッテリーをものの5分で使い切ってしまうわけだ。お前はラジコン飛行機か何かか!?逆に見ると、ラジコン飛行機並の物凄いパワーを投入する事でコードレスでも本当のサイクロンを実現している。
そこで思い出したのは、エヴァンゲリオンである。
最新鋭の科学の粋を集めた決戦兵器ロボット(じゃないけど)なのに、ケーブルが切れるとバッテリでは最長でもたった5分しか動かないムチャクチャな仕様のトンデモ兵器だった。
5分で切れてしまうdc16のバッテリだが、フル充電には何と3時間くらいかかる。
しかもバッテリが2個ついているがバッテリを掃除機本体に装着した状態でないと充電できないため、2個充電しようと思ったら充電が終わるのを監視して手作業でバッテリを付け替え充電しなければならない。このへんの芸のなさは呆れ返るばかりで、日本の会社ならクレームの嵐に企画した人間は降格間違いなしの仕様だろう。SHARPが作ったなら、仮に5分と割り切ったとしてもコンセントから電源を取って稼働するためのアダプタなりを付属させている筈だ。エヴァンゲリオンのアンビリカルケーブルかよ。でもそのへんの配慮はdysonにはない。コードレスはコードレスなのだと押し切る。このあたりは多分あちこちで非難囂々だろう。
何だか悪口が続いたが、私はこのdc16、大好きである。とにかくこの「爆吸い」に痺れる。コードレスだから仕方ないなと思う必要がない吸引力にはしびれるばかりだ。軽いのも見逃せない美点で、本体ごと持っている事を忘れてしまう。それでいてこの吸引力なのだから素晴らしい。また、コードレスで本体ごと持ち上げられる利点を生かした仕様として、ゴミ捨てのやりやすさが出色。私が今まで見てきたどのサイクロン掃除機よりもゴミ捨てがやりやすく、飛び散らない。これも大好きな理由の大きな柱だ。
「3時間充電して5分しか動かない」のではない。5分で終わる掃除を毎日やるのだ。掃除しないからたまに掃除すると1日仕事なのである。掃除が嫌いな人間がこのような酔狂な舶来掃除機なんぞ買うはずがないが。
dyson dc16、掃除機界のエヴァンゲリオンである。
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