いぬ
nokonのカーボンアウターが割れすぎていよいよアウターの長さが足らなくなった(笑)のも丁度良いタイミングだったので、改装実施。
以下のような感じになった。
ホイールはサービスカット(笑)で、普段からこんな大層なホイールで走り回っている訳ではない。
前まではこんな状態
だった。
一番違うのは久々にドロップのあるブルホーンに変わった点だろう。実際、それ以外は「極力同じままで、ファインチューン」を重視したため、やり直した場所の数ほどには変わったように見えない。ワイヤリングもかなりやり直したのだが、既に内蔵方式へ改造しているので中をやり直しても見た目は一緒だ。
06〜07年にプロの間でゼロドロップのブルホーンが流行ったりした関係もあってなかなかナイんですな、ドロップのあるエアロブルホーンは。
丸パイプ曲げただけのヤツならある。SyntaceのSTRATOSなどはドロップが3段階選べるブルホーンの定番だし、ワタシ自身過去使っていた。長いことBlog左上に貼りっぱなしの画像にもSTRATOSが写っている。が、ちゃんと空力を考えた翼断面形状のものでドロップがあるタイプとなると、これがほとんど売っていない。
OVALのA911が該当する(ドロップ80mm)が、高すぎて話にならん。なんせ世界一高いエアロバーだからな。
そしてワタシが探した限りでは、恐ろしいことに「他には無かった」のである。せいぜい30mmまでの「気持ちドロップ気味」なモノ以外は。ドロップ量が稼げるタイプは必ず「パイプ曲げただけ」になってしまうのだ。
ハンドルの適合はポジションによって激変するので一概に決めつけるのは愚かで何の意味もないことだが、ドロップ量がほとんどないブルホーンを使うと、エクステンションから持ち替えた時に物凄く上体が「起きて」しまう。これはワタシが「ゼロドロップのブルホーンなどゴミ(オレには)」と前から思っている大きな理由で、実際プロツアーのTTを見ていてもゼロドロップもしくはそれに近いブルホーンを使っている選手の多くは腕を折畳んで実に窮屈そうな感じで前傾姿勢をとっている。当たり前だ。体は起きれば起きるほど空気抵抗が増えるんだから、上体をガバッと起こすなど「エアブレーキ」をかけているようなものだ。そこで腕をキュウクツに畳むくらいならなんで初めから前傾姿勢がとりやすいバーにしねえんだ?で、見ていていつも「なんでやねん」と内心ツッコミを入れていたものだ。ハンドルバーの形状そのものとしては物凄く正しいと思っているNew 3TのVENTUSに全然食指が動かないのも、ステム一体型で落差が稼げないからポジションが出ないのが分かっているのと見事なゼロドロップだからだ。
もちろん「そんなに使うモンじゃないだろ」意見も当たっているとは思う。
TTの場合、仮にほとんど平地のコースを走ると全走行時間の95%くらいはエクステンションを握りっぱなしである。ブルホーン部分はエアブレーキになってさえいなければ何でも良いとするのもあながち間違いではない。
間違いではないが、コーナリングの時や加速時に使うのもこれまた間違いない事実なのだ。
「お前はほとんど使わないものにこだわるのか?」
とする指摘は正鵠を射ているが、人間と自転車はサドル、ハンドル、ペダルでしか接していないのにハンドルがどうでもいいとは信じがたいほどアバウトな話だとワタシは思う。
多数派とは到底呼べないとしても、さすがにこのこの事に気が付いた人間は何人か居たようだ。
Walser謹製の「Bar 2」は、数字が分からないがはっきドロップがあったり幅380mmが選べたりと「さすが、何もかも分かってるぜ」と思う。ただしコレはオーダー製作品なので納期が長いし値段も高い「素人さんお断り」系商品だ。
RITCHEYがドロップ60mmのフルカーボン翼断面形状ブルホーンを08年のEUROBIKEで発表した。が、残念ながらモノはまだほとんど出回っていない。
それより先に、かつては市販化がトロい事で定評あったのに最近は物凄い勢いで新製品を出しているHED.からドロップ70mmの「Black Dog Drop」が、発表したと思ったらもう出回り始めた(ゼロドロップの「Black Dog Flat」もある)ので「こっちの方がRITCHEYより空力でもドロップ量でも上」と採用決定した次第だ。エアロブルホーンにしては幅がありすぎる(420mm)気がするが、それ以外はほぼ理想通り。Vantage 8を更に強化したような猛烈に薄いNACA断面はビビビと来るし、ブレーキ一体型のグリップまでがよく見たら涙滴形状にしてあるのも恐れ入った。ブレーキレバーそのものもハンパじゃなく細い作りで、さすが空力で商売してるメーカーの商品だ。そのわりにちゃんとリターンスプリングが使われていたりして機能を犠牲にしていないのも感心した。HED.のエアロバーはフルカーボンでもヘビー級だったが、急に軽くなったVantage 8路線を継承して軽量。ブレーキレバーまで込みの状態で630gはHED.でなくても上出来の域だ。エクステンション部の調節範囲が非常に広いことと併せ、装着初日にして「やっぱコレでなくちゃ」と思った。もっとも、いくら無駄遣いが多いワタシでも$900もするハンドルで出来が悪かったら頭から湯気の一つも上がるだろうが。
ハンドルの重要性を考えれば、Walserのようなフルオーダーハンドルは本来奇異なモノでも何でもないと思う。それに「あれでもないこれでもない」と取っ替え引っ替えしていると結局大枚が失われたりするからだ。実際、ワタシがエアロバーに使ったお金を合計したらそろそろA911が買えそうでヤバい。何やってんだ。
とにかく、余程の何かが無ければエアロバー周りはBlackDogで決まった感ありだ。正直ほっとした。
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コメント
こんにちは。
H3Dにワイヤー内蔵工作、凄いですねw
写真に見えるボトルケージはまさか例の自作ボトルのですか?
投稿: nYolo | 2009年3月25日 (水) 22:08
ハンドル位置の規定に、「ハンドル下端は車輪上端より低くなってはいけない」みたいなのがあった気がするのですが、プロがゼロドロップを多用しているのはそのせいではないでしょうか?
手元の雑誌にエバンスのTTポジションが真横から写っている写真が載っていますが、これでブルホーン部分のドロップが大きかったら多分グリップが(少なくともブレーキレバーは間違いなく)車輪上端より低くなりそうです。
投稿: アンタレス | 2009年3月26日 (木) 00:21
個人的にはドロップの小さい(無い)ハンドルに腕を畳んだ姿勢の方が、ドロップの大きいハンドルに腕を延ばした(肘を軽く曲げた)姿勢より空気抵抗は小さくなる気がします。
オブリーポジションみたいな感じですね。
ドロップハンドルでも下部分を握って上体を低くするよりも、ブラケットを持って腕を畳んで上体を低くした方が空気抵抗は低いらしいです。
TTではブルホーン部分はスタートとコーナー(とゴール前)くらいしか使う場面がないですから
一番の問題は上記の姿勢からくるコーナーでの操縦性かと思います。
ゼロドロップのハンドルで腕を畳んだ姿勢は曲がりにくいです。テクニカルなコースだとドロップの大きいハンドルの方が操縦しやすいですね。
コーナー曲がるのに空気抵抗と操縦性どちらに重点を置くか、ロードレースではどうでもいいような事でもTTでは気になってしまいます。
投稿: とある地方の自転車海苔 | 2009年3月26日 (木) 17:01
グリップ位置が低くなると、その分空気抵抗が増えるのではないでしょうか?
まぁほんのわずかですが。
ゼロドロップと比較すると、ドロップしている分のバーの長さと、ひじを曲げている状態から伸ばした状態の腕の分です。
コーナリングやダンシングする時間はほんの少しですから、ひじを曲げて窮屈な姿勢でも我慢して、少しでも空気抵抗を減らそうという考えもできますよね。
投稿: つくだ | 2009年3月26日 (木) 17:25
最近、kijafaさんにハンドルセットを作ってもらえないかと思って連絡を取ってます。アルミですが。
投稿: はぎわら | 2009年3月31日 (火) 16:07