« 貌 | トップページ | 諺の裏に哀しい歴史あり »

2008年10月29日 (水)

初めてのバーコン

ほとんどのロード乗りには縁がないグッズではあるが

Sramshifter

一応新製品の試作品。
見たとおりバーコンである。

バーコンがどうかしたのか?

と思われたに違いない。
このバーエンドシフター、今までの物と決定的に違う点がある。これ、MTBでよく使われるトリガーシフターのようにレバークリックの繰り返しで変速するタイプなのだ。後ろのイラストのような形で商品化する目処が立ったそうだ。何と3年も開発していたとか。ホンマカイナ。とすればごく少数のグループでボチボチと開発していたんだろうな。

今のバーコンの利点としては

  • 一気に多段変速(それこそ両端まで)できる。
  • レバーの角度を見ればギアポジションが分かる。

があったわけだが、このタイプには(ある程度の多段変速は出来るだろうけど)それがない。
逆にストロークに余裕が出来るからシフトは軽く出来る(筈。軽くしないかも知れない)し、常にレバーが真っ直ぐ向くので、細かい話だがギアポジションによって空気抵抗が増えたりしない。現行のバーコンだと、一番スピードが出ている筈であるトップギアの時に空気抵抗が最大になりかねない(取り付けるバーの造形にもよる)。大変細かい話ではあるのだが、細かい空気抵抗の話を気にしないならバーコンを付けたりしないわけで、そのあたりの辻褄はこの方が合っているとは思う。だからだと思うがレバーの形状としても空力を意識しているっぽい。

個人的にはけっこう前から「なんでクリックの繰り返しで変速するバーコンはないんだ」と思っていたし、そのせいで本気でMTB用のトリガーシフターをエクステンション先端に付けようかと思ったことがあるくらいなので、この商品は歓迎したい。

SRAMコンポじゃない私にはあんまり縁がなさそうではあるのだが。

ところで、もともとドロップハンドルの端に付けて使うための物であるバーエンドコントローラーを、エクステンションの先端に「逆さ向きに」付けて使うのがずっと主流になってしまって忘れられて来たのだが、バーコンはもともとは進行方向に向けて使うように設計していないのだ。エクステンションの先端に逆向き装着して使うことで、本来は肘も動かして操作できるものができなくなり、意外と不自由な操作になっている。それを使い手側が慣れでカバーしている。だからこのシフターは「今頃になって、史上初めて本当にエアロバーのエクステンション用として作ったバーコン」であると思う。このことは地味だけど快挙じゃなかろうか。どう考えてもバカ売れなどあり得ないこんな商品をイチから開発するとは、SRAM侮り難し。このような地道な開発こそお家芸だったハズのSHIMANOは反省した方がいいと思う。「やられた」と思ったならまだ見込みありだが、もし「こんなモノどうってコト無い」と思ったなら、それは単なる慢心だろう。

|

« 貌 | トップページ | 諺の裏に哀しい歴史あり »

コメント

初めてこのブログを観にきた者です。
「1★はじめにお読み下さい★」といくつかの記事を読みましたが、内容の充実さと驚異的な文章力にすっかりとりこになってしまいました。
ひげそりの記事とか、特に(笑)
-----
なるほど、これは変速してもレバーが位置が元に戻るんですね。当たり前のように思えてかなり画期的なパーツ・・・

俺はMTBにドロップハンドルとバーコンをつけて、ツーリング車に改造したのに乗ってるので、このレバースゲェ欲しいです(前向きになりませんが)

でもこれ、SRAMの最高グレードですよね?なんか赤いし(笑)
金がないからバーコンにした自分(貧乏学生です)にとっては、コストというバーコンの性能が薄れているようにも思えます(笑)
廉価版キボンヌ!って感じですね(笑)

投稿: KM-9000 | 2008年10月29日 (水) 02:00

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 初めてのバーコン:

« 貌 | トップページ | 諺の裏に哀しい歴史あり »