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2009年5月 4日 (月)

完成形か、袋小路の予兆か

デビューしたて、今のところCancellaraただ一人だけライディングしている謎のTT用自転車
ちょっとづつ全体像が見えてきた。

当代随一のTTスペシャリストが、世界でただ一人だけ駆っているのだ。注目が当然集まる。

だがSPECIALIZEDもそれなりにブロックしている?らしく、細部までキッチリ撮った映像はなかなか見つからない。

やはりSPECIALIZED TRANSITIONとは設計思想が相当違う。

「TIME RXRに、COLOMBIA HighRoadが使っているTT用自転車のフォーク/ハンドル回りを付けた」

ような作りだ。真横からの写真を見る限り、エアロヒンジである事がほぼ間違いない。そして「そのためのエアロヒンジ構造」だから当然っちゃ当然だが、RXRよりもヘッドチューブ回りの空気の流れが断然綺麗になっている。正面からだといっけんヘッドチューブがぶっといように見えるが、ヘッドチューブ(と呼ぶよりもフォーク若しくはステム相当部)の前端からダウンチューブ/トップチューブ合成部の終わりまで綺麗にNACA断面で流れており、これは見た目の投影面積よりも遙かに空気抵抗が少なく、フロントブレーキキャリパーがフォークに隠れてしまっている事も含め、ヘンにヘッドチューブに“ツノ”付けてみたりする悪あがきよりもずっと綺麗に空気が流れそうだ。

逆にフロントセクション以外はTIME RXRとほとんど同じ設計思想で、目新しさはほとんどない。TRANSLINKふうのシートチューブといい、これはもう現行ルール内でやる限り、アイデアの段階では色々案が出せても結局はこのような形に行き着いてしまうのかな。とちょっと寂しい。

つまり、基本的なレイアウトに自由がない中で開発をサポートするテクノロジーだけが飛躍的に進化した事によって、理由のないカンだけに基づいたカタチは走る前にシミュレーションや風洞実験の時点で否定され「あるべき形態」が急速に“煮詰まって”きているのだ。これ以上の“画期的改良”はたぶんムリ。落ち穂拾い的な欠点潰しか「〜の方が良いと分かっていてもあえて目を瞑った事が生んだ、見た目は個性のように見える実は妥協」しか残って行かないように感じる。

TRANSITIONはあれでもそれなりに独自性がいくつか散見されたのだが、このプロトではそれらすら消えて「他のTT用マシンのよさげな部分を合成することに、より非情に徹した」徹底的キメラ自転車になった。各社でこのような合成が何世代か続くと、しまいには製造会社が違うだけの大同小異製品が並んでしまいそうだ。

面白かったのは、Cancellaraが自分のiPhone?と思われる携帯電話でこのTT自転車を自ら撮っていたこと。
相変わらずお茶目さんである。

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コメント

http://www.velonews.com/にある程度写真が出てましたよ。
GIANTに似ているような気もしますが・・・

投稿: Snowda | 2009年5月 9日 (土) 09:42

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