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2009年8月17日 (月)

Schmolke伝説と現実

軽量パーツで知られるドイツのSchmolkeが、いわゆるスーパーオーバーサイズ、31.8mmクランプ用のドロップハンドルを発売。

Schmolkeos1small

重量は、最高峰モデル「TLO」で135g〜、ノーマルの「SL」で160g〜と公表されている。

「そんなもん?」

と思った人も多いのではないだろうか。ワタシはそう思った。
以前も書いたが、今や特に軽量と謳っていないありふれたハンドルでも普通に200gを切っている。180gで「超軽量」とか謳ったら客にプッと笑われてもおかしくないほど「軽くて普通」の時代になった。特別高価なハンドルでもないのに計ってみたら実測170gを切っていて驚いたような例もちらほら散見されるご時世である。Schmolkeのように目ン玉飛び出るような価格のハンドルが“この程度”で、競争力あるんかいな?と人ごとながら心配してしまう。

もっとも、Schmolkeの知る人ぞ知る隠れた「売り」は「あのUlrichの走りを支えたハンドル」つまりあれくらい体格が良く体重があってパワーも凄いライダーが使っても大丈夫なコト。ゆえに、Schmolkeの場合、軽量パーツで有名なんだけど案外「これ以上軽くするのはしんどい」のではないかとワタシは思っている。軽いが弱く、パワーライダーが使うとヨレる。じゃあSchmolkeの名折れだからだ。だがUlrichが使い始めた頃のSchmolkeは160gくらいあり、当時でこそ超軽量と呼んで差し支えなかったが、今となっては周囲の追い上げほどに“本家”はより軽くなれていない。もともと軽いモノをもっと軽くするのが根本的に極めて難しい上に、なまじ過去の名声と拘りがあるため強度は落とせないのがSchmolkeを苦しめているように見える。Schmolkeの場合、今となっては軽いことよりも「この軽さでも信頼性がある(とされている)こと」が最大の売りだろう。なんともニッチなセールスポイントだ。

そして軽量パーツの戦場は既に「最初に100g未満のドロップハンドルを作るのはどこか」競争になっていると思う。100g切りは数字としてのインパクトが違う。きっと今も数社が100gを切るべく知恵を絞っているだろう。

じゃあソレ、走ってていきなり折れやしないか?と心配ではあるのだが。

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コメント

色々考えてみたのですが、100gを切ること自体は簡単でも更に強度を保つには、
薄いアルミニウム-スカンジウム合金の上にカーボンを巻くなど複合素材にするしかないような気がしています。

投稿: POLA-MIN | 2009年8月17日 (月) 01:58

手で握るドロップハンドルはフレーム体と違って断面形状の制約が大きいから内部にウレタン封入するとか面白い構造のやつとか出てきそうな気がする

投稿: 狂鹿 | 2009年8月18日 (火) 07:15

100gを切るとなると,かなり凝った構造になりそうですね・・・。
必要な部位のみ適宜内部にカーボンのハニカムとリブを設けて,ガワはフィラメントワインディングか組物+VaRTMにすれば可能でしょう。ねじれを考えると今のステムのクランプ部は伝統に縛られているので,専用ステムとセットになりそうですが,商売にはならないでしょう。研究室で実験的に製作する程度が賢明な気がします。

投稿: life cycle | 2009年8月19日 (水) 00:07

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