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2009年5月25日 (月)

チームオーダー

昨日のGiro d'Italia 2009 第15ステージで、近年あまり見られなかった「チームオーダーが原因で、相手チーム選手の単独逃げ切り勝利を許す」珍事があった。

cervelo TestTeamのアシストSerge Pauwelsが、DiquigiovanniのLeonardo Bertagnolliと2人で完全に逃げを成功させた状況下で、cerveloはPauwelsにチームオーダーとして「ペースダウンしてエースSastreを待ち、その後Sastreを引いてBassoとのタイム差をゼロに」するよう指示。Pauwelsは「ジロのステージ優勝」がかかった状態での故意のペースダウンに当初かなり異議を唱えたようだが、最終的にプロとして狙えた勝利を放ってペースダウンし、みすみすBertagnolliの独走を許す。しかしわざわざ下がったPauwelsがSastreと合流した頃にはBassoの逃げは潰れており、Pauwelsは完全に“無駄死に”となった。

cervelotとしては獲れたかも知れないジロのステージ勝利の目を自分で0%にツブした事になり、そうまでして何とかしたかったBassoとのたかが11秒の差を追えないSastreだったか?と思うとこれも疑問。Bassoにハシャがれたら困るのは他のトップクラスの選手も同じで利害関係は一致しており、Bassoが頑張れば頑張るほどトップ選手達は協力して追うことになるからだ。そして実際Bassoの逃げはアシスト選手が一人加わるか加わらないかと全く無関係な協力しての追い上げによって案の定ツブれた。予定調和の無駄死にだったと評価されても反論できないくらいの状況の読み間違いだろう。

ただ、Sastre自身かつてVuelta a Espana等で狙おうとすれば狙えた勝利をあえて捨ててチームプレーに徹してきた苦労人だ。しかも性根がいい人だから自然とそうして来たのではなく、本来の性格は相当なヤンチャ坊主なのにプロとしてそれをキチッと抑えて“仕事”をしてきたプロフェッショナルである。cervelo TestTeamのSDが出した「カルロスはそれくらいのサポートを受けるに値するだけの実績を10年のキャリアで積み上げてきた選手だ」声明は間違っちゃいないとは思う。エースのために自分の勝利を捨ててでもチームに貢献する地道な山岳アシスト職人生活を10年ほども積み上げてエースの座を掴んだSastreにすれば、チームオーダーを無視するアシストがいるなら「待てやコラ!」となるだろう。

これが「ミス」かどうかはワタシは決めない。何故なら采配ミスかどうかは、監督自身が一番イヤってほど分かっているだろうからだ。誰に肯定して貰っても、表向きどんな理屈で正当化できてもだ。

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コメント

はじめまして。いつも興味深く拝見してます。
決して揚げ足取りのつもりはありませんが、

>勝利をあえてでも捨ててチームプレーに

この部分ですが、

あえて捨ててでも、もしくは捨ててまでも、ではないでしょうか。

投稿: ridley乗り | 2009年5月26日 (火) 01:33

ridley乗り さんありがとうございました。
他にも気に入らない部分があったので加筆修正しました。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2009年5月26日 (火) 11:51

パウエルはサストレと合流するほど下がりませんでしたよ。

投稿: dddd | 2009年5月26日 (火) 19:28

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