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2007年3月17日 (土)

元祖ではないが

Joel_evett_integrated_levers_mixed_view

手作り!のデュアルコントロールレバー
職人芸だ。

Joel_evett_integrated_levers_top_view

作りが古めかしいのは「わざと」だが、大変良くできている。

Joel_evett_integrated_levers_detail

手作りとは思えない逸品だ。
ところで、これを見て「STIレバーをわざと古めかしく作った手作り製品」と思う人が多数派だろう。しかしそれは間違っている。

デュアルコントロールレバーの元祖がシマノSTIだと思っている人は多かろうが、あれは「広めた」元祖で、ブレーキレバーのところに変速装置を同居させるアイデア自体の歴史は物凄く古く、ギアが3段とか4段しか無かったいにしえの頃から既にレース用のグッズとして存在していた。中にはインデックスシフトのような機能まで備えたものが、何十年も昔、既に存在したのである。だから上掲のデュアルコントロールレバーも古めかしいのは不思議ではなく、こんなモノが大昔実際にあったのを作り直しただけだ。STIの良さはブレーキレバーに変速レバーを兼ねさせるアイデア(これはSTIが元祖と思われる)とシフトの高性能化、そして何より大きいのが「標準化への努力」だろう。シマノはあのとき“常識を覆し”たのだ。これには物凄い情熱と努力がいる。それまで、古くから存在したにもかかわらず普及しなかった手元シフトは、ずっと「特殊なもの」だと思われていたのだ。普通のライディングで使うものではないと。そして「変速がうまい」事がレーサーの技量だとされていたし、昔は自分が変速がうまいことを吹聴するトップレーサーがけっこう居た。自慢でも何でもないが、私も20年ほど昔はよく変速のタイミングとか掛ける時間が短い事に関してよく感心された。それをシマノが変えた。今は変速のうまさを吹聴するトップレーサーなど居ない。もはや変速など技量のうちに入らなくなった。誰でも百発百中コンマ何秒で変速できる時代に変速のうまさなど、自慢する方が余程どうかしていて恥ずかしい。シマノが非常識な挑戦をして常識を完全に覆したのだ。

シマノのその非常識な挑戦を黙殺したサンツアーが消えたように、イノベーションに対して「常識」を振りかざし「何を馬鹿なことをやってるんだ」と冷笑する連中が、単に時代の流れ・うねりに気付かない鈍感なだけの事は少なくない。アヘッドステムが始まった時も散々けなした人がてんこ盛り居たことだろう。MTBだってサスペンション創世記の頃、自転車にサスペンションなど無用論がしつこかったことを私でも覚えている。自分ではヘンテコグッズが大好きな筈の私も、革新的な何かに対して「これは…」と思うことが少なくない。それが次代の常識となるのか単なるアイデア倒れか、決めるのは自分ではない事を忘れないようにしたい。

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コメント

全体の印象が「MAFC」のレバーを思い出させます。
メルクスが現役の頃の話です。
ブレーキレバーは左右には動かないようなので、
サイドレバーを上下に動かしてチェンジするのでしょうか。
当時はこういうものがあることは知りませんでした。
技量としては坂を登りながら、ペダルを強く踏み込みながらでもチェンジできることが、
評価されていたように覚えています。
チェンジレバーを引きながら、一瞬踏み込む力を緩めたりするのです。
あの頃は、チェーンにもスプロケットにも何も工夫が無かった、
せめて言えば、チェーンが左右にたわみやすくなっていたことかな。

投稿: SUSUMU | 2007年3月18日 (日) 16:26

SUSUMUさんはじめまして。
手元変速はほとんどがパヴェ(石畳)がある悪路コースかシクロクロスでのみ使われていたようです。有名なパリ〜ルーベでは昔からちょくちょく使われていましたが、メルクスが持ち込んだ軽量化信仰もあって通常のレースで使うレーサーはほとんど居なかったようです。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2007年3月21日 (水) 19:26

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