冬の時代を生き抜いた先見のカタチ
OVAL Concepts社とUCI担当者との直談判の結果、エアロバーに適用される新ルール、いわゆる「3:1ルール」への適否が確認されたそうだ。
結果としては
A911、A921は適合。
A90x、A70xは不適合。
が結論だったそうだ。A911/921の2つは空気整流用スリットをどう解釈するかで適/不適の判断が割れる形
をしていた。新ルール発表時はの下馬評としては、A911/921も含めOVAL Conceptsの製品皆アウトではないかとする解釈がけっこう出ていた。が、最終的にUCI公式解釈としては「ハンドルバーの真ん中にスリットが入っている形」と扱ってヨシとなった。これが仮に「2枚の独立した超扁平羽根でハンドルバーを形成」と解釈されたら当然3:1に収まるはずもなく完璧アウトで、その解釈を防ぐためOVAL ConceptsはUCIへのロビー活動もやったようだ。
これで「世界一高いハンドル」A911と、それをほぼゼロドロップにしたうえ廉価&組み替え可能としたA921は延命できたことになる。極めて複雑な造形をしているA911やA921は金型もさぞかし高くついただろうからこれらの延命でOVAL Conceptsも少しは胸をなで下ろしたことだろう。が、この上位2モデルは値段が値段だけに数が出ないからOVAL Conceptsの売り上げに貢献していた割合は微々たるものだったに違いなく、それより最量販モデルだったと思われるA90xが不可になったのはかなり痛いだろう。A900そして901は、なんだかんだでけっこー見かけたエアロバーだ。
OVAL Conceptsにとっては、同じ延命可ならA911/921ではなくA901が延命できた方が商売上はまだ良かったかも知れない。が、当然ながらA901は3:1ルールには到底適合しない形(8:1らしい)をしているので、ルールが変わらない限りとてもムリだ。その意味ではA911/921のこのスリットはエアロバー新時代を迎えることで「空気だけでなくルールもすり抜ける素晴らしいアイデア」としてより輝きを増した観はある。あるが、いかんせん高すぎる。
OVAL Conceptsは、この3:1ルールを生むきっかけとなったNew 3T VENTUSに対してかなり怒り心頭で「アイツらがあんなムチャなエアロバー作らんかったらワシらの商品までとばっちり喰うことなかったんじゃ!」と相当ご立腹のようだ。なおOVAL Conceptsの話ではVENTUSは22:1(爆笑)のとんでもない扁平率だとか。さすが「これはもうハンドルじゃなくて羽根だろ」な外観をしているだけに扁平率も猛烈だ。今回の新ルールが生じた全責任を負うものではないにしろ、VENTUSが「パンドラの箱を開けてしまった」のは間違いないだろう。
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コメント
肘当てが底上げされた形の物やベントのキツい物は持ち替えの際に危険との見方から、UCIがこのようなハンドルの使用禁止を検討しているようなので、こちらのルールが適用されれば「3:1ルール」を逃れたA911も引っかかるかもしれません。
投稿: go2cu6 | 2009年8月 3日 (月) 00:28
いつも楽しみに見ております。
あのエアロバーの画像、一見しただけだとマンタみたいな型だなと。いつか猛禽類の特徴を備えた自転車グッズが出てくるかもしれないですね。
投稿: 似非ヨーギー | 2009年8月 3日 (月) 00:56
go2cu6 さん、その追加ルールに関しては別に執筆中です。
似非ヨーギーさん、あまり知られていませんが、かつてCORIMAが本当にマンタみたいなの作ったことがありますね。
投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2009年8月 3日 (月) 07:12