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2009年2月 1日 (日)

虎だ!虎になるのだ!!

低酸素テントにもビビったけど、これもけっこうびっくりしたトレーニングアイテム。
http://www.spirotiger.com/

似たようなグッズは前からPOWERbreatheとかあるわけだ。
でも、ここまで気合い入った電子制御のヤツまで作るか!?しかもビビるくらい高い!

単なる大リーグボール養成ギブスノリではなくてちゃんと理に適った作りなのがさすがドイツ風味なのか。

普通、深呼吸をゴーハーゴーハーと故意に繰り返し続けてしまうと、お馴染みの過換気になって目の前が暗くなり手足が痺れ、どこも悪くないのにブッ倒れてしまう(精神的に弱い人は、不安障害から自分でハァハァ息をしすぎによる自爆で過換気症状になる)。ワタシ自身はなったことがないので本当に目の前が暗くなるのかとか手足が痺れるのかは不明だが、なった人の話はそのような内容で共通しているので間違いなかろう。これは生体機械としての人間の設計ミスとでも呼べるもので、血中の酸素や二酸化炭素の濃度の恒常性を司っている神経の誤反応(神経側が、不自然な過剰呼吸に対応可能なようには出来ていない)で起きるものだから、いかなるアスリートだろうとなかろうと、そのような状況(無駄に息をしすぎ)を作れば絶対に起きる。話がそれるがこの吸気中の酸素や二酸化炭素濃度絡みの「人間の神経の設計ミス」は多く、息を1分以上止めて我慢できる(訓練を積んだ人間なら5分以上止められる)のに、酸素0%の空気をほんの一息吸っただけでも絶対に失神する(これも神経の誤反応なので訓練や気合いで防ぐことはできない)とか、意外なくらい呆気なくて脆い作りである。ゆえにSpirotigerはこの過換気症状の発生を防ぐため、再呼吸つまり自分の吐いた息をもう一度吸うシステムを取り入れることで血中二酸化炭素量が下がりすぎないようにする。ようは、過換気の治療方法としてあまりに有名なペーパーバック法と同じリクツだ。(再呼吸すると窒息すると思っている人がいるかも知れないが、1吸気しただけの呼気中には多い人で18%、少ない人でも15%くらい酸素が含まれており、同じ空気だけをしつこく再呼吸し続けない限り酸欠はない。だからマウスツーマウス法による人工呼吸も成立するのだ)

謎のでっかいリザーバーバッグはこの再呼吸のために存在し、ちゃんと肺活量に応じた大きさが0.5リッター刻みで用意されている。しかも電子制御でモニタして適正にコントロールする。これで負荷の掛かった深呼吸をひたすら続け呼吸機能を延々鍛え続けることが可能になる。深呼吸する呼吸トレーニングを普通にしてしまうと過換気でぶっ倒れてしまう危険があるが、Spirotigerにはそれがない。

HPのCMムービー内に写っている、コレをゴーハーゴーハーやりながらローラーをガンガン回している姿には正直恐れ入った。この相乗効果は凄いと思う。あえて呼吸を苦しくした状態で運動するんだから負荷はハンパではないだろう。それは加圧トレーニングが軽い負荷の割に異常に“効く”のと似ている。「ここまでヤル人間に勝つのは容易ではないオーラ」が激流のように迸っていて、道を譲らないとはじき飛ばされそうな勢いだ。

オリンピック出場級のマラソンやトライアスロンの選手でけっこう使っている人がいる。日本人にもいる。
実際効果はあるだろう。これで呼吸機能を鍛えに鍛えまくった人間に「息が苦しい」などあり得ぬと思われる。なんせ物凄く苦しい「トレーニング呼吸」を故意にやっているのだ。普通に息が吸える環境はラクチンもいいところだ。延々やり続けても大丈夫(そのための、電子制御です)なので、やる気さえあればアンパン(死語)のやりすぎで歯が溶けた馬鹿者共も真っ青のズーハーズーハーを延々やれる。それはもう怖い領域に入っているくらい真剣だ。ここまでやろうって連中には、ローラー台買うか買わないかで迷うなんざ可愛すぎて微笑ましいくらいではないか。

問題は驚くほどの値段か。特に国内価格はまさに顎が床に当たるかと思った。

しかし考えてみれば、一回海外高地トレーニングに行けばペイするのか。

スポーツって「ある一線」を超えたら途端に呆れるほど金掛かるな。

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コメント

ちょっと、、欲しいかも・・・catface

投稿: Y.Saito | 2009年2月 1日 (日) 12:23

歌手、舞台俳優、管楽器奏者などスポーツ以外を生業としている人も愛用しているみたいですね。

パワーブリーズプラスというのも出ているようです。

Amazonにもありました。
パワーブリーズ



投稿: ちわわ | 2009年2月 1日 (日) 18:34

はじめまして。Globalcyclesです。Tarmacさんのところで微妙にかすってたかと思います。よろしくお願いします。

僭越ですが、これに関連する(Powerbreatheの方ですが)最新の研究についてレビューしていますのでご参考になればと思います。http://d.hatena.ne.jp/Globalcycles/20090126#p1

これによると、これまでの先行研究では確かにTTのタイム短縮が多くなされていますが、CP(critical power)を見積もるとanaerobic capacityのみが上昇し、持久力は実は伸びていないという結果が出ています。レビューした論文では呼吸筋を鍛える目的に対する結果ですが、CO2concを調節する機能がついた上記新製品等については今後追試がなされていくものと思われます。

投稿: Globalcycles | 2009年2月 3日 (火) 13:12

つまり瞬発力は上昇するということですね。

ということは、筋肉には3種類あるといわれる。
『速筋』、『遅筋』、『中間筋』のうち『速筋』には明らかな効果があったのですね。
一番ほしいと思われる『遅筋』への効果は、今のところ認められないと。

でも、研究成果に期待したいですね。

投稿: ちわわ | 2009年2月13日 (金) 23:16

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