傾奇御免
正直かなり時季はずれな2009年のネタなのだが、SHIMANOの「メーカー製スペシャルパーツブランド」であるYumeyaにロード用グッズが追加されている。
SHIMANOは社内基準が他の自転車関係メーカーに比べて厳しく、不必要にマニアックな製品を商品化するのは物凄く難しい。たとえば「あと200g軽くして体重制限75kgのホイール」は、ZIPPでは正しくてもSHIMANOでは99%日の目を見ない。
だが、当然のようにハードコアな自転車マニアはSHIMANOにもいる。これはもう居ないと考える方が思考回路に問題ありだろう。
そんなハードコアな自転車好きが「本当は作りたかったモノ」の一部を披露しているのがYumeyaなのだと思われる。だいたい名前が「夢屋」だから露骨だ。つまり、これが夢や。ただし「夢屋」自体は、自転車用の歴史こそ浅いがシマノ製釣り具ではマニアックなプレミアムラインとしての歴史がある。つまり「SHIMANO社内の自転車マニアがその凄い情熱で遂に自転車部門でも夢屋の看板を立ち上げるのに成功した」と見るべきだろう。コンセプトの「Kabuki Beauty」も、海外向けアピールを含んでいようが、社内の“傾いた”人達が作ったからじゃないのか?あのコンセプト写真を見た人の多くが「はぁ?」「なんで歌舞伎やねん」「ヘン」と思うだろうが、きっと作った人達は社内で「はぁ?」「なんで○○やねん」「ヘンだぞお前」と思われている(と自覚している)のだ。
…物凄く一貫性のあるコンセプトだな(笑)
切削を入れた78DURA-ACE用チェーンリングであるとかホイール装着ガイドを削り落としデッカい軽め穴も空けたブレーキシューホルダーであるとか、先行して発売されていたXTR系用の穴あきDerailleur pulleyであるとか、自転車のパーツについて「こだわり」をもっている人間ならニヤリと笑えるパーツが多い。ワイヤーの軽量アウターなどは、通常はステンレスの芯材にアルミを何本混ぜるかでテストを繰り返したりと出来上がった見た目以上に物凄く凝っている。単なるドレスアップにしか役に立たないパーツも混じっているのはご愛敬だろう。他にも前述の78用チェーンリングなどは、幻の(笑)FC-7800Cに使われたものと同じカタチに見えて仕方がないので、あのクランクと共に世に出るはずだったチェーンリングを幻にしたくなかった制作者の意地かな?と想像していたりする。窒化チタン処理チェーンなども、ほとんど意味ないんだけどヤル。つまり「アフターパーツメーカーがやるようなコトは、SHIMANOがやろうと思えばすぐ出来る!ただ、そこまでコストをかける意味がないから製品化できないだけ」だと。
口の悪い人なら「作り手の自慰行為」とこき下ろすかも知れない。
だが、Yumeyaを立ち上げた人達はそれに反論などせず、心の中でニヤリ笑うことだろう。なんせのっけから「カブキビューティー」だぜ?完全に開き直ってるワケだろこれは(笑)。デッカい「御意見無用」の看板を掲げとるわな、スタート時点から。
「ママー、変な自転車屋さんがいるよー」
「しっ!」
コレだ、コレ(笑)
このような台詞を数多く頂いてナンボ。アホ扱い上等!
誉めて貰おうと思ってない人達に、ヘンだって指摘ほどさぶくて無効な突っ込みはない。唯一、完成度の高低だけが気になるところだろうし、むしろ「ヘンさが足らん」指摘の方が100万倍も痛いことだろう。
それこそFC-7800CもYumeyaで売り出せば良いんじゃないかな(笑)
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