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2008年7月10日 (木)

RIDLEYの本気

Le Tour de France 2008 第4ステージ個人タイムトライアル
直前のCriterium du Dauphine Libere 2008において、TT得意のCadel EvansやLevi Leipheimerを個人タイムトライアルで抑えてステージ優勝するなど「今年のバルベルデは違う」と思わせたAlejandro Valverdeが、下馬評ではステージ優勝し再度Maillot Jauneを取り戻しても良かった筈なのに、わりとあっさり遅れてしまった。しかもあんまり悪びれてない。ツールはブラフで遅れて勝てるほど甘くないと思うので、一体何を考えているのか謎だ。周囲にも落胆の声が出ているらしい。2007年も総合優勝候補とされながらTTで遅れ、そのままいいところを見せられず6位に終わっているからだ。

2007年は僅差2位で、2008年は総合優勝する気マンマンで来ているEvansの方は、ステージ優勝とまでは行かなかったものの良好なタイムでフィニッシュし、TT世界チャンプのFabian Cancellaraを上回るステージ4位。総合狙いの上で大きな障害となるはずのValverdeに1分7秒差を付けた。このステージ優勝しMaillot Jauneを着ることを狙っている事を公言して憚らなかった(そしてその実力はあった)Cancellaraはステージ5位に終わり、落胆を隠さなかった。

ここでRIDLEYの新しいTTバイク(DEAN)が、プロトタイプ丸出しの真っ黒からきちんとリドレーカラーになって正式デビューしている。

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基本的なデザインはORBEAのORDUに似ている。特にシートステー〜シートチューブの接合部周りが。
このグニャグニャでダイヤモンドフレームとして認可が下りているのが凄いと思う。いい加減、ダイヤモンドフレームに限る規定に存在意義があるのかどうかUCIはもう一度ハゲアタマ冷やして考えてみたらどうなんだろうか。

それはともかく、特徴的なのは前後に物凄くボリュームのあるフロントフォークと、かなり面白い形をしたヘッドチューブだ。

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OVAL ConceptsのA900が世に認知させた、スリット入りフォーク。
全く同じ方式でこそないものの、このフォークもスリット入りだ。
ただ、以前取り上げた類似の製品と見れば見るほど物凄くそっくりであり、このフォークはオリジナルではないかも。(追記:両方ともOVAL Conceptsとの共同開発。)
また

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シートステーにスリットを入れるアイデアの点でも同じ。
ただしこちらはより空力を徹底し、RブレーキがBB後ろに取り付けられる最近流行りの方式だ。

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BMCのtimemachine TT01が出たときは「すげえのが出てきた」と感心したものだが、ちょっとの間に改良可能点が幾つもある自転車にされてしまった感じだ。このTTマシンも、エアロヒンジ構造でないこと、そのせいでステム周りが大変苦しいこと以外はほぼ全てTT01以上だろう。エアロヒンジは3社くらいがパテントを持っているので、良いと思ってもすぐ採用するのは難しいとかそのあたりの台所事情はあるかも知れん。SPECIALIZED TRANSITIONも半ば苦し紛れ気味に今どきの1inchコラムを採用したりした。エアロヒンジが使えるものなら使いたかったに違いない。

リドレーにはTTのイメージがほとんどなかったが、これでいきなり一線級をデビューさせてきたことになる。

総合を狙えるEvansを得て今年はチームの陣容としてもリドレー側としても明らかに本気の全力でMaillot Jauneを獲りに来ている。そのやる気が作らせたマシンだろう。

TREK、NIKE、Giro等のアメリカ企業が結集しアームストロングを勝たせようと知恵を絞った機材を開発・提供した「Project F-1」が、金を湯水のように使ったがセールス上の成功も得たように、Le Tour de Franceで総合優勝することのセールスバリューは計り知れない。TTを武器としているEvansに勝たせるには究極のTTマシンが追い風となる。ハード面でのサポートを惜しまない体制で挑んでいるのがよく分かる一台だ。

それにしてもステム周りしんどすぎ…。

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コメント

シートチューブに触れそうなエアロボトルはもうフィンにしか見えませんね。
そろそろ規制がかかるのでは?

20万の完成車に乗ってる自分にはもはや空飛ぶ円盤の領域ですね…

投稿: アストラル | 2008年7月10日 (木) 06:19

こんにちは、DEANですね。
OVAL CONCEPTと共同開発らしいです。
トライアスリートとしても注目の1台です。
http://www.cyclingtime.com/pr/ridley/02excalibur/technology.html
http://www.thefastestbikeintheworld.com/index.php?id=models

投稿: snowda | 2008年7月10日 (木) 11:06

snowdaさん、情報ありがとうございました。
注目の一台ですねこれは!
SPECIALIZEDのトランジッションよりイケてるんじゃないかと。

アストラルさん、確かにそうですね。
このボトル、フレームの形にピッタリ適合するようになっている完全専用品です。シートチューブに当たらないように「逃げ」があったりします。実態を有り体に評価すれば「ボトルと名の付いた空力向上グッズ」です。このDEAN専用設計であることを考えると以前取り上げたBontragerのスピードボトルよりも強烈で、このままボトルがエスカレートするとそのうち規制かかりそうです。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2008年7月10日 (木) 12:29

Rブレーキの位置にしてもアヘッドステムにしても既に昔存在した形式ですが、改めて見直してみるとなかなか面白い進化を遂げる物ですねぇ。

ボトルはいっその事ボトル側にケージを付ける設計にすればより整流効果があるかもしれませんね。

投稿: | 2008年7月10日 (木) 21:57

リドレー・ディーン!
私が今、最も気にしているマシンです。
ハンドリング(コーナリング)がいいといううたい文句の真偽やいかに・・・。

> それにしてもステム周りしんどすぎ…。

爆!!!

投稿: Nao | 2009年2月16日 (月) 14:01

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