キメラ生物化してます
暫く前からPowerTapを使用している。
世にもアホウ希な「クランクにSRMが付いているのにPowerTapホイールで走っている謎自転車」だ。
これで遂にergomo、SRM、PowerTapと「御三家」を制覇したことになる。(制覇すんな)
惜しいのは、ergomoでスクエアテーパーかOctalink版を買っていたら
「ergomo BBにSRMを付けてPowerTapホイールで走る」
悪夢のような夢のような自転車がもうちょっとで実現していた点だ。(全然惜しくない)
どれも、使ってみて初めて分かることは当然ながら幾つもある。
ergomo
- 使えるようになるまでの組み込みが実は一番面倒臭い。
- 動くところまで行けばあとは手が掛からない。
- CPU部の多機能ぶりはダントツ。見易い上に多機能で、他とは比べるのが間違いなほど。表示項目の種類や数をカスタマイズできるCPUを純正で用意する唯一のパワーメーター。このため走っていて表示を見るのが楽しい。
- 左右のペダリング差があまりにある人が使うとデータが信用できない。
- 計測器が組み込まれているので仕方ないのかも知れないが、ただのBBとして見ると「こんな回転悪いBBなんて普通ゴミ箱行きだろ?作ったヤツは正気か?」と不思議で仕方がない。BBとしての値打ちは1000円もないと思う。
SRM
- 組み込みは多少面倒臭いが、ergomoよりは少しまし。ワイヤレスだと大幅にマシになる。
- 目が点になるほど高い割にCPUの表示がしょぼい。GarminのEDGE 705位の表示能力があってもバチは当たらない。
- クランク内にバッテリが使われているが、一定時間で死ぬ上にこの交換だけで何故かディーラー送り。その間は自腹で代わりのクランク買って使えと?ユーザーのことを全然考えてねーのな。
- 実は78DURA-ACEバージョンやFSAバージョンのPROでもクランク部だけ買えるのだが、この交換部品だけで10万円以上するので実質買えないのと何ら変わりがない。ユーザーのことを(以下略)
- なんせクソ高いので、クランクが固まってしまって換えられなくなる。ヒルクライムレースの時だけコンパクトクランクに換えるとか、そのような技がきかないので買う時に妥協すると後で絶対後悔する。
- 単なるクランクとして見て、全く問題がない。それどころかコンパクトバージョンは「アウターPCD130、インナーPCD110」と非常によく考えられていて、適材適所なチェーンリングが使える。このデュアルPCDは使ってみるとつくづく理想の形だと思う。
- 軽量化の観点で行くとたぶん一番優秀。しかも、どこか一箇所だけ重くなるのを妥協するとして、クランクが重くなるのはマス集中化や低重心化の観点から見て正解だ。
PowerTap
- マジかと思うほど重い。(マジかと思うほど高いSLCはそこそこ軽いが)
- 事実上ポン付けで使える。物凄く簡単。ワイヤレスに至っては普通のワイヤレスサイクルコンピューターと変わらないか、下手したら普通のサイクルコンピューターよりも簡単に動く。
- CPUの表示のしょぼさは図抜けたワーストで「充実できないんじゃなくて充実させる気がない」としか思えない。
- CPU部のキーアサインにちょっと癖があって、設定モードとかは取り説を読まないと絶対に分からない。2キーで何でもやろうとした弊害。
- ケイデンス表示が激しく怪しい。たぶんそんなに重視していないんじゃないかと思う。
- ハブの中にバッテリーが入っているが、変な型番のリチウム電池とか使っていないしユーザーで交換できる。使い手のことを考えていると思う。
- リアホイール以外のありとあらゆる部品に制限が無くなるので「PowerTapで行く。PowerTapでないホイール(Lightweightとか)はこの世に存在しないのだ!」と決められるならどんな機材でも使えて案外便利だと思う。
- リアハブとして見た場合、重さはともかく回転性能は十分で、このくらい回れば目くじら立てることはない。カートリッジなので金さえ出せばサードパーティ製のフルセラミックベアリングを入れることもできる。
- 軽量コンポジットホイールに色気を出す人はムリ。
総合評価
ergomo:
良くも悪くも卓上で考えた機械。そのせいでCPUの表示機能がマニアックなまでに優れ、BBの回転がゴミのように渋い。
SRM:
大名商売。優れたシステムだが、何もかも高い上に改良はいつも遅い。ただし意味のないニューモデルが出ることがなく、新型はたいてい実戦的な改良が加わるのは凄いと思う。これは沢山のプロに使われているせいでプロからのフィードバックを反映しているのだと思われる。
PowerTap:
走りながら考えたような機械。そのせいで走りながら使うものであるLAPモードが使いやすかったりする。そのかわり落ち着いて机に座って1日考えたら分かるような穴が放置されている。微妙な重さの違いによってえらいことボッタクリな価格差があるのが少し気になる。
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コメント
心拍計なんか使ったこともなく、サイコンを速度計距離計としか考えていない人間には無縁な世界ですが、個人的に一番現実的なのはPowerTapでしょうか??
ファクトリーコンプリートでもメーカーがオプションで出してるとこもありますし、まだ比較的とっつきやすいんじゃないでしょうか??
特に長距離走が好きな方にはいいですよね。
<軽量コンポジットホイールに色気を出す人はムリ。
コメントのこされてるのでご存知かとは思いますがLEWのVT-1リムで組んだ人がいますよ。
http://dogma-fpx.blog.so-net.ne.jp/2008-10-20
このホイールを「普段の足」だなんて・・・。
投稿: 秦璃@機材ヲタクw | 2008年12月23日 (火) 01:21
おお〜っ!比較記事は大変参考になります。PowerTap SL2.4を使っていますが、確かにLightWeightをはじめホイールをとっかえひっかえするのが難しくなりますね。ホイール毎にPowerTap組み込んでいたら、財布が恐ろしいことになりますし。
補足としては、CPUの設定はUSBで接続してPC上で出来るので、それほどCPUの操作性は気にならない点と、ケイデンスをメインの中央表示にすると速度表示が出なくなる点(トレーニング機器としては、パワーとケイデンス、心拍数が出れば充分ですが)の2点を加えさせて頂きたいと思います。
それから、ペダリングの変動によってケイデンスを測るというPowerTapの考え方は、机上の空論に近いかと。ケイデンス表示は別途ケイデンスセンサーをつけると(追加費用USD50前後)見違えるように正確になりますので、ケイデンスセンサーを使う事を前提としているような気もします。
以上、失礼いたしました。しかし、SRM Wirelessが欲しくなってきますね(苦笑)。
投稿: シュン | 2008年12月23日 (火) 08:41
こんにちは。
素晴らしい!
「日本で一番パワーメーターに詳しい男」という称号をlivestrongさんに送ります。
ちなみに僕はergomoユーザーでCPU部が使いにくいと思ってましたが後2つがクソなんですね…
日本でパワーメーター出すメーカーないかなあ…
投稿: cano | 2008年12月23日 (火) 20:47
秦璃@機材ヲタクw さんまいどです。
たぶん、とっつきやすさ一番はお話の通りPowerTapです。ポン付けで使えるのは大きなメリットだと思います。
なお、VT-1 RIMで組んだのは「軽量コンポジットホイール」とは呼べません。単なるカーボンリムホイールです。コンポジットホイールとは、一般的には金属のスポークを用いていないホイールの事です。例えばディスクホイールのほとんどは、軽量ではありませんけどコンポジットホイールです。バトンホイールもコンポジットホイールです。Lightweightはスポークホイール風コンポジットホイールです。
シュンさん、ワタシが書きました「落ち着いて机に座って1日考えたら分かるような穴」の一つが、まさにその真ん中の表示問題です。それとあの妙なケイデンス計測は、机上の空論と呼ぶより「試しに作って走ってみたら『コレけっこうイケるんじゃね?』とそのまんまいった」んじゃないかと思ってますが、どうなんでしょうね。
canoさん、まいどです。
ergomoのCPU部で不満ある人は、他を使ったらメーカーにカチ込みたくなるかも知れませんよ(苦笑)
SRMのも決して酷いとは思いませんけど、値段を考えたら「コレはないだろ」と思いますね。だってCPU部の値段だけでGarminのEDGE705より全然高いんですよあれ!
ちなみに日本でもCATEYEがパワーメーターを「一応」販売していますが、ほとんど座敷童と化してますね。いまどきスクエアテーパーBBのみって一体ぜんたい…。
投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2008年12月24日 (水) 10:20