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2009年5月21日 (木)

ステージ12

開催中のGiro d'Italia 2009は、中盤最大の山場、第12ステージ個人タイムトライアルを迎えた。

このステージ12でFabian Cancellaraが出走せずリタイア。山が不得意な彼は勝機がないTTで消耗するのは無益と判断し、Le Tour de Franceの準備に専念するそうだ。

60.6kmにも及ぶ距離の中で2つ山を超える難コース。とんでもない激坂があるわけではないのだけど、坂を登っている区間が長くて平坦部分が少ない。

走っている最中は勿論、走る前から知恵を使わされる。

何故なら長い登りが入る上に長いこのコースに一体どんな機材で臨むか、の僅かな選択ミスも呆気なく勝敗を左右してしまうからだ。距離が長いため、並レベルではミスと呼べないほどの些少な機材選択ミスが総合順位を呆気なく左右する。今やトップクラスの選手たちは「スタート〜ゴールで、自分が出せるパワーを余すところ無くキッチリ出し切って走る」など普通にやってのける。そのようなトレーニングをみっちり積んでいる(Carlos Sastreのようにそのようなトレーニングが嫌いな「野性派」選手も未だに存在し、また案外活躍したりもするが)からだ。とすると機材(含、それによって生まれるフォームの違い)とコースのミスマッチは致命的なブレーキとなりうる。

走るのは選手の仕事だが、戦略の部分でミスをする/しないはまさに監督含めチームの能力にかかっている。走ってからやっぱり間違っていた、じゃあまるでド素人だ。選手の適性・脚質も見極め、何を重視し何をどこまで捨てるかの勝負だ。このTTは馬鹿力さえあれば勝てるほどユルくない。個人TTだがチーム力も試されるステージだ。ほとんどのチームは、いわゆるTTマシンを引っ込めてノーマルな車体にクリップオンバーを装着してくるものと見られているが、登りに勝負ポイントを絞りきってクリップオンバーなしで走る選手も出るだろう。

ステージ11でLeipheimerが付き切れてしまうほどの快走(怪走?)を見せたArmstrongはどんな走りを見せるだろうか。


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