« Blog再開のお知らせ | トップページ | Le Tour 2010とスキャナ »

2010年6月22日 (火)

BONT A-One

ワタシの自転車歴第二章(笑)の今までほとんどを支えてきてくれたNIKE Lance
最近痛みが目立ってきたので後継を探し続けていた(なんせNIKEが自転車部門から撤退ぶっこいてくれたからな!)のだが、いろいろ検討した結果、BONT A-Oneに落ち着いた。

A-Oneに注目した当初は買うなら海外から買う気でいたが、日本代理店がBONT本社の意向で変更(最初のBONT日本代理店はBONTのサイクルシューズに「色んな色が選べるカラフルでクールな靴」程度のド素人な認識しかもっておらずロクに販売できなかったため、BONT社長の逆鱗に触れた)されてから一気に販路が広がり、試し履きすら出来るようになった。そこで試し履きもしてA-Oneに決定し即日注文したところ、その2日後にLanceはソールがベリベリっと剥がれて本当に壊れてしまった。まさに“寿命が尽きた”感じで「絶妙なタイミングで壊れるものだ」と感心した次第。

A-Oneを即日注文する気になったのは、Lanceの寿命が近いことへの「虫の知らせ」だったのだろうか。

Mk2n9797s

自転車のパーツの中で「身体に接しているもの」はその重要さが図抜けていると思う。
例えばペダルと、靴。この「二つにして一つ」のグッズが機能しないと自転車に推進力を加えることはできない。

知っている人なら今更説明の必要もないが、BONTはインラインスケートの高価な競技用シューズで鳴らしたメーカーである。その「競技用シューズのプロ」が自転車用シューズを見渡して「こんなもんがこんな値段で売ってるのか。俺達が作ったらもっと凄えの作ってやるよ」とばかりに自転車用シューズ界に打って出たのがA-Oneだ。今は素材を落とした廉価版のA-Two、そしてその超トンガったデザインで一部に話題の「Chrono Prototype」など製品ラインナップを拡充してきている。

BONTシューズの特徴は「熱成形・底が薄い・恐ろしいくらい硬い」の三点である。

今のところ、BONTのサイクルシューズは「全て」熱成形の機能が付加されている。廉価版であるA-Twoでもそれは変わらない(A-Twoは成形可能回数が少ないらしいが)

靴は最高のモノを求めると「自分の足専用のフルオーダー」に行き着くのは自明の理であり、これは競技用でなくても変わらない。ただ、自転車用シューズのフルオーダーとなるとROCKET7などの海外製がほとんどで日本からは費用面もともかくオーダーそのものが至難であることがネックとなり、時々いる「自分の足の石膏型を取って海外に送りつけてしまうパワフルな人」を除きユーザーは極めて少なかった。

次善が成形シューズだ。

シマノが大々的に導入し多くの店舗に装置まで買わせて導入したのも、もちろん商売だが「靴問題を何とかしたい」エンジニアの熱意が先ずありきのコトである。商売“だけ”でいいなら、もっと簡単に儲ける方法はあるのだから。

シマノではなくBONTを選んだ理由は

・A-Oneの方が軽い。
・ワタシは幅が狭く日本人泣かせで勇名を馳せたイタリア製時代のNIKEシューズが一番ピッタリ来るくらい足が細いのだが、シマノの成形シューズはノーマルでもやたら幅が広い。E(幅広)などはとんでもなく広い。ナローサイズを作ってくれないと困るくらいだ。BONTは、熱成形できることを勘案しているからかどうか分からないが最近の“日本向け”シューズ(実はシューズの幅が広くなってきているのは特に日本用と限ったものではなく世界的な傾向らしいが)に比べるとはっきり幅が狭い。
・A-Oneは成形回数に制限がない。実際、三桁回数いけるらしい。シマノは数回がメーカー指示で、一回の重みが全然違う。基本的にシマノは何回もヤルことを前提にしていない。
・A-Oneの方がソールが薄い。
・シューズでは珍しい色である「黄色」がある(笑)

等の理由による。

Mk2n9798s

底の薄さはBONTサイクルシューズの美点だが、これは最近の自転車用シューズで増えてきた「旧来の貼り付けソールではなく、サイドまで回り込んだ一体型ソール」を採用していることに拠る。コの字断面になるので当然強度が劇的に上がり、その結果薄くできる。インソールを外してみると分かるのだが、確かに驚くほど薄い。そしてこの構造だと我がNIKE Lanceのように「ソールが剥がれる」事態は起き得ない(苦笑)のも良さだ。

硬さ。

「笑ってしまうくらい硬い」と表現した方がいいだろう。ソールが硬いのではない。「ソールが硬い」なんざ、いまどきの自転車用シューズじゃ全部アタリマエだ。アウターシェルがハンパじゃなく硬いのである。なんせ脱ぎ履きに支障があるほどだ。簡単に喩えると、スキーブーツを履いた時の感触が一番似ている。これはもう明らかに「熱成形して足にピッタリ合わせる」コト前提の硬さだ。この硬さで足に合っていないのは悪夢、若しくは何かの仕置きである。トライアスロン用なんか出してきたが、こんなカチコチの履きにくいシューズだとトランジッションでタイムロスすんじゃねーか?と心配してしまうくらい硬い。だが、それほど硬いせいで熱成形したあとの“ピッタリ感”は他とは比較にならないほど凄いものがある。ワタシは「趣味」のカーボン部品製作用に温度電子制御のドライクレーブと200Wの真空ポンプを持っている(笑)ので、在野の素人としてはほぼ理想的な環境で靴のバキューム整形が気の済むまで出来る。そうして成形した“完成品”の感触は、フォーミングのスキーシューズに近い。あの「一切遊びのないギチギチ感」がA-Oneにはある。いわゆる「しなやかさ」をシューズに求める人にコレはダメだろうなと思う。

BONTのシューズは手作りが「売り」の一つ(もっともオーストラリアで手作りしていた頃と違って今は基本的にオーストラリアデザインの中国生産だが、手作りなのは変わっていないようだ)でカカトの所にいちいち「BONT HAND MADE」と書いてあるくらいだが、機械で作っていないせいか改良が加わる早さが尋常ではなく、A-Oneもデビューしてからワタシが気が付いただけで既に2回くらい大幅なマイナーチェンジをしている。パッと見では気が付かないような、作り手しか分からない細かいところまで数えたらもっと変えていると思う。不具合があればすぐ直す進歩の早さも美点だろう。

現時点で既に気が付いた欠点。

ベンチレーション機能は明らかに劣る(苦笑)

なお、これはワタシの予測だが、ベンチレーション能力はそのうち改善されると思う。不具合に気付くとすぐ直してくるのがBONTだからだ。

Mk2n9799s

|

« Blog再開のお知らせ | トップページ | Le Tour 2010とスキャナ »

コメント

はじめまして
今のa-oneは初めから幅が狭いのですか?それとも成形の結果ですか?
ダイアテック取り扱いのときに試し履きしてみて、幅が広すぎでカパカパだったのでなくなく諦めたクチなのですが。。
ちなみにSIDIのMEGAがしっくりくる知人もBONTは幅が広すぎると感じていましたので少々疑問に感じたので。

投稿: dra | 2010年6月22日 (火) 01:23

完全復活、ですか?!(苦笑)
再開宣言から少し空いたので心配しておりました。

本題ですが、
このシューズには一時少しだけ注目して結局他へ行きましたが、
この記事から再び興味の対象になりました。

何故ならこのところシューズの中で足がズレることが何とも不快だと思っていたからです。
かといって納得いくまでストラップを締めると甲や内反気味の小指付け根が痛むというジレンマ…。
ペダリング補正やインソール交換などである程度抑えられますが完全には程遠い状態…。
そもそもサイズが合っていない可能性も示唆。

まずは試し履きですね。

それから、全てがカーボンなら丸洗いしても一晩置けば乾くことも利点ではないですか?

投稿: POLA-MIN | 2010年6月22日 (火) 02:07

 Bont A one は1年程履いていますが、底が難いので、硬い平面の板を踏んでいる感覚で、ペダルと靴のの設置面積がどうか?なんて全く気にせず踏める良さを感じています。 私の足は幅広です。 1年程前はオーストラリアのネット直販で、幅広仕様と普通仕様が選べたのですが、最近の国内の規格は一つの様子ですね。 Sidi の様に、靴底やベルトの交換部品が売られていると良いと思っていますが、無いのが残念です。 特にベルトの留め金が直ぐに緩み、ねじ回しでしょっちゅう締めていますが、そのうちにねじが何処かに行ってしまったら、Sidi や Speedplay の様に別売の部品が有った方が補給が効くのになと惜しい気持ちです。

投稿: TMC | 2010年6月22日 (火) 10:57

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/170044/48688041

この記事へのトラックバック一覧です: BONT A-One:

« Blog再開のお知らせ | トップページ | Le Tour 2010とスキャナ »