燃料でありオイルでありタイヤでありボディでありエンジンである
走る競技において「好きなものを好きなように好きなだけ食べて強くなった選手」は居ない(注)に違いない。
人間にとって食事は、エネルギー源であり体を形作る原料であり各種調整機能を働かせる源でもあるからだ。
喩えれば、燃料でありオイルであり、タイヤやボディやエンジンの材料でさえある。
ただ単に心臓が動いてそこらへんを徘徊できればO.K.とするならともかく、自分の肉体で何か成し遂げようとする時に、これだけ担っているものがいい加減でも大丈夫と考える方がどうかしている。
人間は、多くの人が漠然と信じているほど本能を維持していない。むしろほとんど残っていない。
社会生活している人間の食は本能などではなく、社会習慣である。
人間は目の前に山ほど可食物があっても平気で餓死してしまう相当おかしな生物だ。
太る原因は、体質の遺伝よりも“食習慣の遺伝”の方が遙かに大きい
とされるほど。
間食する習慣の家庭で育つと間食する人間に育つし、炭水化物ばかり喰う習慣の家庭で育つと炭水化物ばかり喰う人間に育つ。お好み焼きをおかずにしてご飯を食べるのも、そのような習慣の家庭で育てば何ら違和感などない。日本にだって虫を普通に食べる地域はいくらもあるが、食べない習慣の人にとっては「ウゲ〜」となるわけだ。ようはどんな習慣の環境で育つかだけの問題。当たり前のコトだ。大人になってから育った環境の訂正はできないが、よほど意思が弱い人間でない限り、自分の意思があるなら習慣は変えられる。
繰り返すが、燃料でありオイルでありタイヤでありエンジンでありボディなのだ。点火系とかにも関与している。大事でないワケがない。そのあたりをちゃんと研究している人の研究成果を見ると、素人には「目ウロコ」な部分が少なくない。ほとんどの人にとって食とはただの習慣であり、ようは「理由は深く考えず、何となく前はこうだったからと続けていること」だ。調べてみたらムチャクチャだったりすることがあっても何の不思議もない。逆に自然のまま理に適っていたりもする。
上掲「アスリートのための…」は、かなりハイレベル。なんせこの本で呼ぶところの「アスリート」とは、インカレや国体に出場し順位争いに絡むような人だったりオリンピック出場を真剣に目指している人若しくはプロスポーツ選手を指していて、単なる運動好き程度ではアスリートとは呼ばないのだ!(笑)
そのような人向けに書かれた本だが、パンピー(死語)には役に立たないのかって、立つね、全然。この世には学べない本があるのではなく、学べない人がいるだけだ。「学べない人」は、どんな有り難い説法からも何一つ学べない。むしろ「ハイレベルな話だとこうなんだから、もうちょっとレベル落としたらこう」と使いやすいとすら思う。何事もレベルを下げるのはカンタン(段階的にアバウトにすればよいだけだ!)だが、上げるのは素人判断じゃムリ。何故なら何が大事で何がどうでもいいのかの判断は、高いレベルから下げることはできても逆は出来ないからだ。
「戦う身体をつくる…」の方が、より卑近な内容。
探せばもっとある。それこそ山のようにあるが、大事なのは本を読んで頷くことじゃなくて実際にヤルこと、しかも三日坊主どころか何年もずっと続けるコトなのであれもこれもと挙げはしない。
もちろん、やらないのも自由。
なんせ結果は全部自分持ちだ。
人には「日清やきそばU.F.O. ビッグ」を毎日食う自由だってあるのだ。
そんな凄い食生活をしたらどうなるかは知らんが。
注
2008〜9年前後の陸上100m走でブイブイいわしているボルト選手は、好きなモンを喰っていると自称し各界に衝撃を与えている。
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コメント
こんにちは。
「体にいいものは大概マズい」という真理に気がつくとゲンナリします。
自分で料理を作る人はなにが入っているか判るのでいいですね。ごまかしようがない。ケーキ焼いたり、黒豆とか煮るとき、オイオイってツッコミたくなるような量の砂糖がはいってるのは料理やらん人にはわかんないですから。
万人受けする旨さでアスリート向けっていうのはあまりないような気がする。胸肉、ササミ、脂を落とした肉、低脂肪牛乳、雑穀入りの飯どれもうまくはない。さらにプロテイン、BCAA、コンドロイチンも当然ながらうまくない。補給食の饅頭くらいだ、うまいの。
投稿: cano | 2009年5月24日 (日) 02:10
canoさんまいどです。
まさにそのへんは本人しだいですね。
「おいしさ」を何でもアリのアルティメット勝負で果てしなく追求して客にアピールする既製食品に慣れきってしまうと、味にインパクトがないともう食べられない。
ここ数年でやっと成分表示が定着して来ましたが、いざ成分表示を見ると「これは食えたもんじゃないだろ」な食品がいかに多いかに驚きますよね。ヤマザキのパンとか、多くのコンビニに置いてありますけど成分表示書いてないのがほとんどなんで未だに一度も食ったことないです。到底書けないほどジャンクな内容なんでしょうか?
味に関しては、ワタシは粉末のアルギニンを粉末のままで口に放り込んでも大丈夫な変人なので大抵のマズイ系は大丈夫です(笑)
投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2009年5月24日 (日) 07:10
本当に自分持ちなんで、色々試せて面白いっちゃぁ面白いんですけどね。
その結果として、"ツケって回ってくるな"っていうのが感想の大部分を占めますね。
そのくせ食に関しての努力をしても期待ほどの結果は出ない。
だからといって努力をやめるかと言われればやや食い気味でNOと答えますが。
投稿: POLA-MIN | 2009年5月24日 (日) 22:16
LIVESTRONG 9//26さんこんにちは。
『ヤマザキのパン』についてですが、以前『これは食べてはいけない食品100選』のような記事にヤマザキのパンが有りました。
なんでも、保存料かなんかの含有量が多いとか。
他のメーカーのパンが記載されていなかった(記憶が確かなら)ので、
相当ジャンキーなんでしょうね。
僕もヤマザキのパンは食べない様にしています。
医学的に
物を食べる事自体が体に毒で、細胞の老化を促進しているとの見解もある様です。
実際、何年も不飲不食を実行している人の細胞は年齢より数十歳若いとされる分析結果もあります。自分の体内で必要な栄養分をつくり、吸収するらしいです。
至って健康で内臓の活動や血液検査でオールクリアしている人もいますが、日常生活ではそれでよくても、スポーツの分野では寝言は寝て言えですが。
投稿: Lightweighter | 2009年5月25日 (月) 00:57
こんにちは。
livestrongさん
ヤマザキの菓子パンは毎日食うと具合悪くなりますよ(経験談)。スポーツマンじゃなければあれ一個で一食分以上のカロリー取れますから。糖尿病メイカーです。油と砂糖と小麦粉の悪魔的ハーモニーです。
ただ100円以下、30秒以内に500カロリー以上取れるのはヤマパンしかないような気がします。LSDを長めにやるときは結構重宝します。
米、うどんだとうんざりするほど食わなきゃいけないので。「ロードレーサーは旨い昼飯を食うという喜びを犠牲にしなきゃいけない」とヨーロッパでは言われてますよね。イタリア人とか大変だろうな…
投稿: cano | 2009年5月25日 (月) 02:30