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2009年6月19日 (金)

50じゃない。0か100だ。

SKIL SHIMANOが、Le Tour de France 2009に出場する選手9人のうち、最初に確定した6人を発表した。

その中にFumiyuki Beppuの名前はなかった。

一次選考に残った12人のうち、残る6人であと3つのワクを争うことになる。
別府史之選手が出場できる確率は、75%から50%に下がった。

だが、そのような「確率」は大した意味のない“机上の数字”に過ぎないことは、前回も書いた通り。

実は、50%じゃなくて100かゼロなのだ。

このような席は“獲る”もんだから、まだ確率は半分残っているとか思っているヌケ作には死ぬまで掴めないキップなのだ、きっと。

別府選手の戦歴を見ている人間なら、今のところ別府選手が一番“輝いて”いたのが2006年前後であったのをうすうす感じているのじゃないかと思う。2007年にDiscoveryChannelが解散してからはどうも「別府ここにあり」を見せつける場面が減っているような気がする。ただ、仮にDiscoveryChannel(=Tailwind Sports運営のチーム)が存続していたとして、別府選手がずっと所属していたと考えたら、それはそれで逆に「チームがあまりに強豪すぎて9人の枠には入れそうにない」感じもある。

今回の件も、出世魚よろしくトントン拍子でプロツアーチームBBox Bouygues Telecomと契約するまでの選手となり、しかもプロツアーチーム所属1年目でサックリと「ツール」出場の座まで、9人のうち最初の6人の枠に入って堂々と勝ちとった新城 選手の“勢い”をイヤでも感じさせるエピソードだ。Bouygues Telecomは確かに総合優勝とかに絡んでないチームだけどステージはそれなりに獲っているし、あのTom Boonenをコカイン騒ぎを起こすまではエースとして本気で呼ぶ気で契約の話をツメていたくらいのレベルでチームを運営している。こいつちょっと面白そうだから出してやっか程度で“ツール”に出してくれるほどアマくはない。ようは、新城がホンモノだっただけだ。

別府選手に準えるならば、2006〜7年くらいにもうひと頑張りを見せて光ってみせて、そのままの上昇気流で2007年のうちにビッグレースに出てしまう必要があった。実際、当時別府選手はDiscoveryChannelのVuelta a Espana出場選手候補リストには入っていたのだ。

そこでうまく上昇気流に乗りきれなかった別府選手と、人生で一番“ノって”いる時につまらない寄り道や躓き一切なしで一気に真っ直ぐ最短距離を歩む幸運にも恵まれた新城選手。二人を分けたのは僅かな違いだとワタシは思っている。2006年頃の別府選手は「誰も全然かなわない、勝ち方がうまいから勝ったようなレベルじゃない図抜けた強さの日本チャンピオン」だった。全日本の為に帰国し、ロードTTじゃ熱が出てるのに優勝し、ロードでもチームメイトなど一人もいないなかブッチギリで勝ってみせた。「うわー。プロツアーチームに呼ばれるような選手はやっぱ全然モノが違うわ」と思わせる走りが彼にあった。その一番ノッていた頃、一気に上に行ける幸運が彼には訪れなかった。

たぶん、別府選手自身がそれを分かっている。だから2009シーズン初頭のインタビューで「たとえ、そのせいでキャリアが縮まることになってもツール出場を狙いたい」等と話していたんだと思う。このまんまダラダラと「日本人としては十分いけてる方の、そこそこのプロ選手」として走り続けてしまうと、きっと今後加速度的にツール出場からは遠ざかってしまうだろう。

残る3人が発表されるのは6月29日。そこにBeppuの名前があることを願いたい。

日本人選手二人が“ツール”の場で競演。
素晴らしいと思うのだ。

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コメント

初めまして.
泣かせる文章です.

勝負の世界には0か100しかないのは自明の理なのですが
日本のプロと言われている選手(すべてのスポーツジャンル)で
それが分かっているのはホンの一握りとしかいえないのが
日本の現状でしょうか.
国内にいるば居心地の良いぬるま湯からは出られなくなるかも.

自分を含む一般社会人にも耳の痛い警句として胸に留めておきたいですね.

投稿: だいじゅ | 2009年6月19日 (金) 21:40

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