5ROT 2008
登場時こそそれなりに話題に上った油圧シフトシステム「5ROT」
しかしその後あまり話を聞かなくなった。
仰天するほど高い(2008年4月現在の円/ユーロ換算レートで23万円ほど)上に出荷されないのだから当然だ。
しかし、死んじゃいなかった。
死んじゃいなかったどころか、いつのまにやらFDに改良まで加わっている。これはびっくりだ!
私の覚え間違いではない。初期型(?)の映像を探してきたら
見比べればより一目瞭然。ガイドプレートの形からして違うし、ガイドプレートの本体への固定方法も変わっているし、油圧シリンダーの駆動軸の位置も変わっているしで、かなり大幅な変更が加わっている。フレームへの固定方法まで、挟み込むようになっていたのが別体式のバンドを絞るような形式に変わっている。
油圧ばかりが注目されがち(当然)な5ROTだが、FDで6箇所、RDに至っては16箇所!もベアリングが使われているなどローフリクションへの拘りが尋常ではない。
所詮自転車の外装変速機なのだからそんなにベアリングを入れまくらなければならないほど高い負荷など全然かかっていないだろうが、スムーズで軽いシフトの実現に物凄い情熱を傾けているんだろう。そのローフリクションへの狂気じみたこだわりが油圧作動を選択させたのではないか。いかにもメカオタクな人が作っているような印象を受ける。
CNC削り出しの部品を1個1個手でチマチマ組み立て作っている(以前「この粗さはラフィングエンドミルで削ってるんじゃないかとすら思える」とコメント頂いたが、そのへんの粗さは直っていないし今後も直す気がないように見える。もしかすると切削作業時間を減らすため本当にラフィングエンドミルだけで削っているかも知れない)そうなので価格低下とか潤沢な供給とかの可能性はほとんどゼロだろうが、これからも潰れずに続けて欲しいメーカー(工房)だ。
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コメント
いつも楽しみに見させていただいております。
このデザインめっちゃイケてると思うんですが、斬新なメーカーってコスト問題に耐えてがんばって欲しいものです。
投稿: 自転車好き店長 | 2008年4月25日 (金) 19:52