Slipstream
Giro d'Italia 2008の第一ステージTTT(Team Time Trial)
並み居るプロツアーチームを押しのけ、Slipstreamが見事にステージ優勝を遂げた。
2007年までCSCに在籍し、2005年のLe Tour de France第1ステージITTではLance Armstrongを破ってステージ優勝しただけでなくLe Tour de France ITT史上最高平均速度記録まで達成したDavid Zabriskie等を擁しているから、スリップストリームがプロツアーチーム未満選手が集まるただのコンチネンタルチームでない事は間違いない。2008年シーズン既に「台風の目」的な存在として暴れ回っている。
それにしてもジロの第1ステージ、しかも個人技を競うのではなく「チーム力」が露骨に出るチームタイムトライアルで優勝したのは凄いことだと思う。
かつてツールでONCEとUS Postalが覇を競ったように、TTTではチームの総合力が否応なしに出る。全員の走力、チームタイムトライアル走行練習の質と量、走力の差に応じた先頭交代ロジック、監督の的確な指示、そして運。全部揃わないと強くない。例えば2005年のツールにおけるTTTで、CSCはDiscoveryChannelに勝つ能力があったが、運だけが足りなくて破れMaillot Jauneを失った。あの時Zabriskieが「直線部分で、何かに接触したわけでもないのに転倒」する謎の転倒を喫しなければ、仮に転倒したとしてもそれがMaillot Jaune保持者でしかもTTスペシャリストのZabriskieではなく他の選手だったなら、CSCはすんなりステージ優勝していた筈だ。転倒したMaillot JauneのZabriskieを待つか切り捨てるかでチーム(Riis監督)に一瞬の迷いと動揺があり、結果としては「切り捨ててエースであるBassoの総合タイム優先」を選択したのだが、この迷っていた僅か数秒間全力加速しなかったロスと、当時CSCの「TT二枚看板」の一人であり先頭を牽引する能力を十二分に備えたZabriskieの脱落によるロスがCSCを僅差で敗れさせた。
そのようにシビアなTTTで「一発カマしたった」のは凄いインパクトだ。僅差で破れたCSCなどは「やっぱりZabriskieを手放して惜しかった」と思っているんじゃないかな。突然参加が決まったばかりのASTANAは「悪くはないが好成績でもない」位置に止まった。
他にもバロワールドが5位に入ったりと、コンチネンタルチーム大暴れだ。
関係ないが、わりと男前だったように覚えているザブリスキーがいきなり鼻髭をたくわえていたのにも驚き。
何があったんだザブリスキー。表情を読まれないようにした
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