Valverde 大ピンチ!
スター選手の一人、CAISSE D'EPARGNEのAlejandro Valverdeが大ピンチである。
Operacion Puertoで押収されたEufemiano Fuentes医師の暗号顧客リスト(Bassoの暗号名であった「ピリッロの友達」が書かれていた事でも知られる例のリストだ)の中にクサいものがあったため以前からFuentesとの関与を疑われ続けてきたValverdeだが、決定的証拠はなかったため、ずっと「単にクサいだけで白」とされてきた。が、この大捜査勃発時にFuentesから押収された血液バッグの中に、ValverdeとDNA一致するものが見つかったそうだ。
そこでCONI、イタリアオリンピック委員会は2009年2月にValverdeを召喚・聴聞していたのだが、この度
Valverdeに2年間の出場停止処分要請
がCONIの答えとして出た。つまりCONIはValverdeを「クロ」だと訴え出た。
コレはマズイ。Valverde檄ヤバ危機一髪である。
Valverde側は事実無根でCONIの職権濫用であると抗議しているが、Fuentes医師が持っていた血液バッグがDNA鑑定の結果としてValverdeのものであると確定したなら、Valverde側に出来る対抗措置などほとんどないのではないか?相手はFuentesである。ドーピング施術医師としてのFuentesの“最得意分野”は、まさに血液ドーピングの類であったと記憶している。そのFuentesがValverdeの血液の入ったバッグを持っていたのなら、そりゃあもう決定的証拠である。Fuentesが血液を持っていたとはっきりした一流プロスポーツ選手が「オレ知らんもんね」ではたわごともいいところで、どこにも通じない。「献血したんだよ」とハリウッド映画なジョークでも飛ばしたいところだが、CONIやUCIの誰も笑ってくれないだろう。
かつてOperacion Puertoが持ち上がった当時、関与を疑われ追放された有力選手の一人であるJan Ulrich(Fuentesから押収された血液バッグの中に「Jan」と書かれたものが存在していることが早い時点で見つかったり、Fuentesのメモに「6月の祭りの協力者」として「Jan」の名前があったりと、極めて不利な状況であった)は、チームから「無実を証明するためのDNA鑑定」を要請されたが、頑なに拒んだままチームを追放され、その後「自分は無実だ」と発言するだけで積極的に無実証明を行おうとしないUlrichと契約するチームはどこも現れず、そのまま引退となった。DNA鑑定で逆にクロと出てしまったら言い訳の余地がない証拠となってしまうのでそれを避けたのかも知れないが、Ulrichはもうプロスポーツ選手ではないので真相は本人が突然喋りでもしない限り謎だ。
聞きかじり情報に基づいた勝手な憶測でUlrichやValverdeのGUILTY/Not GUILTYを推定する愚は避けるが、少なくともValverdeはいま絶体絶命だ。
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コメント
いつも興味深くブログを拝見させていただいております。
あらゆるスポーツで出てくるドーピング問題ですが、個人的に最近のロードレース界では特に酷いと感じます。スポーツは競技者の才能と努力の成果がぶつかり合うからこそ、観衆に純粋な感動を呼び起こすことができると思っていますが、ドーピングはその感動を根こそぎ奪ってしまう行為だと私は思います。悲しいことにドーピングに対する締め付けが強くなるほど、いかにしてばれない様にドーピングを行うかという方法も多く考えられる傾向にあります。プロは勝つことが仕事ですが、その手段にドーピングを用いてスポーツ自体の地位を低下させては本末転倒です。スポーツが素晴らしいものであるために、競技者モラルの更なる向上を願うばかりです。
投稿: フラ | 2009年4月 6日 (月) 18:24
おひさしぶりです。
なんつーかまだでるかって感じですよね。Fuentes医師自身がなんか「釣り」というかおとり捜査というか、そんな類だったりして。
自己輸血は陸上とかでもやってるという話を聞きました。ばれにくいですからねえ。
ある人と先日話をしていて日本人ほどドーピングしない国民はいないと言っていました。日本人はなんだか知らんがドーピングしない
ので逆説的にドーピングに甘い環境になってるらしいですね。アメリカ・ヨーロッパだと「犯罪」ですからね。某格闘団体の選手がアメリカで調子悪かったり、外国人プロスポーツ選手がいろいろやったりするのは日本がある意味天国だからなんですね。日本だと「けしからん」の一言で終わってしまうけどひょっとしたらヨーロッパの通はそういうのも盤外戦として楽しんでたりするんですかね?まるでプロレスの裏情報みたいに。
投稿: cano | 2009年4月 8日 (水) 01:36