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2009年2月26日 (木)

偽造王子

PINARELLOの「偽造フレーム」が出回っていると話題に。

PINARELLO自身が検証してニセモノであることを特定したフレームが、少なくとも2サイズ、eBay等で出回っているんだそうな。

「本物」と比べてみると塗装が下手だったりフレームナンバーが読みづらくなっていたりと相違点があるそうだが、エンドユーザーレベルでは分からない可能性が高いとか。

ニセモノを売るのが良いとは全く思わないが、生産を東南アジアに丸投げしておいてイタリアンブランドで高く売っているんだから起きるべくして起きた事態かなとは思う。作っている人間やその実態を知る人間が

「俺たちがこの値段で作っているアレをイタリアで塗装して名前シール貼ったら、あんなボッタクリ価格で売れるのかよ!」

と偽造に手を染めるのは、従業員全員モラリスト揃いの下請けでなければ何の不思議もない現象だ。日本でも各種の偽造ネタが噴出して騒ぎになったが「バレさえしなきゃこんなボロい商売はない」式のニセモノ商売は世界中で存在して歴史も古く、東南アジア生産だから偽造が蔓延るわけではない。近世にイギリスで食品偽装が社会問題化したこともあるなど、国も民族も問わないネタだ。

この手の問題でちょくちょく指摘されるのは「偽造」に関わっているのが「本物」を作っている下請けだったりすることが少なくない、知らない人からすれば驚愕の事実だ。とても金が掛かる、カーボンフレーム成型用金型をわざわざ偽造集団が作るとは考えにくい。そこまでやって黒字にできるほど売れるとも思えない。何らかの形で“身内”が関与している可能性は濃厚だ。

多くの有名ブランドが儲け主義に走って「していることは最終チェックだけ。よそに生産させた製品を右から左へ流して儲ける、製造していないメーカー」化してしまった以上、ある意味「避けられない問題」になっていると思う。

PINARELLOのアイデンティティとなっているONDAフォークも、前はTIMEのOEMだった(この頃のONDAフォークはコラムが思いっきりTIME十八番の縞々VIBRASER模様なうえ、TIMEが特許を持っているstiff+の十字リブ補強がコラム根本に入っている)が2006年くらいを最後に東南アジア生産に切り替わっている。見た目は相変わらずグニャグニャした造形で同じだがナカミの作りは随分変わっており、乗り比べたことはないが同じ特性を持っているとはちょっと考えにくい。東南アジア生産に移行したのに安くなったようには見えず、生産コストの差額は一体何処へ消えているのだろうか。

それこそ、そのうちax lightnessとかSchmolkeの偽造パーツも出回るのか?

このへんの偽造は小さくて軽い上に単価が異常に高いから、偽造するにはもってこいだ。

だがこれらのメーカーは自前生産の筈なので、偽造するのも大変な気がするが。

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コメント

私のイタリアC社、カーボンフレームは最上級グレードで
99年当時実売価格27万円ほどで購入できました。(77デュラはフルセットで75,600円)

今の商品の価格帯は
主材料費の高騰や研究開発費・設備投資の減価償却など
製造間接費の増大はあっても総製造コストの増加には見合ってはいないし、
市場の拡大・メーカーのブランド(超過収益力)を考慮しても
『異常である』と確信しています。

ほんとーに「高いなぁ!!!」と。

不況もあってその様に思う人が増えたらばこそ
商品構成や為替差益の還元など
価格の見直しを積極果敢に行うべきではないでしょうか?

悲しいけど
キャッシュフローはきつきつ、
あっという間に事業の継続性に疑義をきたすメーカーや小売はまだまだ出てくる気がしています。

投稿: 鬼のパンツ | 2009年2月26日 (木) 14:05

知人が中国で働いています。中国は偽造大国で 

昼間は「本物の生産」、夜間は同じ設備を業者に貸して「偽物の生産」を行っているパターン

が多いそうです。
ちょっと材料を変えてしまい、後は一緒。
ロゴがプリントされているかいないか程度の差だとか。
カーボンのフレームやフォークなどは表面の化粧カーボンさえ変えてしまえば

金型は一緒、性能もほとんど一緒

の、偽物などたやすいようです。生産コストからすれば
我々からするとありえない金額でも、現地の人はぼろ儲けなのでしょう。
そのニセモノ売上がどこに流れているのかはわかりませんが・・・

投稿: 自転車が好き | 2009年2月26日 (木) 15:23

最近、Y!オークションにもノーブランドのカーボンフレームが出回ってますが、あれもその辺の類なのでしょうかねぇ?
中には粗悪なものもありそうな気がして、手は出していないんですが、値段によっては物欲に負けてしまいそうです。

投稿: ZNOM | 2009年2月26日 (木) 18:07

ax はシートポストとかだとカーボンの積層がクランプ部のみ厚くしてあったりハンドメイド臭がプンプンするので、
偽造しても一瞬でバレそうな気がします(ちゃんと作らないと一瞬で壊れる)。

投稿: info_carbon | 2009年2月26日 (木) 21:04

ONDAフォークはトライゴンがそっくりなのを出していますね。
EASTONでさえも中国製、FFWDとかも台湾のようですし、
自社製造してるメーカー教えてほしいくらいですよ。
リムですが、HED. LEW EDGE REYNOLDS が不明です。
LOOKは自社産ですよね?
テストしてジオメトリさえ出来上がれば台湾なんかのカーボン工場にやらせたほうがぼろいし確実なのは
以前LIVESTRONGさんも書かれていたような気がします。(ジャイアントが好きか嫌いかはともかく製造能力はトップクラスだ、とか
まぁ、逆を言えば日本の中小企業も隣国に優秀な製造メーカーがあるからこそたとえばCEEPOのような優れたブランドがぽっと出たりするんでしょうけどね。
それにしても日本はボッタクリのような気がします。
円高とはいえ日本の定価の半額以下で買えるEASTON WHEEL・・・。

米ドル圏なり英ポンド圏なりからの個人輸入が流行ってますが、(馬鹿みたいに安い)
その価格から原価を想定すれば今の量産OEM化された工業製品というのは本当にぼってますねぇ・・・。
まぁ、信頼性やら製品の情報やらほしいからこそ人々はネットで買わず量販店に行くわけですから、
付加価値、+αがほしい人にはそこは譲れないでしょうねぇ。
一方程度がある程度知れてる人はリスクがあれど安い通販でバラで買ってショップに組立依頼だけするんでしょうね。(そういうひとは大抵自分で組むんでしょうか??

廃れる大手ブランドもあれば新興の小さなブランドも細かいのがたくさん出てきていますよね~。
それも台湾という世界のカーボン工場があるからこそなんでしょうか??
もうなんだろう、どこもかしこもInterMaxやスペシャ化してますね。
メーカーというのは名目上便宜上で中身は企画問屋、「自社製造していません!!スペシャやInterMaxみたいに企画だけしてほかで製造だけさせたほうが安上がりです!!」
そのもののような・・・。
もしくはシマノみたいにハイグレードのDURAだけ自社生産で、下位グレードは製造委託(OEM)ってことですねwww
そう考えれば話は早いような・・・。
でも台湾にあるジャイアントは間違いなく「自社製造」ですよねwww

投稿: 秦璃 | 2009年2月26日 (木) 21:32

そういえばスペシャライズドのフレームにも偽造品が出たとのこと。
スペシャとかジャイアントあたりは適正価格で売っていると私は思うんですけどねぇ。

投稿: Y.Saito | 2009年2月26日 (木) 21:55

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