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2009年6月17日 (水)

7連覇の英雄、ロードレースを語る

「ロードレースをやるにはどうしたらいいんでしょう?」
このシンプルな問いに対して、元世界トップクラス選手が書いた解説書の、貴重な訳本が出版された。

Kellyはなんせ現役時代「イギリス(アイルランド)の至宝」とまで呼ばれていた人間だ。Paris-Nice 7連覇の大記録(今も破られていない)とか、Maillot Vert獲得4回(当時は最多記録)とか、UCIランキングで5年連続1位(当時かのBernard HinaultやGreg LeMondが現役だったが、Kellyはずっと彼らより上だった)とか、Paris-Roubaixも2回獲ってるとか、山は苦手なスプリンターだったのでグランツールの総合優勝狙いは厳しかったがそれでもVuelta a Espanaを1回総合優勝しているとか、紛れもなく世界のトップで戦っていたホンモノ。見てきた世界も見えたモノも当然常人とは全然違う。その意見が載っている。

その超人が語る「ロードレースとは」

分野は多岐にわたっていて、走行のテクニック、トレーニングの仕方から自転車の選び方、果ては服の選び方(笑)まで言及してあるなど、妙に丁寧。

紳士的な人物像でも有名だったKellyだが、本当に丁寧な人だったらしい。

確かにワタシも服選びって重要だと思うんだけどね。たとえば無駄に暑い格好で蒸し風呂になるのはパフォーマンスが落ちるどころか生命維持上危険ですらあるし、そこまで行かなくても汗でベタついた気持ち悪い服で長時間走ったりするのは走るのと無関係なところで苦行である。細かいところまで行くと、ちゃんとした自転車用であろうと生地が余っているサイズオーバーの服を着てある程度の速度を出し長時間走行すると、バタバタと暴れ続けて相当鬱陶しいし、エネルギーロスにもなっている。どうせ苦しいことに耐えるにしても、その耐えられる限界を走ることに振り分けたい。罰ゲームやってんじゃないんだから、クソな服に耐えるため走ってどうする。

何はともあれ、このくらいのレベルの本が翻訳・出版されるようになったのも自転車ブームのお陰だとすれば、ブームも捨てたもんじゃあない。

いや本当に、こんな本がどしどし出るようになって欲しい。

日本人でも、現役を退いたばかりの人とか、最新事情を交えて書けばいいと思うんだけど。

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コメント

個人的には市川雅敏さんに本を出して欲しい今日この頃です。
日本人にとっては一番、色々と参考になると思います。

投稿: ナナッシ | 2009年6月17日 (水) 01:38

大事な人を忘れていました。
ワタシも市川さんには是非とも書いて欲しいですね。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2009年6月17日 (水) 07:15

ケリーは最後まで、ビンディングペダルを使わなかったので有名ですね。
一言、ストラップ式のペダルを見て『これしかないんだよ!』スプリンターらしい言葉ですね。私、年齢を経てますので、ケリーの活躍やら、クネットマンのレイバンのグラスにカスク姿が大好きでありました。ハイローハブを使ったのもクネットマンが最初でした。ケリーのグリーンジャージ姿も最高でした。

投稿: masu | 2009年6月17日 (水) 19:23

市川さんって「近所の自転車屋のオジサン」の市川さん…。
とっても気さくな人で(と言っても知り合いとレース会場に居るときに「よお」とか話しかけてきて、知り合いが「いつもお世話になってる市川さん」と教えてくれて一言二言話しただけですが)、正体を知った時は「ひえぇ~」と驚いたものです(笑)。
私は「近所の自転車屋のオジサン」としか認識が無かったので(自転車も別の店で買ってるし)。
そのレースも「特別ゲスト」だか何だかで招かれていたようです。

投稿: 九太郎 | 2009年6月19日 (金) 12:25

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