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2007年10月 9日 (火)

帆を揚げろ

最近、ディスクホイールが熱い。

一般に「丸い板」形状だと思われているディスクホイールだが、実は形は少しずつ違う。
構造材として使われている素材にもよるが、

  1. まさに「丸い板」のもの
  2. 俗に「レンズ形状」等と呼ばれている、アクスル軸付近が膨らむもの
  3. 中央部は板状で、外周に近い部分がドーナツ状に膨らんでいるもの

の3種類くらいになる。
1はカーボンディスクホイールに多い。CORIMA Discなどが典型的なこの「丸い板」だ。断面で見るとほぼ真っ直ぐになっている。
2は有名なディスクホイールに不思議と多い。CampagnoloのGhibli、MAVICのCOMETEはレンズ型だ。
図示すると

Lensdisc

このような断面形状を持っている。“板”よりも横方向の剛性を確保しやすいメリットがある。

次に3
これは最近になって現れた形状で、商品として最初に出したのはBontragerのAeolus Discであるように思う。
言葉ではイメージしにくいとおもうので図示すると

Disc

分かりやすくするために少々大げさに描いたが、このような断面形状をもつものだ。

この少々不可思議で一見意味不明な形式が隆盛し始めている。
Aeolus Discの時にはほとんど話題にならなかったこの不思議なカタチだが、今年EUROBIKEやINTERBIKEで発表された08モデルのZIPP「Sub-9」そしてHED.のSTINGER Disc等が奇しくも同時にこの形状を採用した(もともとAeolus DiscにはHed.の技術が入っているからSTINGER Discが同じ形状を採用するのは不思議でも何でもないのだが)のだ。ZIPPは従前からリムにディンプル加工を施したり、それには飽きたらずハブにディンプル加工し、果てはVittoriaと共同開発してディンプル加工入りのタイヤまで作ってしまうほど空力の向上に躍起になってきたメーカー。HED.は従前から当Blogで何度も取り上げているように空力の専門家が興したメーカーである。ZIPPやHED.の説明によると、この形状はディスクホイールの“セール(Sail)効果”をより効果的に産み出すのに有効な形状らしい。

まさに「へぇ〜!なるほど」である。

未だ最適な形状が見つかっていないバトンホイールと違って、ディスクホイールは軽くなったこと以外は長い間何ら変わって来なかった。それこそディスクホイールでありさえすればそれでもう究極の形状かと思われていた。が、そうではなかったらしい。完成されきったかに見えるディスクホイールでも、まだ工夫の余地はあり効果も出るのだ。

常識に挑戦して覆すチャレンジャー達の挑戦はまだまだ続くのだろう。

注)ディスクホイールのSail効果について
ようは「斜め前からの風に対して揚力を発生する」もの。ディスクホイールが斜め前からの風に対して極端に低い空気抵抗値を示す(実はアングル0度つまり真っ正面からの風に対してはスポークホイールに比べて微々たるアドバンテージしかない)事は以前から経験的に知られておりライダーの感触としてもまるで後ろから押されるかのような現象として知られていたが、具に風洞実験してみるとディスクホイールがヨットの帆(Sail)のような役割を果たし揚力を産み出している事に起因しているのが分かった。このため最近はこの揚力効果を「Sail effect」等と呼ぶのが主流。

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コメント

初めまして。読ませて頂いております。
この記事の「未だ最適な形状が見つかってないバトン~」
に関して、実は以前の記事で最も空気抵抗の少ない形。
という記事がありましたが、あの形を見ていて思ったのが
コリマの3スポークホィールを逆回転させたら、あの形に
近いのではなかろうか?と、言う事なんです。
まあ、リア側は、フリーボディもありますので、簡単には
いかないような気もしますが(引っこ抜いて逆から刺せれば
話は簡単なんですが、ホィール側の受けがバラせて、穴が
左右同じなら可能性はあるかも知れません)
バトンの形状が前進翼風デザインで、逆回転させたら、
後退翼風になるのもヒントではあります。
まあ、思いつきですので、参考まで。

投稿: ハロー | 2007年10月10日 (水) 12:31

ハローさんはじめまして。
これからもよろしくお願いします。

バトンの断面形状ですが、Sail効果ではありませんが、様々な風向に対して果たして単純な最適形状(あくまで「現在見つかっている」最適に過ぎませんが)がベストなのかどうかがまず不明。次にバトン本数の最適が不明。そしてバトンの最適形状が、かなり重要な筈ですが不明です。ストレートがいいのかベンドした方がいいのか、ベンドさせる場合どうベンドさせるべきなのか、アクスルから外周へ真っ直ぐ伸びるべきなのか斜めに伸びるべきなのか、等々物凄いバリエーションがあり得ますが、どれが最適なのかの「答え」はおよそ出ていません。

まだまだ膨大な研究が必要と思われます。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2007年10月12日 (金) 01:03

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