Continuous Erythropoiesis Receptor Activator
2008年のロードレースシーン(特にLe Tour de France)を引っかき回したCERAについての「へぇ」
- 開発したのは、Tamifluで有名(?)になったF. Hoffmann-La Roche(ロシュ製薬)である。
- Erythropoietinと同じく、もともとは貧血(と腎臓病)の薬。
- 検出法が最初に発表されたのが、何と2008年の6月である。Giro d'ItaliaではCERAがあまり話題にならなかったのはある意味当然。
- しかも当初は尿検査による検出法で、検出できたり出来なかったり(検出出来ればクロだが、クロと出なければいけない筈のサンプルをテストしてみてもクロと出ない事がある)と結果が不安定だった。
- 血液サンプルによる、確度の高い検出法が確立されたのは9月。
- CERAがドーピング手法としてかなり蔓延している現状を把握し、これを嫌悪していたロシュ自身が協力して検出法が確立された。
- すぐ効果が失われる(効果1週間未満、検出可能は2週間程度)事で有名(?)だったEPOと異なり、名前に「Continuous」と付いている通り1ヶ月ほど効果が持続(EPOの例に準えば検出可能はもっと長い)する。このため、検出法が確立されてしまうと逆に一網打尽になりやすい。
今年CERAポジティブの選手が一斉に挙げられたのは、CERAの「検出が出来なかったが、出来るようになると逆にばれやすい」性質によるものと思われる。
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コメント
いつも楽しく読ませていただいています。
CERAですが、合成された、エリスロポエチンと同様の作用を持つ薬で、持続性=半減期が長い ということは、絶対に尿や血液に出てくる薬です。
ということは、クロマトグラフィーか、結合蛋白による免疫スクリーニングで必ず検出できます。
選手にそういうノウハウを求めても無駄なのでしょうが、検出されないドーピングはほぼ皆無でしょう。
たとえ、自分のエリスロポエチンであっても、ベースラインのヘマトクリット(赤血球の割合)のデータがあれば、疑われてしまいます。
自己血輸血がもっとも安全かと思われますが、それですら、ヘマトクリットの変化と、変形赤血球の割合でおおよそ想像がつくと思います。
これからさらに逃げ道はなくなっていくと思われます。
投稿: Giro | 2008年10月16日 (木) 10:53