そのポテトには手を出すな!思いっきり芯が残っているぞ!
ワタシは何冊もの本を平行して読む妙な癖がある(ひどいときは2桁)ので、一冊だけで見ると読み終わるまで意外と日数がかかったりする。
感想:章毎の内容にえらいこと大差がある本だな(苦笑)
「差がある」ではない。大差があるのだ。大変ナカミの濃い章と冗長の一言に尽きるゴミのような章が混在している絵に描いたような玉石混合の内容で、正直、一人で書いたとは思えない。そのくらい面白い章と面白くない章のギャップが凄い。
冗長な章は過去のLe Tour de Franceのステージ状況をダラダラと垂れ流しているだけで、ほとんど拷問に近くクソつまらない。つまらないだけでなく妙に長かったりするのでまさにどうしようもなくクソだ。そこに裏話的なエピソードでもしこたま入っているならともかく、ほとんどただの状況説明垂れ流し。喰ってむしろ損した気分にさせられる、何回もローテしすぎて伸びきったマズい流しそうめんのようだ。しまった箸を伸ばすんじゃなかった、と。本当にこんな内容をインタビューで相手が答えたのか自体がもはや甚だ疑問で、この程度の原稿は本にするんじゃなく丸めてゴミ箱に行くのが正しい行き先だ。例えばRoberto Herasへのインタビューなどは、全体の98%くらいHerasに聞いている意味が全くない内容で占められている。アホか。
逆に、面白い章は非常に興味深い裏話があったりして「もっと掘り下げてくれよ!」と思うくらい面白い。面白い章の面白さは「ツール・ド・フランス 勝利の礎」を超えるモノすらある。
このあまりのギャップが「一人で書いたとは思えない」感想に繋がる。
面白い章だけ読んだとしても本の代金を払うだけの内容が、面白い章にはある。逆に冗長なだけのつまらない章は読んだ時間を丸損した気分になるので、それらのゴミ部分を全て破り捨て「面白い章だけで再編集し、もう少し薄い一冊の本に」したい気になる本だ。少なくとも、面白い章には「この本にしか載っていない内容」が幾つもあり、それだけでも値段分以上の値打ちモノで、総合的には決して損をした気にはならなかった。じゃあワケの分からん章はナンだ。
凄く美味しいヒレステーキに、ウソのようにまずい意味不明な総菜が添えてある
そんな感じなのだ。ステーキだけ喰えば感激できるが、ウッカリして総菜に手を出すと確実に損をした気になり、喰わない方がよほど気分がよい。
TREKのArmstrong担当だった社員へのインタビューは、かなり美味しい部類。
たとえば「Madone」の名前の由来が
「Armstrongがいつもトレーニングしていた峠の名前」
なのは、TREKについて少し知っている人間なら百発百中で答えられるであろう有名なネタだ。
が、実はもう一つ意味がある事を知っている人はかなり少ないだろう。
本書で「それ」を知ることが出来る。
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