Criterium du Dauphine Libere
Le Tour de Franceの前哨戦としても知られる1週間のステージレース、Criterium du Dauphine Libere開催中
Le Tour de Franceでいよいよ個人総合優勝を狙うASTANAのAleksandr Vinokourovは、個人TTでDiscoveryChannelのLevi LeipheimerやCSCのDavid ZabriskieなどTT巧者を向こうに回してステージ優勝するなど順調な仕上がりを見せつけている(Vinokourov自身もともと世界選手権ロード個人TTでメダルを獲ったこともあるTT巧者だ)。山岳ステージでブレーキさえかからなければ本当に2007年のツールはVinokourovのものになりそうだ。とすればアジア圏初のツール・ド・フランス総合優勝者である。
Criterium du Dauphine Libere「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ・リベレ」は、相当なレース好きでないと名前も知らないレースだが、第二次大戦終了直後の1947年初開催。2007年で60周年を迎えたけっこう歴史あるレースの一つだ。現在の主催者はLe Tour de Franceを主催するASO。
一週間で終わるステージレースだが、Le Tour de Franceで使われる山岳コースと同じルートが入ったり、必ず距離のある個人TTが1日入るなどLe Tour de Franceをそのままに規模だけ小さくしたような“濃いレース”であり、ここでいい成績を出せる人間は大抵ツールでもいい成績を残せる。このため強豪選手がツール直前の仕上がりチェックとして走る事が多く、歴代優勝者にLe Tour de France総合優勝者が多いのも特徴の一つ。古くはルイゾン・ボベやジャック・アンクティル、その後もエディ・メルクス、ベルナール・イノー、グレッグ・レモン、ミゲル・インドゥライン、そしてランス・アームストロングなど錚々たる面々が名を連ねている。見事な符合として“ツール5勝クラブ”の全員がCriterium du Dauphine Libere総合優勝経験者だ。
ドーフィネ・リベレの個人TTで面白い画像発見。
Zabriskieだが、凄いアンクリングだ。一般にマスメディアではアンクリングを禁忌としていることが多いが、あれほど強かったランス・アームストロングも詳しく見るとアンクリングがけっこうきつかった。そのアームストロングとTTで伍して戦う力を持っていた数少ない選手の一人であるザブリスキーもアンクリングするのが不思議な符合である。
Vinokourovと同じく2007年のツールに賭けている一人、Leipheimerである。最有力株であったバッソが欠けたDiscoveryChannelとしても是が非でも勝って貰いたいところだろう。このLeipheimer風ランディス・ポジション、プロならではの凄いポジションだなと思う。
横から見るとこんな感じで、試しにポジションを弄って形だけ真似してみたら、とにかく上腕への負担が半端じゃない。“アレンジ”が少し違うが、もともとランディスがやっていたポジションに一番近い“改良型”がLeipheimerだろう。
上半身だけでなく、右ペダルが下死点にあるのにこの膝の異様な余り具合を生む低いサドルといい、極めて特徴的なポジショニングになっている。ポジション指南マニアが見ればツッコミどころだらけの“非・教科書的”ポジション。しかしLeipheimerはこれで超一級に速いのだからポジションは奥が深いモノだと感心する。
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コメント
こんにちは。
ポジションに定石なし、ということですね。
もちろん、ものすごい高いレベルでの話という、ただし書き付きで。
投稿: もけけ | 2007年6月16日 (土) 10:43