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2009年7月21日 (火)

アルプスで遂にツールが動いた

Le Tour de France 2009は、Boonenが寂しくリタイアした第15ステージで遂に動いた。

1級峠に頂上ゴールとなるこのステージは「何か」が起きる要素を持っていたステージではあったが、総合優勝狙いのメンツの中でも本命(ワタシの考えでは)となるAlberto Contadorがこの峠でアタック。ものの見事に他の選手をチギってステージ勝利し、遂にMaillot JauneはContadorの手に渡った。

Contadorが勝ったことの是非はともかく、やはり“ツール”はこうでなくては。

総合優勝争いの連中が連日集団ゴールの繰り返しでは、そうでなくても深夜なのにゴールまでもたずに寝てしまうではないか。

このステージにおけるContadorのアタックは

「俺が本気で走ったらどうなるか見せてやるよ」

と世界中に向けて宣言せんばかりのものだった。Contadorのアタックに対してAndy Schleckが辛うじて単独追走したが、そのSchleckにしても「ゴールまでの間、じりじりと差を広げられ続けた」状態で、追撃と呼ぶにはあまりに非力。Schleckが追撃したと評するよりも、他の選手がもっとどうしようもなかったから自ずと単独になったようなものだった。まさに「完勝」で、ゴール時に例の拳銃ポーズをキメるContadorの破顔ぶりにもそれが良く出ていた。まさに「見せつけてやった」のだ。観客に、ライバル全員に。ライバルは絶対に追わなければならない状況下で飛び出し、誰一人追い縋れなかった事実をもって、このツールでダレが一番速いのかを完璧に。

ArmstrongはContadorのアタックはおろかSchleckにさえついて行くことが出来ず、Klodenにアシストされながらタイム差を最少に抑える守りの走りがやっと。総合2位だが、Contadorからのタイム差はほとんど誤差のようなものだった2秒差から1分37秒差に開いた。ステージ2位のAndy Schleckは、Bjarne Riisが惚れ込んだだけの才能の輝きを見せた。確かにContadorに対して有効なカウンター攻撃は出来なかったが、Schleckよりもずっと必死で追わなければならなかったハズの他の選手はもっとハナシにならなかったわけで、このまま順調に行けば確実にLe Tour de Franceの総合優勝に手が届く選手に育つ器であることを感じさせる走りだった。このステージだけで更に1分強のタイムを失ったCarlos Sastreの連覇は、Contadorが崖から落ちない限り無理だと思われる。ステージ優勝狙いで自滅上等の大逃げに出る可能性はあるが、それで1勝と少しのタイムを稼いでも翌日同じペースでは走れない。Cadel Evansも非常に苦しい状況に追い込まれ、この2人は総合順位一桁にすら入っていない。驚きなのがトラック競技でオリンピックメダル6個の記録保持者(自転車選手として2009年現在史上最高のオリンピックメダル獲得数)Bradley Wigginsで、もともと好位置につけていたが総合3位にまで上がって来ており不気味な存在。Garmin slipstreamにすれば嬉しい悲鳴だろうか。

Maillot Jaune着用日数で“あの”Marco Pantaniの記録を地味に抜いていたRinaldo Nocentiniは、ここに来て遂に「お役御免」となった。ただ、ボコボコのヒドいタイムだったわけではなく地味に総合6位にとどまる粘りを見せ、Maillot Jauneを着た選手である証を見せた。

Armstrongについてだが、これはもう目一杯だったのかブラフなのかは分からない。15ステージの走りで「Armstrongの総合(優勝)はないな」と判断する人もけっこう多いだろうが、ArmstrongはBruyneelと組んでから抜群に「死んだふり」がうまい選手に変身した。Armstrong以上に「これが限界」なのか「限界のふりをしている」だけなのかの区別が付きにくい選手はいないほどだ。だからあの走りが一体何なのかは本人とBruyneelしか真相を知らないと思う。あれで案外ライバルを神経戦に持ち込むタイプだ。どんなつもりで大会に挑んでいるのかに関する発言も故意に人心を惑わせるようなぶれがあり、Contadorは最強で自分はアシストとして走ると発言してみたり優勝を狙うようなことを臭わせてみたりとうまく周りを振り回している。チーム内は内紛が起きる一歩手前であるかのような発言も演出の一環ではないかと思うほどだ。これからどんな風に走るかの結果以外では判断できないだろう。

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コメント

こんにちは。
今、現地(イタリア)にいるのですが昨日は電車の遅れと予定より早い到着で峠についたときはすでに先頭は通過していました(ゴール1km手前)。もうちょっとゆっくり走ってよ!
ファンが次々と峠から降りてくるところしか見えませんでした。
他のステージでもはっきり見ることができなかったです。
TVでみるようなゴール地点は招待されたひとしか入れないんですよ。200mくらい手前で柵があってそこで通行止めになっている。アスタナのバスの周りは常に人だかりでLanceとContadorは頭しかみえない…

投稿: cano | 2009年7月21日 (火) 06:20

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