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2009年10月10日 (土)

Vector make it!

INTERBIKEで展示された中でも、パワートレーニングに興味がある人に見逃せないグッズが一つあった。

Jd_09vegas_238_600

新進、Vectorの「ペダル内蔵型パワーメーター」だ。

「そこに来たか!」と膝を打った。

「駆動トルクが加わる軸内に、ある程度以上高精度なStrain Gauge(ねじれセンサー)を取り付ければ、どのくらいの力が加えられているか導ける」

これがいま主流のパワーメーターの動作原理で、POLARのように全く違う方法で導いている例もあるが、精度的に全くお話にならずブラックジョーク用グッズ以上のモノではない(全く同じ力で漕いでも使うギアによって随分違うパワーと検知されたりする)のが現実で、Strain Gauge方式以外にうまい方法はないのが現状だ。

元祖SRMはスパイダーアーム内に。

CycleOps PowerTapはリアのハブ軸に。

QUARQ CinQoはSRMと基本的に全く同じスパイダーアーム内に。

そしてVectorはなんとペダルシャフト内に入れてきた。

素晴らしい発想だと思う。どれだけ時代が進んでも、いや時代が進むからこそアイデアには尽きるところがナイ。技術の進歩がアイデアの実現を後押しするからだ。

Dsc_2643_600_2

この驚くほど小さいセンサーが「ペダルシャフト内蔵」を可能にする。
これは流石に驚いた。そんな手があったのか、と。理屈上は可能だが、ワタシの脳味噌では思い付きもしなかったよ、と。

Jd_09vegas_249_600

装着した状態。
重量増わずか50gだそうだ。
今のところ完成しているのはSpeedplayのペダルに内蔵したモデルのみだが、コンパクトさ、機材に対する制約の無さではいよいよ最高峰かも知れない。データ送信は「もはやANT+Sport以外の規格など“規格”ではなくローカルな有象無象である」と評して良いほど標準の地位を獲得したANT+Sportを採用する。

実際の所の精度はどうか
本当に実用に耐えるのか

などはまだまだこれからだが、物凄く面白いチャレンジだと思う。是非ともモノになって欲しい。

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コメント

ペダルシャフトに加わる応力を測定するようですね。
X軸とY軸両方を測定するようですから理論上はペダル位置に関係なく加えられた力を測定できますね。
下死点で体重をかけたりとか、左右のペダリングのアンバランスとか気になる点はいろいろありますが、技術の進歩と発想は素晴らしいです。
実用に耐えるなら真剣に導入を考えます。

投稿: u:b | 2009年10月10日 (土) 00:53

SpeedPlayと言うのがちょっと残念ですが、着目点は良いですね。

ただ、これって「踏む」パワーは測定できると思うのですが、ちゃんと「駆動力」に換算してくれるんでしょうかね。PowerTapと組み合わせれば、ペダリング効率も測定できそうですが。

投稿: 元 | 2009年10月10日 (土) 01:22

駆動力に換算するにはクランク回転軸の接線方向の力成分だけを取り出す必要がありますが、これにはクランクの角度を別に計測した上で演算するのが計測器として妥当なアプローチです。ただそうなるとペダルシャフト内臓型ではすまなくなってきそうですね。面白いアイディアですが、主流にはならないでしょう。

投稿: J | 2009年10月11日 (日) 17:46

この構造を見ていると既存のクランクシャフト(特にホローテックⅡ)にポン付け出来るパワーメーターが出来そうな気がしますね

投稿: 菊6号 | 2009年10月11日 (日) 18:38

こんにちは。

前からこの方式は予想してましたができるとは思いませんでした。
作った人すごい!

この方式の最も優れているところはペダルより先の部分に影響を受けないということでしょう。SRMならクランクの長さやペダルの影響を受けてしまい単独での影響を測定するときはクランクの長さ分のSRMが必要になってしまいます。これならどんな自転車でも、どの部位を変えても、その影響を直接測定できます。素晴らしい!

さらにうまくやればペダリングの効率を調べることもできるはずです。

ただ一番問題なのは精度だと思います。今まで誰もやらなかったのはやらない理由があったからだと思います。

投稿: cano | 2009年10月11日 (日) 21:45

いままでピストにパワーメーターを搭載するにはSRMの一択で高嶺の花でしたが、この商品に実用価値があるのなら是非試してみたいと感じました。

投稿: ピストマン | 2009年10月12日 (月) 23:52

BB軸のねじれを磁力の歪みで検知する磁歪式のペダル踏力トルクセンサー、10年前から某国産の電動アシスト自転車に導入されてますね。応用できれば国産でイケそうだと思うのですが・・・

投稿: noguchi88 | 2009年10月13日 (火) 00:15

Strain Gaugeは基本的にねじれセンサー(剪断による歪?)でなく、
引っ張り若しくは圧縮による歪を測る装置だったと思います。

投稿: none | 2009年10月13日 (火) 01:08

はじめまして.

今まで見てるだけだったのですが興奮のあまりコメントしはじめてしまいました.
これはいいですね…,たまりません.
モノの仕組みからすれば左右別々にトルクと力の向きを測定できるようになる,
ということは!リアルタイムに左右の加重の方向をPCでモニタしながらローラー台に乗ったりできる未来があるかも!ああなんて楽しそうな.
面白いものを紹介してくださってありがとうございます.

上のJさんのコメントを見て,そうだなぁどうすればいいかなぁと暫く考えたのですが,
二軸の加速度センサを内臓すれば解決できる気がします.センサのサイズもちょうどいいくらい.
ペダル軸はBB軸の中心にたいして円形にしか動かないということを使えば,加速度ベクトルを知るだけでBBを中心にしたペダルの角度変化をほぼ計算できて,さらに車体全体の加速度でペダルのBBに対する位置変化が真円とずれてみえるはずで,そのずれは補正に使ってついでにずれ具合から車体全体にかかる加速度まで計算できちゃうかも!完璧!という感じです.
ま,妄想なんですが.

投稿: ほっぺ | 2009年10月13日 (火) 03:12

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