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2007年1月24日 (水)

POLAR CS600/400正式発表

POLARの新サイコンであるCS400/600が正式発表された。
特設ページまで作る力の入れよう。
もちろん本家にも詳細データが既に載っている。

とにかく機能的な強化に関しては相当なレベルだ。
おいおい雑誌にも載るだろう。

しかし、大きな問題点もある。

  1. スピードセンサーやケイデンスセンサーが全く新しい2.4GHz帯の電波(Bluetooth?)を使ったものになり、従来のSやCSと全く互換性がない。
  2. 心拍ベルトもやはり全く新しい2.4GHz帯の電波を使ったものになり、CS600、RS800専用。従前のものと互換性がない。従前の心拍ベルトはCS600等には使えない。

これら新方式の2.4GHz帯を使うセンサー群をPOLARでは「W.I.N.D.」と呼び区別しているのだが、1はともかく2の問題が実用上かなり大きい。
たとえばパワーメーターとPOLARとを共用している場合、まさか心拍ベルトを2本巻くような間抜けな真似はできないし、今まではPOLARのを1本巻いていれば全部共用できた(無線HRMの基本特許をPOLARが抑えているので他のメーカーはよほど頑張って独自方式を一から開発しない限りPOLARから技術供与を受けての互換品となる)のだが、新しいセンサーの導入により、他のメーカーが対応する何年かの間は「旧POLAR互換」と「W.I.N.D.方式」の2本立てになってしまう。

当然だが旧POLARのHRMも全てW.I.N.D.非互換である。

POLARとしてもここまで非互換にすることによる混乱は考えただろうが、ここらで根本的改良を加え混信等への問題を根本解決することに乗り出したようだ。W.I.N.D.では全てのセンサーにID情報があり、予め本体側にID登録してあるセンサーからの情報のみを拾うようになっている。このためCS600では仮にPOLARのスピードセンサーやケイデンスセンサー、ベルトを装着した人間が50人の集団を形作って走行しても一切混信が起きない。同じ理屈で、従前問題になっていた「少し強い電波を受けると突然心拍数が228になる」「突然速度が100km/h以上を記録する」問題はかなり軽減されると思われる。W.I.N.D.では登録済みのID情報を伴わない電波は全て「ノイズ」と判断されるからだ。W.I.N.D.で電波の到達距離が伸びたため、従前は電波送信距離を伸ばす変更を加えないといけなかった後輪へのスピードセンサー装着(CS100/200用センサーではこの変更ができないため後輪検出不可)も初めから可能になっている。

W.I.N.D.により信頼性の向上はかなり期待できる。無線式のネガは相当解消されるだろう。CATEYEが無線式のネガを解消するため新型で再び有線にしてしまった(この決断自体は勇断で良いと思うが)のとは異なり、POLARは無線式の改良を行うため根本から見直した。またCS600自体の機能アップも凄まじいモノがある。高度の複雑な表示や消費エネルギーのマネージメント(これは減量などとつまらぬ目標ではなくハンガーノックを防ぐためのようだ)まで行い、データ記録間隔に遂に「1秒」が加わったり、細かいところではS系でiから消えていた心拍アラーム音の復活に至るまで微に入り細に入り強化されている。POLARしか使わない人間にとっては相当に抜本的で魅力的な改良が加わったと思う。

しかし私のようにパワーメーターと併用している人間にしてみれば「なんだかなぁ」な面が否めないのも事実なのである。たぶん、従前POLARのSシリーズを使ってきた人にとっても少なからず「何だかなぁ」だと思う。600を使いたかったらチェストベルト始めセンサー類は全部交換だ。前述の通りセンサーが一切非互換なので併用も効かない。それは100/200も同じで、名前こそ同じCSだが共用できるのはマウントCS(笑)だけである。ましてやSユーザーでPower Output Sensorも使っているような人なら尚更だろう。CS600用に用意される新型Power Output Sensorは無線式で、今までのS用とは一切の互換性がない。

W.I.N.D.導入の目的とか利点は分かるが、これは従前ソフトが一切動かない新OSを導入するようなもので、随分と強引な“改良”なのである。

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コメント

う~ん、大変興味ありですね。CS200の後継機になるんでしょうか。
価格が非常に気になりますね。これだけ機能アップして果たしてCS200と同程度
で収める気なのかどうなのか。

投稿: rr | 2007年1月24日 (水) 17:41

rrさんまいどです。
最初に展示された時に当Blogにも書きましたが、赤外線通信でデータをPCに送れたりSとボタンの配置まで全く同じ5スイッチの操作体系を採用していたり、明らかにSシリーズの後継機種です。単にPOLARは最近の新機種から名前で目的が分かるようにしただけです。

RS:ランニング専用
CS:自転車専用

です。CS200と600の間で共通点は、マウントCSが使えることだけです。センサーから操作体系から、全部異なる全くの別物です。

値段もCS200と同程度なんて可愛いモンじゃ全然ありません。400ユーロ前後と目されていましたが、379.9ユーロと発表されています。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2007年1月25日 (木) 15:20

こんばんは 本日polarの展示会に行ってきました。
結果からいうと
1 4月 S725XとCS400発売予定
2 CS600は今年発売予定なし
CS600はトランスミッタが変わり通信関係の法的なものをクリアするために遅れが出るということで
RS800が通っているはあっちはAdidasがやったからということです。
 新型とはいえCS400やRS400は旧来のトランスミッタのようですから現有のものと共有できるようです。
しかしCS400のケイデンス、スピードセンサは例のCS200/100用のものなので
反応が遅いという悪癖はあるかもしれませんね。
 あんまり面白い結果ではなくて残念です。
今は新型トランスミッタ採用の腕時計型RS800にCYCLE Computer機能がなかったことが悔やまれるだけです。

投稿: sin120 | 2007年1月28日 (日) 21:45

P.S. 当日はパワーキットの展示だったのですが断線のため中止です。

投稿: sin120 | 2007年1月28日 (日) 22:07

sin120さん貴重な情報ありがとうございました。
また断線ですか!しかも展示会で。いやもう、つくづく断線が十八番ですねPOLARは。
このへんはホントPOLARの研究開発能力を疑ってしまうところです。自転車と自転車乗りをナメてんじゃねえのか?と。

400がCS100/200用センサーを使うのでしたら、反応が遅い悪癖は間違いなく残りますね。CS100/200で反応が遅いのはセンサーの反応が遅いせいなのが多分にあります。実は互換性があるSのスピードセンサーを使うとかなりマシになることで分かります。残念ながらSのケイデンスセンサーは流用できませんが。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2007年1月30日 (火) 17:25

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