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2008年9月23日 (火)

3連覇消滅(片方の)

世界選手権ロードTTを2連覇中で、北京オリンピックのロードTTでも金メダルに輝いた、ここ2、3年では個人TTを走らせたら世界一速い男、Fabian Cancellara(Saxobank)が、体調不良を理由に世界選手権を欠場する事を公式表明した。

これでCancellaraの世界選手権ロードTT3連覇は、走る前に無くなった。

かなり強い雨のレースで体調を崩したのが原因だそうなので、風邪をひいたのだろう。

ドーピング関係に詳しい人なら説明するまでもないが、いわゆる「風邪薬」にはドーピングチェックに引っかかる禁止物質がてんこ盛りなので、基本的にプロ自転車レーサーは一般的な風邪薬を飲むことが全くできない。「風邪薬も飲めない生活」と表現されたりするのはそのせいだ。仮に飲めば極めて高い確率でドーピングチェックにクロだ。

実際に風邪薬が原因で大騒ぎになった例もあるわけで、覚えている人もいるだろうけど、かつてシドニーオリンピックで女子体操のRaducan選手(ルーマニア)が風邪薬を飲んで風邪を治してオリンピックに出たはいいが、ドーピングチェックに引っかかって個人総合優勝の金メダルを剥奪された例がある。この時に検出された薬物は興奮作用があり当時も今もIOCの規定では禁止薬物だが、副作用として手が震える事があるため、自転車競技のようなひたすらパワーがあればよい運動(実際自転車競技は興奮剤の類が絶大な効果を発揮するスポーツとして古くから知られている)ならいざ知らず、極めて精妙な、それこそ精密機械のような身体操作を必要とする体操競技では手が震えるような薬品など飲めば飲むほどマイナスにしかならないため、国際体操連盟の規定では禁止薬物指定されていないくらいなのである。そんなわけで故意のドーピングに用いられたとは到底思われず、まさに「ついうっかり飲んでしまったため失格」が真相ではないかと思われる。

話がそれたが、大して効き目のない薬しか飲めない状態で回復を待ったとして、その間に落ちた体力や運動能力で出走して勝てるほど世界選手権は甘くないから、直前に風邪をひいた時点でカンチェラーラの世界選手権は終わってしまったのだろう。

本人が一番残念だろうけど、ファンとしても残念。

これでLevi Leipheimerあたりにかなり勝機が出てきたと思う。Vuelta a Espanaでも2回のTTを両方とも勝つなど絶好調だったし。

ベッティーニのロード3連覇は、まだ「あるかも」だ。

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コメント

調べてみると抗生物質は悉くアウトですね。
風邪くらいはだましだまし走っているのが現状なのでしょうか。
私も飲むのをやめようかなぁ・・・。

近々の話ではアレッサンドロ・ペタッキが喘息薬かインフルエンザ薬で引っ掛かってましたね。

投稿: 猫の郵便屋 | 2008年9月24日 (水) 01:14

まいどです。

ペタッキが陽性判定>出場停止処分>解雇になったのは、気管拡張作用がある喘息の薬ですね。

この薬は使用を事前に申し出れば使える(他にも使っている選手がいる)ので一般的な禁止薬物とは趣を異にする薬品ですが、ペタッキの場合は喘息の治療薬としての通常の使用では考えられない量が検出されたためドーピング陽性判定となりました。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2008年9月24日 (水) 12:03

ただでさえ過酷なロードの世界で、薬も飲めないとは・・・。
風ならばビタミン剤や漢方薬など回避手段にならないのでしょうか??
あれだけ超人的な体力を持つロード選手ならなんらかの改善手段があれば練習継続できる程度に回復できそうなきもしますが・・・。
もし出来ないのなら蛇の生殺しというやつですかね。
ちなみにもうご存知だとは思いますがCervelo P4発表されましたね。
http://www.sbrshop.com/aboutus/newsletters/sbrbuzz20080923.php?utm_medium=email&utm_source=buzz&utm_campaign=buzz20080924&utm_term=cerveloP4
直線と平面が増え、トラックみたいな無骨な印象になってしまった!?と思うのですが、まぁ空力ありきであるこそ出来たデザインなんでしょうね

投稿: 秦璃 | 2008年9月25日 (木) 07:19

初めまして。いつもロードバイクの記事読ませて頂いています。東京でスポーツドクターをしているMaskmanといいます。ドーピングの記事のコメントで誤解されやすい記載を見かけましたので、ちょっとコメントさせて頂きます。風邪で処方される薬で、抗生物質やインフルエンザの特効薬はほとんどが禁止薬剤ではありません。問題なのは、気管支拡張剤の交感神経刺激作用、麻薬系の咳止め、多くの漢方薬に含まれるマオウです。また、単なる滋養強壮剤も禁止薬物を含む物が多いです。トップアスリートは病気の時はたとえ風邪であってもスポーツドクターに相談すべきです。

投稿: Maskman | 2008年9月26日 (金) 17:27

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