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2007年4月18日 (水)

盆栽

V2 BOOMERANGの改装ついでにワイヤーをほぼ全てNOKON Konkavexでやり直した。

Nokon

NOKONは盆栽である。

と思う。
アウターをテフロンライナーに装着するときのあのちまちま感は他に例えようがない。

軽量なNOKONアウターは軽量化グッズとして捉えられがちだが、メリットは一切伸び縮みしないのでワイヤーの動きが正確になること、それでいて最も柔軟性に富むアウターの一つであることの二本柱だと思う。特に恩恵が大きいのがブレーキワイヤーのNOKON化で、単にワイヤーをNOKONに換えるだけで他はなにも弄らなくても、一回ブレーキレバーを握っただけで分かるほど格段にシャッキリとしたタッチに大変身する。NOKONが大好きだったJan Ulrichは、シフトアウターにSHIMANO純正を使うようになった後も最後までブレーキアウターにはNOKONを頑なに使っていた。

この気持ちは分かる

一度使うと戻す気にならんね、これは。

タッチだけで評価するならUNEXのULTRAもかなり近いがそれでもNOKONの方が一段上だし、アウターの柔軟性で見るならUNEXのULTRAアウターは強化が行き過ぎで問題外なまでに硬い。これはもう“棒”じゃねえか!と思うほどで、ハンドリングへの悪影響も少なくない。普通のアウターではそこまでやらないとシャッキリ感が出せないわけで、名前の通り物凄い作りのUNEX ULTRAは通常方式の方式限界を如実に示す製品だと思う。NOKONはハンドリングへの悪影響が抜群に少ない。たぶんあらゆるアウターの中でも一番少ないと思われる。この構造を考え出した人間は素晴らしいアイデアマンだと感心する。コピーもんが次々と出ているのも当然(NOKONにとっては面白くないだろうが)の素晴らしい発想だ。

欠点は、やたらと高いこと。

確かにこれはかなり面倒臭い作りなので仕方ないのだろうが、ワイヤーにこれだけの金を出せる人間は少ないよなあ、と思う。しかし無駄に高くはない。場所に応じて短いピースと通常のピースを使い分ける考え方とか向きを逆さにするためのピースであるとか、とにかく「よく考えてある」点で、パチもん含めこれを超えるものはまだないと思う。通常のアウターと違ってコマが合わさっているだけの構造なので、インナーがヘタってきてやり直した時もNOKONのアウターは再流用できるから実はそんなに暴利な価格でもない。納得の行くまでとことんやり直せるのはNOKONの他にない長所だ。が、これが災いして「あーでもないこーでもない」と試行錯誤を繰り返し続け、気が付いたら5時間6時間すぐ過ぎる悪魔のような製品でもある。普通のアウターならバチンと切ってしまえばそれまでなので「ま、いっか」と終わりになる作業が、何度でもやり直せるのできりがなくなるのだ。凝り出すと短いピースと通常のピースの配置まで最適化したくなってきてピースをちまちまと装着する作業を延々繰り返し、ますます泥沼になる。

だが、それがいい(笑)

やっていて飽きないのである。

よく「こだわりグッズ」として紹介されるNOKONだが、確かにこだわる人間にはこたえられないモノで、こだわらない人間には鬱陶しいだけのモノだ。

やっぱりNOKONは盆栽だ。

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コメント

こんにちは

 NOKONアウターでググって見つけたページには「1.8mの地獄」という表現をしている人がいました(笑)。細工好き、こだわる人向きなんでしょうか。

投稿: cano | 2007年4月18日 (水) 01:13

canoさんまいどです。

1.8mの盆栽
1.8mの病気
1.8mの泥沼

そんなとこでしょうか。
こだわりたい人にはこたえられないグッズだと思います。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2007年4月26日 (木) 22:54

はじめまして
いつも読ませていただいてます。

実は今、ワイヤーで迷っています。軽量化とタッチの改善のため、ノコンか、TIOGAのIリンクかで。
LIVESTRONG 9//26さんは、Iリンクだと、パチもんの域を出ないものだと思われますか?
本文を読んで、ノコンへの交換による、タッチの改善はわかりましたが、軽量化についてはいかがでした?
とてもうらやましいばかりの拘ったパーツをたくさん取り付けておられますが、ちなみに、現在の総重量はどのくらいですか? 質問ばかりで申し訳ないです。

投稿: iwasi | 2007年5月29日 (火) 21:54

横からですが、TIOGA/AlligatorのI-linkは~27g/mでノコン(~37g/m)はもちろん、今度出るカーボンノコン(~30g/m)よりも恐らく軽いです(ちなみにシマノは~60g/m)。ただこれらはブレーキアウターの話で、ノコンのシフトアウターはシマノSISより逆に重いので軽量化には向きませんし、シマノのシフターとは相性が悪いと言われています(カンパはok)。
ノコン買うならゴールドとシルバーは腐食が早いので避けて、黒・青などの色物を選ぶか、ノコンの協力でphobia社が出してる腐食対応版ノコン pearlz
http://www.phobia.eu/produkte/pearlz/index_html?cl=de
を買うのが良いと思います(海外通販のみかつ高い)。
軽量化は自転車のサイズやワイヤーの取りまわしにもよりますが、ロードバイクのブレーキアウター(1.5m前後)で30g~40gぐらいだと思います。

投稿: info_nokon | 2007年6月 5日 (火) 23:28

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受信: 2011年8月 5日 (金) 09:54

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