Not GIANT, Not SCOTT
これはMichael Rodgers用なのだが、「ふーん」とか「去年と一緒で柄が違うだけじゃん」と思った人はチームコロンビア・ハイロードは「自転車メーカーを乗り換えている」事をすっかり忘れている!
コロンビア・ハイロードは
2008年までGIANT
2009年からSCOTT
に乗るのだ。TTでは、去年の夏にデビューしたばかりの最新設計TT用フレームであるSCOTT PLASMAに乗ると考えるのが普通だ。
ところが世界選手権ロードTT3連覇の輝かしい記録保持者であるRodgersが乗るのは、2008年突然デビューし「凄い作りだが、何一つGIANTらしくない」と話題になったこのTTマシンのままなのだ。
エアロヒンジ絡みの特許を回避するために知恵を絞って考え出されたとしか思えない、BMCのtimemachine TT01(こっちは完全なエアロヒンジだ)と並ぶ極めて個性的なステム周りもそのまま。
ぶっちゃけ「とってつけたように入っていたGIANTロゴを消しただけ」である。もともとハイロードは機材に関し供給メーカーをやたら隠してしまう傾向がある(LightweightやHED.のホイールも「HighRoad」に塗り替えてしまうとか)のだが、この自転車もスモールパーツを除きホイールからフレームからほとんど全部「HighRoadじるし」である。目立つ部品でメーカー名が消されていないのはSRMのクランクくらいか。
このTTマシン、08シーズンその物凄くけったいな外観のインパクトもあってかなり注目が集まったのだが、EUROBIKE等で展示こそされたものの、名前は「PROTOTYPE」で、GIANTの人間に訊ねても「販売予定はありません」と物凄く素っ気ない返答であったとリポートされていた。
どうやら、コイツもともとGIANTの自転車じゃないな。
そう考えると、どこもかしこもGIANTらしくない作りにも合点がいく。たぶん、チームの運営母体であるHighRoadがどこかのスペシャルな工房に特注して作って貰ったんだろう。それこそWalserであるとかSignatureであるとかの、大メーカーの製品さえ上回る特注品を作れる凄腕にだ。だいたい、エアロバーが一体成形されているステム〜ハンドル周りなど、その手のスペシャルパーツを作り慣れた工房でなければ対応しきれない筈なのだ。2008年も、その車体に単にGIANTとシールを貼っていただけなのだ。HighRoadはかつてT・Mobileだった時代にもJan Ulrich専用のWalser製TTバイクにGIANT製と全く同じペイントを施しまでして走らせていた“実績”がある。その手の偽装はこいつが初めてじゃない。
世界中のどこかでは既にこいつを実際に作ったのがどこかを特定した人もいるに違いない。
これは面白いな。
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コメント
http://www.cyclingnews.comに、チームオーナーのインタビューが出ています。
"So this year we're racing a bike made by a company that I can't disclose that's had engineering input from many of those same people and is a different bike.
投稿: ランス | 2009年2月20日 (金) 05:40