#14
最近研究が滞っていたので、久々に空力ネタ
- プレーン14番のスポーク1本の空気抵抗は、HED.3のバトン1本の空気抵抗と同じ。
- 「涙滴型」なる言葉があるくらいだから空気中を落下する雨は涙滴型をしていて、かつそれが最も空気抵抗の小さい形状であるとする都市伝説が広くまかり通っているが、実は雨粒は涙滴型どころか似ても似つかない「大福」もしくは「丸餅」と呼んだ方がいい(つまり全然空力が良くない)形をしている。このことを雨粒の撮影に成功して証明したのは日本人学者で、しかも5年や10年前の話ではない(もっと前)。涙滴型神話崩壊。
- ドッカンした飛行船ビンデンブルグ号を建造したことでも知られるドイツ・ツェッペリン社で調べたところでは、理論上最高の流線型は累積分布曲線からなる魚雷型、全長:円形断面比=6:1だった。
- その後の研究で、流線型は実は最高の形状ではない事が分かる。涙滴型神話崩壊第二弾。
- 最新の研究の成果によると、こんなちょっとユーモラスな形がベストなんだそうだ。絵がヘタなのと分かりやすいように強調して描いているので細部違う点に関しては容赦して欲しい。本当はもっとペッタンコだ。最新エコランカーのカウリングも上から見るとこの形の類似がほとんどになっていて、いわゆる流線型は廃れている。
- 形が同じでも表面で乱流を起こさないように起こさないように処理するか積極的に小さな乱流が起きるような表面処理にするかで最適形状は異なり、素人が形だけ見て判断できるほど甘いモンじゃないらしい。
- たった一本の垂直棒の露出が全抵抗の9割を占めてしまったりする(そして当人達はまさかそんな事になっていると思わないので抵抗の大きさに首を傾げる)くらい、この分野を突き詰めるのはシビアである。
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コメント
毎度です。
空力ベストな形って、回遊魚を背面から見た形(つまり、魚雷形ですね)に似てるような気がします。
こいつらは専門家ですからね。
空気よりはるかに抵抗の大きい水中を、自分の力だけで猛烈なスピードで泳いでます。
止まったら死にます。
いくら頑張っても、生物の設計には、人間が頭ひねって考えても勝てないということでしょうか。
往々にして、人間が「世界最高!」と鼻息荒くして開発発表したものは、自然界に既に存在していた、というのはよくあることです。
生物の設計を真似ることが、最強のものを作る一番の近道ではないでしょうか。
投稿: Carbon_Cloth | 2007年8月20日 (月) 00:51
Carbon_Clothさんまいどです。
空力の話は調べれば調べるほど深いです。
調べるプロがそれでメシ食えるのは分かります。
「空力を良くしたつもりでむしろ悪化させる」ことが冗談じゃないですからねこの世界は…。
投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2007年9月 1日 (土) 01:56
はじめまして.
バックナンバーを読んでいてこの記事の5番に興味を持ちました..
よろしければ,この情報のソース(文献orウェブページ)を教えていただけますか?
よろしくお願いします.
投稿: taro | 2007年10月29日 (月) 23:03
>>Taro
http://www8.wind.jp/takumi/s06.html
これじゃないですか?
投稿: | 2008年3月31日 (月) 12:28