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2009年12月 2日 (水)

ずっとサルです(改訂2版)

「トレーニングにおける質と量の最適バランス」は本当に難しいと思う。

その道のプロ、それも一流どころであってもおいそれと1+1=2ノリでの答えは出せないモノにシロウトが取り組んでいるのだから尚更だ。

売るほど体力があって金属で出来ているかのような頑丈な関節を持ち、ケモノのような回復力を有していれば問題は何もナイ。高い強度で長時間やればよいのだ。

「量」だけ見ても、毎日100km走り続けて月間3000kmとか、某有名な「越後のIndurain」氏のような真似はワタシのレベルではヤル気以前の問題として回復力的に全く無理がある。つまり、仮に気力があったとしてもそれを実現する肉体的資質を有していない。以前試してみたように、大ボリュームを連日となると回復力の不足により早晩パンクしてしまう。同じ走りはできないどころかトレーニングのまねごとさえ出来ないくらい桁が違う。

たとえば1日150km、単発で走ることは難しくない。だがソコソコの出力で150kmとか走ると翌日に疲れが残ってしまい脚が回らない。(LSDペースで150kmならイケるかも知れないが「LSDで連日150km」の時間を取るとまっとうな社会生活は不可能に近い)

150kmの連続はまだ試していない(ヤル気なのかよ!?)が、2日目は間違いなくクリアできるにしろ4日目あたり、下手したら3日目で継続を断念させられるような身体異常が発生するんじゃないかと思う。

最近の議論ではトレーニングの強度と量について学派(ってほど大げさでもないか?)が2つに割れているような感じで

  • 大量のLSDこそがピークパフォーマンスの向上を司る
  • SSTを効果的に行えば気が遠くなるほどのボリュームでなくてもパフォーマンスは向上できる

の2派だ。これは自転車競技でメシくってる・くえそうな連中がやっている議論で、シロウトの茶飲み話(このBlogのような。笑)ではないのは先に脚注しておく。長時間の競技はないトラック競技でさえ、ドイツナショナルチームが、傍目にはプロでさえ驚くほどトレーニング時間のほとんど(半分どころの騒ぎではなく)をLSDに費やし、結果としてキッチリ成果(オリンピックや世界選手権でメダルGet)も出したのが前者の大きな後押し。それに自分でやってみりゃあ分かるがLSDが効果あるのは体感としてもパワーの数値としても結果が出る。だが後者もちゃんと成果を出しており、かつ一般ぴーぽー(死語)にとって耳が痛い指摘も行っている。いわく、トレーニング時間が週あたり12時間以上のアスリートで初めてLSDの「大量」に後ろ盾が発生し、ましてや週のトレーニング時間が1桁(10時間未満)のプチアスリートがLSDならぬSSD(Short Slow Distanceを意味する。泣ける造語だ)をやってるヒマあるならSSTに集中した方が確実に成果が出る、と。これも確からしい。じっさい前出のドイツナショナルチームの走り込み量はそりゃもう桁が違う。最も少なかった選手で年間2万5000kmだ。最も多かった選手、ではナイ。

じゃあ、毎日8時間トレーニング時間が取れたりする特殊な人間以外、時間効率も極めて悪いLSDに意味はねーのか?

ちがう。それは捉え方が消極的すぎる。

最低週12時間(目標週12時間ではないところに注意)を確保しLSDをサルのようにやれば、それがもっとも速くなれて間違いのない王道

と見るべきだろう。ただし、誰もがすんなり王道を歩めるわけではない。

そこで早く起きる話に繋がるワケだ。

毎朝4時に起きて時間を捻り出し、真っ暗なうちからサルのようにLSDばかり延々やる。LSD「だけ」で週15時間以上ヤル。実際の数字としては20時間くらいを保てている。そんな生活がすっかり日常のサイクルと化してきた。傍目には完全に取り憑かれたヤバいヒトだ。

“普通に”走りにも行くが「それはトレーニング時間に含めない」計算でトレーニング時間を積算する。
「好きなだけ強度を上げて走った場合、100km走ろうともこれをトレーニング時間と認めない」と。

これが誰かのトレーナーで、うまく行かなかったら「どーすんだ一年棒に振ったぞ大バカヤロウ」モノだが、自分のことなのでキラクなものだ。うまく行かなくてもアタマ掻けばいいだけ。いまのところ一応FTPは伸びているのでまだ壁にぶち当たってはいないようだ。

2009年もあと1ヶ月を切ったが、感動的な成果が出るか笑いながら頭を掻く羽目になるのか、どっちにしろ来シーズンが楽しみで仕方ない。

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コメント

こんには

>真っ暗なうちからサルのようにLSDばかり延々やる

ここだけ見ると通報されそうです。

私は最近筋トレをメインにやってます。LSDといってもプロかそれに準ずる人たちは結構速いですよね。ランニングでも1km4分くらいで3~4時間走る。マラソンでサブ3を達成する人は市民ランナーの約10%くらいで、それより速いスピードで毎日走るっちゅうのはなんか基礎的なスピードが全く違うのかなと感じています。
というわけで先にスピード+筋肉をつけてからLSDをやった方がいいんじゃないかと検討中です。

livestrongさんも体壊さずに頑張ってください!

投稿: cano | 2009年12月 2日 (水) 02:07

以前、毎日100kmをただ走ってみる。を、実践しようとしましたが、不慮の交通事故により、3日目で断念。。。まさかそんなという感じです。
そろそろ再チャレンジしようと思います。

投稿: TTT | 2009年12月 2日 (水) 14:31

こんにちは。

LSDをサルのようにやれば、それがもっと速くなれ(る)間違いのない王道

ですかね?
つまらないコメントで申し訳ないです。

投稿: Lightweighter | 2009年12月 2日 (水) 19:36

脳を使わずにトレーニングやってきて、livestrong氏をお手本にちったぁ頭使ってみてるのですが、
4時間半の本を読んで一つ疑問に思いました。

毎日ガッツリLSDトレーニングしている氏でも、短眠法に基づくリズムでの睡眠時間分配をしているのでしょうか?
修行が足りない自分は、100km走ったらつい6時間寝てしまいます・・・
もっと精進しなきゃ

投稿: ねじねじ | 2009年12月 2日 (水) 23:24

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