コース設定ミスじゃないのか?
2009年のLe Tour de France前半は、気味が悪いくらいドラマに欠けている。
Armstrongの個人トレーナーのChris Carmichaelだったと思うが、2009年の前半戦を評して「偉大な勝負を生んできた峠を単なる“こぶ”にしてしまった」等と嘆いていた。
前半戦の山岳ステージでも数々の名勝負が繰り広げられた著名な峠が入っていたのに、総合優勝争いでは事実上何も起きないまま無難にクリアしてしまったからだ。
もちろん走っている選手やそれをコントロールする監督にすれば、それらの峠で何も起こさないように走るのは実は凄いことだろう。強烈な坂を何もなかったかのようにクリアするだけで偉大なことだ。
だが、今年の前半コース設定は、主催者の意図と違う結果になっている気はする。
4年ぶりに復活したTTTでも、無意味に狭いコーナーが入っていたりしてチーム同士の“力”を競うのではなく泥沼落車合戦と化してしまった。もちろん勝利したASTANAや2位に入ったGarmin slipstreamの走りはアツかったが、本当はもっと力があったのかこんなものなのか分からないままに終わってしまったチームが幾つもあった。TTTの落車が原因でリタイアに追い込まれた選手もいた。やっている方も見ている方もこれは実にお寒い展開だ。
今後、少なくとも個人TTでは絶対に順位が動くし、Mont Ventoux頂上ゴールでは“何か”が起きるだろうと目されている。が、それらは本当に最後の数日に集中している。
ではそれまでのステージはエンエン「待ち」で「そこに行くまでの過程」として総合優勝争いの選手達はずっと集団でゾロゾロ走り、総合に関係ない選手がステージ優勝するのを繰り返すだけなのか?オイオイ。
Cavendishがやたら目立ちまくっているのは、総合優勝争いが寒い展開なのと無関係ではないだろう。COLOMBIA HighRoad HTCは、本来総合狙い要員だった選手までトレインに加わってCavendishを“発射”している状態だ。もう「いかにしてステージ勝利を重ねて目立つか」狙いに完全にシフトしている。あれだけのメンバーが揃っている超豪華トレインから当代最高のダッシュ力を持つ選手を発射するのだから、当然のように勝ちまくりだ。
この膠着した展開で有利になる選手、不利になる選手は出るとは思う。
少なくともSastreはこの展開が有り難いだろう。2008年こそ総合優勝したが、Sastreは「TTも何とかこなせる山岳スペシャリスト」なのに何故か「山岳で突然ブレーキがかかる日」がよくあって、それで総合優勝争いから脱落するのがパターンですらある。だから、ずっと今のままで最終決戦まで行ければ一発逆転を狙える(出来るかどうかは、別)からだ。
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コメント
今回着順によるボーナスタイムが無くなった(主催者側がランスを牽制した?)のが、全体を守りの展開にしてると思うのですが・・・
投稿: Jun | 2009年7月19日 (日) 00:55
昨年もボーナスタイムはありませんでしたけど、かなり盛り上がってましたよね?
投稿: | 2009年7月19日 (日) 12:17
そうでした、ボーナスタイムが無くなったのは去年からでした。失礼しました。
最後の1週間の盛り上がりに期待します。
投稿: Jun | 2009年7月20日 (月) 06:30